劇場公開日 2023年1月6日

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「全身全霊、体当たり!」カンフースタントマン 龍虎武師 momoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5全身全霊、体当たり!

2023年1月9日
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全身全霊とか、体当たりの演技とかよく言うけどカンフースタントマンは体張ってるなんて生半可なもんじゃなく、命懸けて映画を作っているのだということがひしひしと伝わってきます。

サッカー選手は50超えて活躍するのが難しいのと同じようにスタントマンも選手生命は短く、余程優秀でなければその後コーチや監督にはなれないのと同じで、生涯スタントマンを続けることなどできないし、死んだり半身不随になる確率も高く、生きてるだけで奇跡的な世界なのだ。
ブルース・リー、ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー、ドニー・イェンの偉業を振り返るだけでも凄いのに、ユン・ピョウまで出てきた時には震えた。

これが前編だったらいいのに。
後編として、この映画の先の90年以降の香港映画の世界も観てみたくてたまらなくなった。

ジャッキーのせいじゃない。
というセリフがじんわり響く。
最近のジャッキー・チェンの映画はなんとも言えない感想しか持てなくなっているが、確かにジャッキーのせいじゃないな。
中国という国の考え方のせいだ。
イギリス領だった時の自由な香港映画はもう撮影出来ないのであろうけど、これからも香港映画を屋台骨として、支えてきたスタントマン達は後輩たちにその技術やスピリットを継承していってほしい。

今やグリーンバックばっかりで、CGを使えばなんでもできる時代だけれど、かつての香港映画はこんなにも命懸けで作っていたという事を若い人たちにも知って欲しいなと切実に感じました。
映画が好きな人は絶対みてほしい。

昔に戻ってあんな命懸けの映画はもう二度と撮影できないだろうけど過去映像はこんなにも魅力的で、心が高鳴るのだな。
ドキュメンタリーであれば今後も素敵な香港映画の世界は堪能できるのだと発見できたので、どんどんこういう映画を作って欲しいなと思います。

momo