「グロリアとベイビー・ドライバーをごちゃ混ぜした映画。しかしパク・ソダムがそれを覆い隠す。」パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女 はるさんの映画レビュー(感想・評価)
グロリアとベイビー・ドライバーをごちゃ混ぜした映画。しかしパク・ソダムがそれを覆い隠す。
この映画を観る前に「ベイビー・ドライバー」を見たのが良くなかった。クルマの逃走シーンの稚拙さは否めない。逃走経路やドライビングテクニックや追跡車を撒くアイデアはベイビードライバーを越えられてはいなかった。そして、母性に目覚める手法もグロリアを越えられず陳腐な表現で終始してしまっていた。
これは主人公ウナの脱北者としての哀しい背景だけに押し込んでしまった所為なのだろう。また、子供の異常な大人びたセリフが余りにも陳腐な所為かもしれない。あまりにも腹立たしく可愛げのない言い回しが少ないのが余計に子供ぽさを強く印象ずけてしまっていた。
しかしながら、パク・ソダムの存在がこの映画の良さのすべてだ。パラサイトの長女役ほどの色気を排除しストイックでなければこの世の中は生き抜けないと言う潔さが身体全体から放出されていて、観るものをハラハラドキドキさせてしまう。
切なさを漂わせるには本物の哀しみが必要なのだ。
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