「パク・ソダムの表情にサッと灯る感情が魅せる」パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)
パク・ソダムの表情にサッと灯る感情が魅せる
『グロリア』や『レオン』や『ドライヴ』などといった往年の作品の影響を漂わせつつも、コミカルさとシリアスさの程よい緩急バランスの中でグッと本気度を見せつける快作。胸中のなかなか読めないパク・ソダムの表情に、瞬間的にギアを入れたみたいな鮮烈な火が灯るのも印象的だ。ソダムと子役の少年という、過去に共演済みの2人が醸し出す関係性もなかなかのもの。そうやって無表情かつ仏頂面にすら思えた主人公から、感情を引き出し、過去の経歴を引き出しつつ、一つの人物像のパズルが少しずつ埋められていく。脇を固める俳優陣もいいが、主人公を追いかける”第3の視点”とも呼ぶべき国家情報院の担当職員役にヨム・ヘランを起用したところがなんとも巧い。仮に仕事のボスが父親代わりだとすれば、一方のヘランとは母娘ほどの年齢差。こういった年代配置も味わいを付与し、思い切りのいいアクションと共に、見応えある疾走&ドリフト感を結実させている。
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