「世界観を完全再現。なんか足らない。」ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー ヤマッチさんの映画レビュー(感想・評価)
世界観を完全再現。なんか足らない。
本作の肝は、ゲームの世界観を維持しつつ、物語としてどう成立させるかとなります。いきなりゲーム内の人物ではなく、マリオとルイージは通常の世界の住人で職業は配管工という設定となっています。そして水漏れ事故を直そうとしたことから、パイプに吸い込まれて魔法に満ちた世界に迷い込みます。そこまでたどれば、そこからはマリオワールドの世界です。初期のゲームステージ設定から始まりマリオのゲームステージが様々登場。さらにはドンキーコング、マリオカートと違和感なく物語とからんで展開さていきます。クッパ大王も万人受けするよう悪玉オンリーではなく、どこかかわいげのある悪党に仕上がっています。そしてラストは誰もが想像する通りの兄弟愛と無敵マリオで平和となります。誰もが納得の終焉となります。しかし、何か物足りなさがあります。確かに世界観を充分踏襲してはおりますが、映画化による新たな挑戦がないのです。マリオの変身、巨大化、立体映像全てゲーム内でチャレンジされた展開です。映画化となったのであれば、さらなる映像進化、新キャラクター、アイテムといったオリジナルがありません。無難にこなした感があり、鑑賞後にやや物足りなさを感じました。マリオがおっさんではなく、青年という設定は微妙でした。またキャラ的に
濃いので使い方が難しいかったのか、ヨッシーが卵のままというのは残念です。