「原作がゲームの逆流。」ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
原作がゲームの逆流。
クッパのピーチへの片想いがあっさりと散る。
スターを強奪して、ピーチと世界を支配したかったとのこと。仲良くなってもいないのに、というか嫌がられることばかりして、突然求婚するらしい。驚愕。
独り募る気持ちをピアノで弾き語り、ピーチを連呼。
ピーチピーチピチピチピーチ
控えめに見て、気持ち悪すぎて、面白い。
この弾き語りが強烈に耳に残り、この作品の余韻とおみやとなる。
割と、全体的に気持ち悪い。
ブルックリンで、誘拐ではないが地下に引き込まれるルイージが、檻に閉じ込められ、結婚儀式の生贄として捧げられそうになる。ドンキーコングの目の周りが真っ黒。これってもしかして、現実に多いと言われる子供誘拐からの、死ぬほど怖い経験をさせたり、変な大人の性対象にされたりするとかいう話をモチーフとして散りばめている??ならば悪趣味。ネタ元がなく生贄とかいう発想があるとしたらそれも悪趣味。
ただ作品は楽しい。
脚本とかではなくて、ゲームで先に経験した世界を映像で見られるから。任天堂がこれまで積み上げてきた世界観がしっかりあるから、おなじみ曲に合わせて、コントローラー操作なしでスーパープレーを見られると充分楽しい。
そこに、任天堂がこんなに世界中に楽しい想い出を提供してきた価値を感じるし、そこに至るまでゲームを創意工夫し作り込み続けてきた技術を感じる。
これぞ、ブランドかと。ブランドは境地に至るとこうなるのか。
土管からピーチ王国のキノコワールドに行った後、言わずもがなぜんっぜん配管の技術は出てこない。
ヨッシーのクッキーとかも出てこない。
マリオとルイージは、最後にキノコが嫌いなのにキノコワールドに引っ越して暮らしている。
ということはブルックリンでクッパ闘争をしたあと、ピーチ達と土管に再び吸い込まれて、無事誰もクッパのダーク空間に落ちずにキノコワールドに戻ってきたと言うこと?
あまり意識したことがなかったが、マリオワールドってまさに、マリオのワールド。
現実ワールドでは、おそらくイタリア系移民で、小さくて劣等感のあるマリオなのが割とショック。
ルイージは輪をかけて色々弱い。
だけど兄弟がいるのは強い。
でもピーチが強いのは逆に、守る家族がいないからなのかな。
クッパも、ゾンビのカメ家来しかいなくて寂しそう。傷つきやすいから傷つけてるのかなー?
結局のところマイノリティ集団だったのかな。
団結とかでなく、ただ理不尽に攻撃してくるクッパに報復する、それだけのお話なのだがなーんか楽しい。
そんなふわっとした作品。