「"ゲーム・スーパーマリオの映画版"として見たら100点満点」ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー Croさんの映画レビュー(感想・評価)
"ゲーム・スーパーマリオの映画版"として見たら100点満点
事前評価としてよく見たのが、ユーザーからは高評価である一方専門家からは映画として質が低いと辛辣な評価だった、というものだ。
映画を見終わって「あぁ、なるほどな」と理解した。確かにマリオが好きな一般ユーザーという視線で見ると紛うことなき100点満点……いや、120点、なんなら200点でも300点でもあげたくなってしまうような素晴らしい出来だった。
けれど、専門家的な視線で見ると「ここはどうなんだろう……」「この葛藤はもう少し掘り下げて……」とか出てくるのは分かるし、ラストについても不満が残るような気はする。これってなんというかクレしんに凄く似ている。戦国大合戦なんかは、専門家からの評価がとても高く"映画としての出来はいい"が、クレしんファンからは不評だ、みたいな。暗黒タマタマくらいギャグに振り切ってくれた娯楽映画こそクレしん映画の本質だ、なんて風に思うこともあるだろう。
マリオ映画はまさに、戦国大合戦的な映画ではなく暗黒タマタマ的な"マリオとしての娯楽をこれでもかと詰め込んだ、頭を空っぽにしてただひたすらマリオを楽しめる娯楽映画"である。逆にそれ"でしか"ない。
だから、大どんでん返しだったり、感動的な心情描写なんてものがなく、ストーリーも大味で評論家からは眠たくなってしまうような映画に見えてしまったのだろう。
でもさ? マリオにそんなもの求めてる?みんなはどう? そもそもとしてさ、最初からマリオの映画にそんなもの求めてないよね?
マリオがさジャンプしてフッフゥ〜!って言ってさ、大冒険してたらもうそれだけで大興奮でさ、大盛り上がりじゃん!! こういうのを待ってたんだよ!! っていうのを、全部あますことなくスクリーンに映し出してくれたんだよこの作品は。
スマホの着信音がゲームキューブの起動音だったり、マリオカートでみんなが大好きあのアイテムが登場したり、色々小ネタも挟まっててファンからしたら垂涎物だよね。
ルイージが囚われ役だから、ルイージの活躍はあんまりなのかな……?と不安のそこのルイージファンの皆さん。安心してください。今作は"スーパーマリオブラザーズ"というタイトルです。マリオとルイージ、二人の冒険の物語です。
最後の終わり方も、あんなんで勝っていいのか?なんて評論家は思いそうなところだけど、あれがマリオの正統的なスペシャルな勝ち方だし、マリオの映画としてはこれ以上ないフィナーレだと思ったよ。一部、脚本の為に少し無理させた展開かな〜とか矛盾点はなくもなかったけど、今回はネタバレなしのレビューということで割愛させてもらう。"アレ"だって、マリオとルイージ二人の勇気がなければ届かなかった。確かにジャンプ感は否めなかったし、単調な作りではあるけど、逆にそこをこだわり過ぎていたら"マリオとルイージ"というキャラクターを損なってしまったように思う。
マリオブラザーズという映画を作る上では、これ以上ない作りだったと思ってるし、大人も唸る感動的で人生観を変える!なんて映画が見たいならTSUTAYAにでもいって見ればいい。今作は子供たちがメインで、大人になったファンも数多くの人達が楽しめるようにという任天堂の理念がこもった作品だということを評論家(笑)たちは理解していないのではないだろうか。
評論家として見れば星1.5〜2くらいだけど、1マリオファンとして見たらMAX5でした。
クッパのミュージカルはガチで腹抱えて爆笑して映画館で恥ずかしい思いするのでそこだけ注意してください。はじめて映画館であんなに笑って恥ずかしい思いしました。そこだけ苦情いれておきます。あれ笑わないやついるん?