劇場公開日 2023年4月28日

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「映画的な奥行きがない」ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー Jongoさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0映画的な奥行きがない

2023年5月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

任天堂のゲームの一番のポイントは「走る、ジャンプする、たたく」など動作そのものの操作性にあると思うが、本作はそれを見事に映像化している。
アイテムを取る瞬間、敵を攻撃する瞬間、さまざまなアクションの瞬間の楽しさこそ任天堂のゲームの特有であり、それがこの映画でも随所に見受けられる。

ただ、これは映画なのだろうか?
僕の思う「映画的」とは、簡単に言えば伏線である。
ここでいう「伏線」とは、何もどんでん返しや衝撃の結末を入れろと言っているわけではない。

今作の序盤、ピーチ姫の城でマリオが特訓をする。
例えば、あそこですごい苦労したポイントがクライマックスのステージの攻略のカギになるという展開はどうだろう。
何度も何度も練習して出来るようになった努力が、最終的な勝利につながる。
しかも、この「何度も何度も練習する」というのは至極ゲーム的ではないだろうか。

しかし、あそこで特訓した体技は、具体的にはどこでも活かされていない。
シーンごとの呼応はなく、全てのシーンがその場その場でマリオの小ネタをぶち込み、その場でそのネタは使い捨てられていく。

断片的なシークエンスごとでは見ごたえがあったが、それらがあまりにも断絶している。
シークエンスの連なりこそが「映画」であると考える僕にとっては、評価することはできない。

Jongo