ロストサマーのレビュー・感想・評価
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サイドBも見たくなった
主人公が70代のお爺さんと20代のヤンキー君という設定自体は、映画において決して珍しくない。しかしながら、新鋭監督の演出手腕と役者二人の底力でグイグイとストーリーに引き込まれた。
二人でドライブし始めたから、ほんの一瞬でもフユの秋の痛みが忘れられるのかと期待して観ていた。ところが、うーんと遠くに行くのかと思ったら着いたところは桂浜。二人はどこにだって行けるのに、心の中同様に地元に留まるのだ。
もう一人の主役といっていいのが、春という専業主婦。高知県は全国的にみても兼業主婦の割合が高い県である。とても立地の良い新しい家に住む春は、他人から見たら羨ましい主婦の理想的な暮らしを送っているはずである。
だが、春には子どもがいない。ほしいのにいないのは夫の協力がないせいだと、日常的に恨んでいるようにも見えた。きっと春の孤独もまた底なし沼だ。同窓会に行っても、独身者とも話は合わず、かといって子どものいる幸せな家庭をもつ者とも会話が成立しないであろう。
ロケが行われた場所の多くが、先行上映館であるキネマMの周辺だという。小さな地方の映画館の周りのありふれた風景がとても巧みに作品を創りあげていた。そういう意味では、なかなかに珍しい作品ではないかと思う。映画館を出たあとに登場人物に思いを馳せながら長い散歩をするのも楽しかった。
三人が求めてやまない夏は、なにをおもうのだろう。もし、この作品に続編があるのなら、それぞれの夏の人生を見てみたいとも思った。
愛に飢えた3人の物語
幼少期に親に捨てられ泥棒として生きるフユ
妻を失くして孤独死を恐れるアキ
夫からの愛を感じられず、専業主婦で人肌恋しいハル。
この3人の日常の一部分を切り抜いた映画
親から虐待を受けて孤独に育ったフユは、暴力を愛として感じてしまいます。
アキは話し相手が欲しいのか、健康体なのに毎日病院に通って身体を診察してもらいます。
ハルは夫に愛されておらず、性欲に飢えています。
3人のどれもに現代の社会性が感じられ、僕にはとても共感できました。
20代後半から30代の人に観てもらいたい映画です🎞️
最近は最初から期待せずに映画を観るようになったおかげで、思った以上に面白く感じました。
冬と秋の関係性には終始ニコニコして観てしまいました。個人的にはおすすめの映画です。
はりまや橋
寂しさや喪失感を抱える3人のお話。
募金箱を背負って金をくすねて生きる青年フユを軸に、毎日病院に通う爺さん秋と、夫に構ってもらえない専業主婦春がそれぞれ絡み展開していく。
早々にロストサマーも寂しさも判るけれど、特にメインのフユは最後まで何がしたいのか良くわからない。
まあロストサマーは観る前からそうだろうとは思っていたけれど。
しかもフユは滑舌の悪さと方言のせいで何言ってるか聞き取り難いところが多々…と思っていたら山場は何言ってるかのこれっぽっちも…まあそこに重要なセリフがある訳ではないけど。
特に機微がどうのというのは感じられず、あーそうですかで終わってしまった感じでがっかりだった。
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