「自分のキャン玉を握れない者に他人のキャン玉を握ることは出来ない」彼女はなぜ、猿を逃したか? uzさんの映画レビュー(感想・評価)
自分のキャン玉を握れない者に他人のキャン玉を握ることは出来ない
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猿を逃がした女子高生と、それを取材するライター女性の対話から物語は始まる。
噛み合わない会話と、翻弄されるライター。
別の男性記者の取材も並行して描かれるが、ん?なんか同じ受け答えしてる?
まぁこの辺で仕掛けの方向性は分かるのだが、役者を使ったメタ的なトリックで中々整理がつかない。
また、登場人物が次々と変調をきたし、演出の毛色も別物になる。
ややこんがらがるが、最終的には(細部はともかく)無理なく腑に落ちるし、中々に面白い。
キービジュアルでみんなの髪型が違うのも納得。
ただ、ネタバラシがちょっと長いかな。
このパートの藤嶋花音がそれまで以上に魅力的だから、全然見られるのだけど。
(のんと『違国日記』の早瀬憩の間のような印象)
また、あそこで優子がアッサリ振り切った(ように見える)のも、テーマ的にどうかなぁ、とも思う。
それまでの描写も演技だったとなると、実際の苦しみは一切描かれてないし。
切り抜き・偏向報道や誹謗中傷に対する切れ味が、一気にペーパーナイフレベルになった。
とはいえ先述の通り仕掛けは良かったし、時折挟まれるユーモアや夫婦のじゃれ合いは楽しかった。
『群青いろ』は今後も追っていきたい。
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