「超一級のサスペンス。空のカサンドラ・クロス エゴと人道の間がもどかしい。だが、それがいい映画。」非常宣言 野球十兵衛、さんの映画レビュー(感想・評価)
超一級のサスペンス。空のカサンドラ・クロス エゴと人道の間がもどかしい。だが、それがいい映画。
えーっとね、またくだらなくて余計なことから書き始めますね。
私ね、俳優さんのお顔が気になってしよーがないの。「似てるー!これ誰かに似てるー!」っていうふうに。
本作もね、お父さん役の人が誰かに似てるなーと思って、まず引っかっちゃたの。
「そうだよ!遠藤憲一と名倉潤を足して3で希釈した感じだよ!」って思っちゃったの。
そんでもって、テロリストの青年は「これ、まんま星野源だよ!」ってな感じで(笑)
そー見えだしたら、もうだめ。そのイメージで観続けちゃうの。困ったもんだ。
ラスト近くの作戦本部(?)には伊集院光の姿もあったしね!←だから!
ごめんなさい。ちゃんとレビュー書きますね。
まずね、星野源がね、脇の下ズププと切って謎のカプセルを埋め込んで自ら縫合したり、再び抉り抜いたりするシーンで(°ଳ°)ゲゲボ…ってなっちゃったの。序盤からこれじゃ、先が思い遣られますわ。ゾンビ系で、こーゆーの割と耐性ついてるって思ってたのに。
でも、そんなくせに、もうちょい(°ଳ°)ゲゲボ…ってなるシーンが欲しかったかな、とも思って。
いつまでも名倉とか、星野源って言ってちゃだめなので、俳優さん調べに行きました。
したらね、ビックリしたね!遠藤さんって、マイフェイバリット映画のひとつ『マグニフィセントセブン』でナイフ使いのビリーを好演していらっしゃったイ・ビョンホンじゃないですかぁ!
覚えてないくせに、フェイバリットがどーとかこーとか、言えた義理じゃないよ!
てか、それ以前に刑事さんは『半地下の家族』『ベイビーブローカー』のソン・ガンホじゃんかよう!
正直に白状すると、悔しいけれど2作共に守備範囲外の作品だから、面白さがよくわかなかったんだよう!
だから覚えてなかったんだよう!ちくしょう!
本当に!ダメだ!バカだ!私は!
こんなんで、よくもまぁ映画ファン面して、くっそ偉そうにレビューなんて書いてるよね…自分…
閑話休題。
本作ね、何が怖かったかって言うと、テロリスト犯を捕まえたところで問題は何も解決しないところなんですよね。
てか、犯人は序盤でもう、あっさりと死んでるし。目的は果たしてるし。
スリリングなパニック展開がずーっと現在進行形ingなわけですよ。まさにノンストップスペクタクル。
お空の上高~く飛んでる飛行機という密室が舞台。おまけに相手は感染系って最悪コンボ。マジでタチ悪い。チョー絶望的。
私…海外旅行どころか、飛行機に乗ったことすらないんですよね。←マジか!(笑)
だから、飛行機ってやっぱりちょっと怖いの。あまつさえこんな場面に遭遇したら、マンモスびびって、シッコモラー確定ですわ。
本作ね、安易にゾンビ系にしちゃわなかったのが、リアル恐怖の演出の面で、さらに効果的に思えたかな。
韓国ゾンビ好きなんですけれどね。『新感染』とか『#生きている』とか『新感染半島』だとか。私的評価ではいずれも★5の名作です。
今回は純粋なパンデミック物っぽかったので、それを堪能してみようと思ってのチョイスだったんですね。
同様のシチュエーション作品って、きっといっぱい既出あるのかな?と思ってちょいと調べてみました。
いかにもありそげだったので。すると、目についたのは『パンデミック・フライト』くらいだったの。身も蓋も無いタイトルですやん。機会があれば観てみようかな。
ほら、また脱線だよ。お話に戻りますね。
エゴと人道の間で揺れ動くヒューマンドラマがいいのね。こういうジレンマ展開大好き。
主人公がトラウマを克服して、やっとこさハッピーエンドに向かうのかな?と思いきや!
何と!頼みの綱の日本が、救ってはくれなかったのね。ここ完全に我が国ヒール扱い。仲たがい悔しい。
リアル世界の世論を織り込んだのかな?ちくしょう!映画に政治持ち込むなし!
“非常宣言”意味ないじゃん!
非常宣言調べてみました。こうありました。
非常宣言=飛行機が危機に直面し、通常の飛行が困難になった時、パイロットが着陸を要請すること。
「“これ”が布告された飛行機には優先権が与えられ、他のどの航空機より先に着陸でき、いかなる命令を排除できるため、航空飛行における戒厳令の布告に値する」(オフィシャルサイトからの丸パクリ)って書いてあるじゃん!
日本、着陸させたれよ!非常宣言意味ないじゃん!人としてどうなん?
でも、しゃーないんですよね。お互いに国民を守りたい気持ちは同一ですからね。
正直に白状すると私、お隣さんには、ちょいとばかしは思うところのひとつやふたつくらいはあるんですが。←レビューに政治持ち込むなし!
でも、リアルにこういう事件・事故が起きた際には、そーゆー私情を持ち込むのはヤなのね。くだらないしがらみなんかよりも、絶対に人道が優先されるべきだと思うの。ちょっといい人ぶったっぽい。
そんなこんなで、乗客が究極の選択をしたわけ。いい人たちは、こっち。決して私なんかじゃない。
むしろ鬼畜なのは、この私。このお話、バッドエンドでもよかったんじゃないかなーとか思ったりして。軍が秘密裏に撃墜して終る展開なんて見てみたかったし。
無茶苦茶に後味の悪い最悪の結末の方がインパクトあったんじゃないかなーとか、思ったりして。←この人でなしがっ!
最期に大臣の女性がこの事件に対して「理性を越えた邪悪な人たちが存在すると思います」と語ったのは、決してフィクションで済む話じゃないって思ったの。
実際、わけわからん無差別大量殺戮事件ってありますもんね。
そういう現場には絶対に居たくないし、ましてや大切な人に居合わせたくないと痛感したです。
観終えてみれば、静かな余韻を残したハッピーエンドで本当によかったです。
ハラハラドキドキが目いっぱいの超一級のヒューマンサスペンスドラマでした。
ちょうど『ゴジラ-1.0』を観たところでしたので、日韓共にしのぎを削り合って、アジア発映画を盛り上げてほしいなぁ、と思った次第です。
また、ジャンルは大きく違えど、スペクタクル巨編として『首』にも期待大です。