「「ヤバい奴感」がえげつない」非常宣言 TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
「ヤバい奴感」がえげつない
題材的には不謹慎な言い方になりますが、いやぁ、楽しい。最高です。
ソン・ガンホ、イ・ビョンホンの二枚看板が素晴らしいことは言うまでもなく、キム・ナムギル、キム・ソジン、そしてチョン・ドヨンなど見せ場にきっちり仕事をしていてどの役の立場にも深く感情移入できます。
そして韓国映画における最高の醍醐味と言えるのが「ヴィラン」。
本作のテロ事件を起こす犯人リュ・ジンソクを演じるのはイム・シワン。出てきて早々、そのたたずまいだけで感じるヤバい奴感がえげつなく、そして言動の全てが「サイコパス」という表現では収まり切れない超異常者で恐ろしすぎます。
また、観ていて誰しもが考える「同じ立場にいたら」という仮定について、作品上の登場人物たちに、けして格好つけることなく正直な姿勢を見せる部分も韓国映画に感情移入できる重要な要素です。
悩ませ、揉めさせ、一旦は分断させるからこそ、一体感が生まれたときに「キレイゴト」に見えず素直にカタルシスへ誘われて涙腺を刺激します。
そして、俳優たちの演技も然ることながら、急降下する飛行機の機内シーンや、バイクを追いかけるカーチェイスシーンなど、観ていて身悶えすること必至です。
これは劇場で観ないと勿体ないですよ。是非。
コメントする