「新年早々、秀逸な韓国映画に出会えて満足。」非常宣言 beast69さんの映画レビュー(感想・評価)
新年早々、秀逸な韓国映画に出会えて満足。
新年初の映画館来訪で、初レビュー。
昨年は貧乏暇なしなのに、映画館で頑張って180本鑑賞し、自分としては新記録。私的ベスト1位は『RRR』でした。レビューを書く余裕も足りず、今年は控えめにしたいのだが・・・最近は本当に観たい映画が多くて、今年も嬉しい悲鳴の日々になりそう。
今年最初の映画は、たまたま韓国映画に決まり。刑事役ソン・ガンホと乗客役イ・ビョンホンの2大スターがダブル主演というだけで、「これは観るしかない」と即決して映画館へ。宣伝が足りないのか、外がめっちゃ寒過ぎるせいか、公開初週にしては30人に満たない客数。鑑賞後の余韻が凄く良い映画だっただけに、この少なさは勿体ない気がしました。
持ち込み禁止なのに、白いレジ袋に買い込んだ食い物を取り出し、ガサガサと物音を立てながら長時間食べ続けるオッサン客がえらい迷惑でした。短髪・メガネで背が低いクソジジイで、劇場で見かけたら要注意。レジ袋のガサガサ音、遠くまで聞こえてくるんだが、数分ならまだしも、2時間超えるまで、いつまでもガサガサとうるさい物音を立てながら食い続けてる無神経なジジイ。映画館を自分の食事場だと思ってるらしい。周囲のお客さんに丸聴こえなのに、本人は平然として知らん顔を決め込んでガサガサと大きな物音を鳴らしまくる。こういう迷惑客、何とかなんないのかなー。
タイトルの「非常宣言」とは?
映画の冒頭で流れ、公式HPでも書かれてますが抜粋。「飛行機が危機に直面し、通常の飛行が困難になったとき、パイロットが不時着を要請すること。“これ”が布告された航空機には優先権が与えられ他のどの航空機より先に着陸でき、いかなる命令を排除できるため、航空運行における戒厳令の布告に値する」との事。
内容は簡単に言うと「飛行機内でウイルステロが起こって大パニック!」というもの。数年前、めちゃ面白かった韓国映画『新感染』もウイルス題材でしたが、あちらはゾンビ系ホラーなので、全くの別物。ゾンビが大群で襲い掛かって来るような派手な場面は無いが、こちらはリアルな恐ろしさで観客を引きずり込む絶妙な展開が素晴らしい。冒頭は平和な家族風景、のっけから大きな鍋にいっぱいのコムタンが美味しそう。食べた過ぎる!単にパニックばかりに焦点を絞るのではなく、登場人物の家族や背景や過去や人間関係など様々な視点で物語を構成して、伏線の回収の仕方も見事。人の生死についても考えさせられる、深いヒューマンドラマ的な見せ方にも魅了させられます。パニック時の機内の映像とか、今までの映画で観た事のない場面が多くて新鮮で、「よくこれだけの映像が作れたな~」と感心。邦画ではここまでは出来ないであろうと思えるレベルで、制作費も相当にかかったに違いありません。
ハラハラドキドキの展開に引き込まれ、141分の長尺を全く感じさせないほどに、最後まで飽きさせずに楽しめた満足のいく秀作でした。ラストシーンも自分好みで、この映画のメッセージ性は人間愛に満ち溢れています。観る前の期待度を超えるクオリティに「やはり韓国映画は当たりが多い」と感じた次第。文句無しの5つ星です。「邦画は当たりハズレが目立つけど、韓国映画はどれも唸らされる秀作が多い」と普段から思ってる私のような鑑賞者さんには特にオススメです。