SHE SAID シー・セッド その名を暴けのレビュー・感想・評価
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ニューヨーク・タイムズという後ろ盾すら危うい敵との闘い
#me too運動に弾みをつけた、ハリウッドの超大物映画プロデューサー、ワインスタインの長年にわたる性的暴力の告発記事
その記事を書いたニューヨーク・タイムズ紙の2人の女性記者の、苦悩と闘いを描く
ニューヨーク・タイムズという後ろ盾を持ってしても、厳しい戦いを強いられる大物プロデューサーを相手に、悩みながらも果敢に挑む女性記者の奮闘記
キャリー・マリガンの出演作って、ハズレがない印象
熱量が凄い!最後は想いの強さで人の心も動く。
世界中を駆け巡ったハリウッドを揺るがせたあのセクハラニュースの裏側。NYタイムズの二人の女性記者の奮闘と、女優だけでない被害者達がその被害をきっかけにどれだけ辛い人生を歩むことになったのか。それも被害者によっては25年もの長い間。それには、一人の力を持ちすぎた最低なセクハラ男だけでなく、法にも問題があったということも。
NYタイムズの記者達は、命の危険も感じる嫌がらせの怖さから逃げたい気持ちもあったと思うが、そこに打ち勝ったのは、これ以上被害者を増やしたくないという強い想いから。記者達のその強い想いを受け止め記者を信じた、被害者達。最後の記事公開までの数分の熱量は物凄く、その瞬間の心臓の高鳴りは、スクリーンを通して熱く伝わってきた。
あえて男性がちゃんと観るべき作品。
男女がいる限り悲しくも消える事はない性的暴力。
加害者は同等の地獄を喰らうべきだが
相手は映画業界トップクラスの権力者。
情報なんて簡単に潰せる権力者。
どんな犯罪でも消せる。
そんな勝てるわけのない糞野郎に
女性新聞記者達が立ち上がる!
そんな実話。
女性が告発する勇気がテーマ。
あえて男が観るべきです。
この気持ちを知っておくべき。
それにしてもほぼ実際の名前。
ミラマックスとかめっちゃ悪の根源として表現。
これ、日本なら実名は無理だな、実話題材でも。
「音楽がいい」
今年12本目。
女性の所へ向かう車の運転中に流れる音楽が非常にいい。しびれました。女性3人と弁護士1人が話し合う所が一番好き。弁護士が弁護人を守らなきゃいけない、しかし行いも誰かに話さなきゃならない、その心のせめぎ合いが表情に現れ見ていて頷きました。記者が深夜まで記事を書く、近年残業時間が日本でも問題になっていますが、やはりそこまで働いている人がいる頭が下がります。現実の世界では適切な残業時間であって欲しいと思います。
巨大な権力に声を上げた勇気とそれを伝えた奮闘に脱帽
#MeToo運動のきっかけとなったハリウッドの大物プロデューサーのセクハラ記事の公開までの、沈黙を強いられてきた被害者が声を上げるまでとその声を伝えようと立ち向かう記者の戦いを描いた作品。
問題はプロデューサーだけではなく、それを隠蔽しようとするシステム、無関心を決め込むサイレントマジョリティだったんだと驚くばかり。
淡々と告発まで向かう中で記者たち、被害者たちも家族のいる人間であること、その人間性をぶち壊す非道な行いを繰り返し行ってきた、許しがたい悪に怒りがぶち上がった。
何十年もかけてやっと公になり、声を上げることができたんだとMeToo運動をふーんと見ていた自分を恥じた。
実名を出すことの困難
セクハラの被害者に証言をしてほしい、できれば実名を出して欲しいとお願いして回る2人の女性記者の話なので、「その名を暴け」という副題の「その名」は加害者ではなく被害者の名前を「暴け」ということになる。なんか変。
1990年代にまで遡って調査しているので、セクハラ被害はなかったこととして暮らしている女性の傷をえぐり出すことにもなり、当然スムーズには行かない。しかし、夫の理解や協力を得ながら子育て中の2人の記者の奮闘ぶりが被害者達を動かした部分もあり、勇気を出す人が出てくる。
髪ボサボサですっぴん風のキャリー・マリガン、ゾーイ・カザンはイメージとそんなに変わらないか、上司で白髪が美しいパトリシア・クラークソン、に加えて、「ブルックリン99」のホルト署長が出ているのも嬉しかった。
嗚呼ミラマックスよ
「大統領の陰謀」「ペンタゴン・ペーパーズ」の流れをくむ米の新聞記者が巨大権力に立ち向かう調査報道映画で、前二作に負けずきっちり作られていて間違いなく面白い。ただし今度はワシントン・ポストのライバル紙NYタイムズが主役で今回の相手はミラマックスを立ち上げた大物プロデユーサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ・性的暴行事件。強姦罪など11件の罪で禁固23年の刑を受けたのだから10年以上にもわたってこのとんでもない悪党(この人は明らかに病気)の罪を隠蔽しのさばらせて来たハリウッドの罪は重く、その映画界を映画によって真っ向から断罪したのは立派だとは思うがこの事件が発覚した2017年以降あまりにもポリコレが米映画界を支配し「ルールの下でしか映画が制作できなくなってしまった」という徹底ぶりがある意味映画をつまらなくしてしまっているのも事実。今回の女性記者二人のでこぼこコンビぶりが、大統領の陰謀のロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンを彷彿とさせて観ていて楽しい。まあミラマックスで活躍したタランティーノも映画作りに欲望を発散できていなければ犯罪者になっていたであろうことは想像に難くない。
【人としての矜持】
好きな俳優キャリー・マリガンとゾーイ・カザンのWキャストに、今や敏腕プロデューサーのブラッド・ピットが手掛けた作品なので観に行ってみたらこれが素晴らしく良かった。
古今東西通じ、優越的地位を嵩に掛け反吐が出るような醜悪な所業を晒す輩は多かれ少なかれいるが、被害や不利益を被っても権力に阿ったり報復を恐れて黙認せざる得ない案件が山のようにある中で、様々な妨害に遭遇しながらも地道な現地取材で突破口を見出す調査報道の経過に感服。併せてOn the recordで告発に応じた被害者女性の勇気に賞賛。
被害者感情を蹂躙し"口止め料“代わりの示談をゴリ押しし加害者擁護と自身の報酬獲得に終始する弁護士に、企業の事勿れ隠蔽体質やらを見るにつけ、最後は性別云々を超越して、人としての矜持なんだろうと思わざるを得なかった。
女性版『記者たち』かな
初めの方で、1992年のアイルランドの場面があって、いきなり2016年のニューヨークに飛び、電話で当時大統領候補のトランプ氏のセクシュアルハラスメント告発への恫喝があり、この作品のテーマへの火蓋が切られた感じがした。その後はトランプ氏ではなく、当時大物映画プロデューサーとして権勢を誇ったワインスタイン氏が加害者として据えられ、二人の女性新聞記者が取材を重ね、真実に迫っていく。まさに様々な論評で言及され、撮影監督のブライエ氏がインスピレーションを得たという1976年公開の『大統領の陰謀』の女性版と言って良いものであった。ただし、監督のシュラーダー氏は、その作品について、私生活が描かれていない点でむしろ避けたいと述べています。それならば、2017年に公開された同様の二人の男性記者によるイラク戦争の背景についての取材経過を描いた作品の『記者たち』は、私生活を描いている点でより近いと言えるのではないだろうか。取材において裏づけを徹底的に取りに行き、特に被害者の同意が得られるまでは記事に移すのを控える非常に丁寧な姿勢の繰り返しの描写は、やや冗長に感じたが、その誠実さこそが、この作品で伝えたかったことでもあるのだろう。性行為の描写も意図的に控えたものだという。そこも卓見なのであろう。2019年公開の『スキャンダル』は、被害者を俳優に絞り、泣き寝入りから告発への動的な変化を描いていたが、このたびの『シー・セッド』と比べると、荒過ぎる描写だったと言わなければならないであろう。映画『記者たち』では、『ニューヨーク・タイムス』は、政府の発表を鵜呑みにするジャーナリズムの主体性を放棄した報道体制を批判されているのに対して、この作品では相手が政府ではないけれど、矜持を感じるものだと言って良いであろう。
#me tooの火付け役となった記者たち
まずもって、困難と思われたことを丁寧な取材を元に告発した記者に敬意を表します。
性的なハラスメントを受けた人に発言してもらうのは、困難なことだったと思います。
なんですが、とても丁寧にその取材を表現していたので、途中私にはちょっとまどろっこしい気もしました。
ちゃんと丁寧に見ることができる方なら、大丈夫と思いますが…ちょっと眠気が襲ってきた時間帯もありました。
報道には世の中を変える力がある
権力に溺れると自分とまわりが見えなくなる人っているんだな。それを見過ごしてきた組織も同罪ですが。
世の中をよくするためにはマスコミ・メディアの力って大きいですね。そして同じような被害者をこれ以上ださないためにも声をあげた女性たちの勇気に感動です。
意思の強いミーガンとひたむきなジョディをキャリー・マリガンとゾーイ・カザンが好演。
この映画、回想シーン・再現シーンなどの映像を入れずに取材シーンと証言シーンだけで展開していくのがリアリティがあるし、描き方が誠実でとても好感がもてました。
2人の女性記者の執念によって暴かれた真実。
20年間以上黙秘され見逃されていたセクハラ・レイプ問題。権力とお金で握り潰してきた映画界の大物。被害者女性は示談金でサイレンスを求められるけれど心の傷は決して消えない。被害者女性の恐怖からのオフザレコードの真意もわかる…。
心や身体を潰されそうになりながらも
2人の女性記者が真実を暴く場面もよかったし、世界中で権威のある男性などだからといってセクハラ、レイプも正当化される当たり前の世界もどうにかしないとと考えさせられる映画だった。怖い気持ちもありながら声をあげた女性達に賞賛でした。
日本だって絶対声を上げられない被害者女性はいるはず。もう少しそのような女性に向き合って寄り添ってほしい。
“虐待を当たり前と思ってほしくない”
鬼畜映画プロデューサー・ワインスタインの悪行を暴き、世に伝えようとするニューヨークタイムズ紙の女性記者の奮闘ぶりに、一緒に涙し、一緒に喜ぶ…。時間を忘れて前のめりに見てしまう面白さがある社会派映画、今月1番の作品だった。
記者を演じる2人の女優の真剣な眼差し、真摯な演技にも拍手を送りたい。
興味深いのは、2人の記者は妻であり母でもあること。ベビーカーを押したり、子どもの宿題を見ながら仕事の電話に応じたり、家事をしながら取材を進めていく2人の働きっぷりを見ると、大変だよねぇと、ため息が。結局のところ男女平等なんて無理なのだ。結局損をするのは弱い立場である女なんだということのメッセージでもあるようにも感じた。
そして記者2人の子ども、被害者の子どもも全て娘であることにも注目した。
私たちの娘たちには、このような痛烈な痛みや悲しみを味わってほしくない。虐待、セクハラ…私たちの世代で断ち切らないといけないんだと。
実名を出した勇気ある女性たちにも敬意を表したい。
#Me too 運動のおかげもあって、ハラスメントに対する意識が強くなり、以前よりは男性も意識をしている人が多いように感じる(表面上は)。それでも簡単にはなくならない…。声を上げることのない女性、今もなお苦しみ続けている女性にどのような事ができるのだろうか。
難しい問題である。
世の中には、”ハーヴェイ”が何人いるのかな。
アメリカ映画界を宸翰させた、ワインスタイン事件。その実像を追い求める二人の女性記者。とかく週刊誌のネタというものは、どこかスキャンダラスで下世話なものが多いが、たまにそのスクープ記事に喝采を上げたくなるときもある。"文春砲"にしても、よくぞ暴いてくれた!という記事もある。この映画は、その好例だったことだろう。内容自体が刑事事件にはなりにくいだろうし、民事にしても示談金で強引に口をふさがれてきた。ここは、やはりジャーナリストの出番。それを硬派なストーリー展開で進み、最後に留飲を下げさせてくれる。家庭の協力を得ながら、真相にたどり着こうと執念を見せる二人の記者に喝采。
ひとつ、ちょっと見落とすと、登場人物の相関図についていけなくなったり、キャストを見てもこれは誰だったっけ?となってしまう。それは、自分の理解力の不足なのか、日本人から見たらアメリカ人の区別がしにくい(逆もそのはず)からなのか。
これがセクハラなんだ
敏腕大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの20年以上にもわたる数々のセクハラとそれに対して戦った女性記者の奮闘を描いた実録映画。セクハラによって人はいかに傷つくか。そしてその後、何が起きるのか。
僕はセクハラを受けた被害者のパートナーとしての立場からこの映画を鑑賞した。
こうした事態に巻き込まれたとき、パートナーは事態をどう理解し、被害者を受け入れるべきなのか。もしかすると、被害者に隙があったんじゃないかなどと加害者に近い目線でセクハラという犯罪を捉えて、目や耳や口を塞いだり、場合によっては苦しんでいる被害者を責めてしまうことさえあるのではないだろうか。そんなことを考えながら、この映画を観た。
実際にどうしようもないほど女好きな男はある程度(かなり)存在する。そうした男が金や権力を持つとこうした行動に走る。僕もそうした人種を何人か見たことがある。普段はいい人だったり、魅力的な人物だったりすることもある。しかし、裏ではとんでもない下衆野郎なのだ。こうした奴等は″自分はもてるから女性も喜んでいる″などと勘違いしていることが多い。不快極まりないこうした奴等がしっかりと代償を払わされる風潮、社会を作らなければならない。
女性達が振り絞った小さな勇気を武器に2人の記者が巨悪に立ち向かうその勇姿が眩しい実録ドラマ
2016年大統領選の最中にドナルド・トランプのハラスメント疑惑を取材していたニューヨークタイムズの記者ミーガンはトランプの当選によって追及を断念せざるを得なくなってしまう。同じ頃ミーガンの同僚ジョディは女優のローズ・マッゴーワンから大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインに性的暴行を受けたとの証言を受けて取材に乗り出すが、ローズも含めて同様の被害を受けた女性達は皆仕事を干されたり絶望的な条件による示談を承諾させられたりして取材への協力がなかなか得られない。そんな折出産を経て職場復帰したミーガンは上司レベッカに請われてジョディとタッグを組むことに。二人は粘り強く女性達に語りかけ続けることで少しずつ情報が得られるようになるが、それらの動きを察知したワインスタインはニューヨークタイムズに圧力をかけ始める。
ハリウッドだけでなく世界中に伝播したMeTooムーブメントの中心であるスキャンダルを告発した2人の女性記者の活躍を描いた実録ドラマ。被害に遭った女性達の証言や苦悶に満ちた表情が浮き彫りにする何十年経てども色褪せない深刻なトラウマに、ジョディとミーガンの献身に勇気付けられた人達が少しずつ勇気を振り絞って立ち向かっていく様に圧倒されます。ありきたりな実録ドラマだと主人公は家庭を犠牲にしますが、ジョディとミーガンは仕事も育児も一切手を抜かないのでそのタフさに驚かされます。タイムズ誌のチームワークも見事で、2人のよき理解者で適切な助言で2人をサポートする上司レベッカを演じるパトリシア・クラークソン、ジョディとミーガンをそれぞれ演じるゾーイ・カザンとキャリー・マリガンのカッコ良さに痺れました。
そして印象的なのは暴行の被害者の女性達。特に衝撃的なのは本人役で登場するアシュレイ・ジャッド。劇中でも言及される彼女が受けた壮絶な仕打ちを考えると彼女の勇姿こそが本作のクライマックスだったと思います。
真相はこうだったのか!
淡々と進むのに緻密なドキュメンタリーで起伏はないのに否が応でも上がるポイントがたくさんある!
りんご食べるのシーンとか先輩が残るとか、夜の駆け引きとか色々派手じゃないのにグワっとくる演出に痺れました。
ドラマと生のバランスが素晴らしく特に廊下のシーンの声が生々しくて気持ちが悪くなる描写は秀逸でした。
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