SHE SAID シー・セッド その名を暴けのレビュー・感想・評価
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史実なんだろうが盛り上がりに欠けた
ニューヨーク・タイムズ紙の記者ミーガンとジョディは、大物映画プロデューサーのワインスティーンが数十年にわたって続けてきた性的暴行について取材を始めるが、ワインスティーンは圧力をかけ、これまで何度も記事になる前にもみ消してきたことを知った。被害女性の多くは示談に応じており、証言すれば訴えられるという契約や暴行された時のトラウマによって声を上げられずにいた。記者たちは取材対象の女性から拒否され、ワインスティーン側からの妨害を受けながらも、真実を追い求めて・・・という事実に基づく話。
セクハラ、レイプなどをした権力者が金で口封じをするところは何かに似てるな、って思って調べたら、約2年前に観た「スキャンダル」だった。昔ながらの権力者は、女性を自らの性のはけ口ににし横暴だった様子がよくわかるし、示談金を会社の経費で払ってたなんて、公私混同も甚だしい。
ただし、今作はスキャンダルの時の様なエロいシーンがほとんどなく、作品として意義あるものなんだろうけど、退屈だった。
ジョディ役のゾーイ・カザンの活躍は光ってた。
ペッパー・ポッツ役って誰だっけ?
子供たちの日常にだって、蔓延っている。
この子たちの未来は変わっていますように。
スマートでドキュメンタリーチックな演技と演出。
そんななか大袈裟とも取れる劇伴が映画的で、物語を引き立ててくれていたように感じ私はとても好きでした。
感情に流されない、緻密な取材活動に耐え抜いた記者魂。
脚色されている部分もあるのだろうけれど、#MeeToo運動の事実と記憶が風化しないために、書物にとどまらずこのような映像作品が残されることは素晴らしいことだと思う。
Mee, too! と言えるために、はじめに「ゼロ」を「1人」に構築したことの価値は尊い。
決して派手さはないけど、中心となって活躍した二人の女性記者がチャーミングだった。特にキャリー・マリガンは、「プロミシング・ガール」を思い出させる。何もかもお見通しのようなコケティッシュな瞳の笑顔に吸い込まれた。子育てもそれなりに頑張るそれぞれの夫も善人なのだろうけど、彼女たちの仕事っぷりにやや引き気味な(露骨に態度には出さないところがとても善人)ところのリアリティもよかった。彼女らの女性上司、アラ還の設定だろうか、ちょっと前だとありがちなジャケットでシャキッじゃなくてさりげない大人のカジュアルファッションが好きだった(色使いとかアクセサリー使いとか、、、)。
それにしても、あそこまで常習化したセクハラというか性的暴行魔、もはや「病気」なんでしょうか、男になったことないからわからないけど。良心のある人だったら受診したのでは?。気の毒です。
ラッシュ
10本目。
作品名を見ると、ユニコーンの曲を口ずさみたくなるけど、全く別世界。
画質、音質が違う様に感じるのは、スクリーンのせいなのかは知らないけど、いい感じ。
ラッシュの様に、畳み掛けてくる情報に戸惑いそうなるけど、目的が分かってるから、苦にならない。
気の小さい男が、金、権力を得た末の末路かと思うけど、氷山の一角なんだろうな。
日本じゃ作れない作品とは思いもしたし、制作にブラピの名前。
本気で業界を変えようする気持ちが伝わってくる。
彼女達の勇気が未来をつくる
ハーヴェイ・ワインスタインが行った非道な性暴力は、被害にあった女性の言葉で語られる。ハーヴェイが傲慢で、嘘つきで、身体だけでなく、金と権力と法律を利用して彼女達の心まで破壊する様は、吐き気を催す。
性暴力シーンの再現シーンはない。ひと昔であれば、そのシーンをアピールするような本末転倒な作品もあったが、そんな商業主義とは一線を画している。
ニューヨークタイムズの記者が粘り強く取材を行い、名前を出すことに躊躇する被害者を辛抱強く説得する。一方で、被害を受けた女性たちは、今の平穏な生活が乱されることへのためらい、忘れたふりをしてごまかして生きてきたことへの後悔が錯綜して、心が千々に乱れる。
プロローグで、トランプ大統領候補(当時)のセクハラを告発した女性が、匿名の嫌がらせを受け、名前を出したことへの後悔する様子が描かれるが、勇気への代償がマイナスとなって帰ってくる場合があるから現実社会は恐い。だからこそ、記者達は最後の最後まで告発者の側に立つ。
聞き慣れない個人名が飛び交うので、登場人物の相関関係が把握しづらかったので、前もってWikipediaを見ておけばよかった。
小学生のころ妹をいじめて祖母に言われたことを思い出す。「自分より弱いものに手をあげる男は、下の下の下の人間」
ハーヴェイは、それよりも下の下の下であることは間違いない。
シンプルだが力強い作品
数年前、原作であるノンフィクションは読み、本作を見た。
展開はシンプル。
2人の記者が被害者、関係者に話を聞こうとするも、みな口を開こうとしない。
それは業界での影響力であったり、秘密保持契約からであった。
そんな中でも2人の懸命な取材により、勇気ある人が匿名を条件に口を開き、そして名前を出してもOKという人が現れる…
展開はシンプル過ぎ。一歩間違えば、「退屈」と言われかねない。
それは映画っぽい「ハデさ」というか「盛り上がり」のために、過剰な「演出」や「脚色」が無かったため。
言い換えると、証言した被害者たちの勇気と、記者たちの執念があるから、過剰な演出や脚色がなくとも、力強い作品になっているのだと思う。
男であることが恥ずかしくなる
ハリウッドの大物プロデューサーによる女性への性的暴行を暴いた、ニューヨーク・タイムズの2人の女性記者を描いた作品。
原作は2人の共著によるノンフィクションだが、本と映画ではアプローチの仕方が異なる。本も三人称だったが、映画は完全に客観的な視点で捉えられており、原作ではあまり触れられなかった2人の家族が頻繁に登場する。記者・妻・母の3役をこなす2人の立ち位置が明確になり効果的だった。
登場人物が膨大なので誰が誰やらになってしまうかもしれないが、それだけ被害者が多かったということだ。これでも原作よりはだいぶ減らされていたけれど。複雑になりすぎるため整理された部分もあるが、それも正解だと思う。
なにより素晴らしいと思うのは、取材し記事を書いたのが女性記者だったこと。『大統領の陰謀』は男性記者2人によるスクープだったが、本件は女性だからこそ取材が可能だったのではないだろうか。さらに映画化にあたって脚本・監督に女性を起用したこと。先述した家族シーンはそのおかげかもしれない。
有難う、ブラッド・ピット
ここ数年、DVDや配信で「名作」と言われる旧作を観る際、本編の前に「MIRAMAX」のロゴを観るとゾワッとし複雑な気持ちになるようになりました。勿論、作品そのものや役者や監督、スタッフたちの仕事を否定するつもりはないのです。それでも、、、
数か月前、本作の情報を見つけたとき、まずはキャリー・マリガンとゾーイ・カザンというキャスティングに期待を大きくしておりました。そして、当然のように素晴らしい仕事をしてくれています。お二人とも一つ一つの表情だけでうならせる説得力で惹き込まれます。
それにしても、アカデミー賞が近づき、前哨戦の結果や予想を見ていくとこの『SHE SAID』は作品賞や監督賞にノミネートが殆どありません。気になって調べてみると、どうも米国などでは#MeToo運動が随分と語られつくされた分、「あの頃のムーブメント」という印象で大きな評判に至らず、興行成績もやや期待外れの結果だったようです。
それに比べたら、日本で過ごす私にとって知らない(知ろうとしていなかった)多くの真実の「おぞましさ」に、本作を観て「知る必要性」を強く感じました。はっきり言って、企業などで啓蒙する「ハラスメント」についてのトレーニングなんかより、この映画を観た方が余程「事の重大さ」に気づかされます。
直接的・間接的な言動だけでなく、自分の意図と関係なくその「立ち位置」一つで加害者に加担していることもあり得るし、被害者からしたら全てが信じられなくなり恐怖と失望を与えてしまっているかもしれません。
公開初日の夜回、残念ながら(日本橋では)5番目のキャパのシアター。さらに残念なことに客入りは5割弱といったところで、さらに多くは女性。。。男性諸君よ、その何回目かのスラムダンク分の「時間とお金」をこちらに振り替えてはどうでしょう、と思うのですが勿論無理強いはできません。
私としては、流石、信頼のPlan B Entertainmentに「有難う、ブラッド・ピット」と言いたい作品。実に素晴らしかったです。
セクハラのキッカケ!
ここから法律改正となってセクハラ問題が全世界に広まったんですね。素晴らしい作品です。犯人を最後まで見せないのは良いと思います。ただ、口調と体型がアンマッチでそこがマイナスポイントでした。
【哀しき沈黙を、執念で抉じ開けた子を持つ2人の女性ジャーナリスト魂を描く。長きに亘り、唾棄すべき行為を繰り返して来た映画界の権力者の真の姿。今作が製作され、世界で公開された意義は非常に大きい。】
ー ご存じの通り、映画プロデューサーだった、ハーヴェイ・ワインスタインの性犯罪を告発した2017年のニューヨーク・タイムスのスクープは衝撃だった。
この唾棄すべき男の所業を、全世界に露わにした2人の子を持つ女性ジャーナリストの執念は、今作で描かれている通りである。-
◆感想
・冒頭、忌まわしきトランプのセクハラ疑惑が描かれているが、(あの電話の声はトランプに激似であった。)是非、ミーガン(今作では、キャリー・マリガン)とジョディ(今作では、ゾーイ・カザン)のお二人には、トランプの所業を露わにして頂きたいと思うとともに、巧い構成だと思った。
ー スクープの難しさを描いているからである。-
・ジョディは、ハーヴェイ・ワインスタインの毒牙に掛かった女優や、ミラマックスの関係者の証言を追い求め、西海岸まで車を飛ばし、イギリスに飛ぶ。正に”現地現物”である。
ー 今作の魅力は、ミーガンとジョディの執念で取材する姿である。ミーガンは産後鬱の中、ジョディは幼き娘を家に置いて飛び回る。それを支える夫の姿も良い。-
・ミーガンとジョディの上司である、ニューヨーク・タイムス編集長や、編集局次長のブレない姿勢と彼女達を支える姿も心強い。
ー ハーヴェイ・ワインスタインの脅しともとれる電話に毅然と対応する編集長の姿。部下を持つ者はかくありたいモノである。-
・ミーガンとジョディの執念により、最初は沈黙をしていたが、徐々に思い出したくない出来事を語るローズ・マッゴーワン、アシュレイ・ジャッド等の女優達や、且つてハーヴェイ・ワインスタインの下で働いている時に、被害に遭った女性達の哀しみと怒りが綯交ぜになった表情。
ー セクハラ、レイプという行為が、如何に長年被害を受けた女性の心や、働く環境を奪っていたのかが良く分かる数々の告白のシーンは、哀しい。-
・被害に遭いながらも、示談金を積まれ、更に機密保持契約で口封じをさせられていた女性達。それを組織ぐるみでしていたミラマックスの愚かしき真実が明らかになるシーンも、恐ろしい。
ー 劇中でも、数名の女性が口にしていたが、”負のサイクルを止める制度を作らないと駄目。”と言う言葉は、重い。-
<マスコミの過剰報道が問題になる事も多い、昨今であるが今作を観ると、矢張りジャーナリズムとは地道に取材を重ねる事で、真実に辿り着くのだな、という事を改めて感じた作品である。
今作の製作総指揮には映画製作会社”PLAN B"の名があり、エンドロールでもブラッド・ピットの名前がクレジットで流れる。この貴重だが、重い作品にキチンとハリウッドの大スターが関わっている事は、素直に嬉しかった。>
タイトルなし
最初のカットで入る劇場間違ったか?と思った(後程彼女が誰だか分かる) 映画業界の悪をあぶり出すちょっと地味だけど社会派なストーリー、ウォーターゲート事件描いた1連の作品みたいでした この件を境に映画業界も騒がしくなってきたのでよく覚えている 映画って撮ったら終了だし労働環境等メスが入っていない旧い体質だったのかもしれないとは感じた
しかし映画を見る側としては作品にこんな裏が有ったのかもしれないと思うと心が痛んだ 夢を抱いて後を断たれた女性達がとても気の毒だ、その後も映画には関われないのか?
よくぞニューヨーク・タイムズ紙取り上げて、あんなに各所飛び回って調査してくれたと思う
難を言えば、出てくる人物が多すぎて誰か覚えるの大変、グウィネスパルトロウご本人出演してほしかったなぁ
記者の取材に対する執念
報道取材そのものに焦点を当てた作りで、『大統領の陰謀』を思い出しながら観ました。
性描写は一切出てきませんが、怯え、恐れ、怒りに満ちた被害者たちから、加害者の非道さ・卑劣さは充分に伝わってくる内容。
過去の被害者を守り、今後に新たな被害者を生まないために、こういう取材や告発は非常に重要だと思いました。
その、記者の取材に対する執念に対する賞賛も。
(同時に、手段と目的を入れ違えて、己の快・不快だけを基準にし、男性や表現を排除するのに利用することは、こういう事案の被害者をむしろ貶めることになるとも思いました。似非フェミのせいで、MeeToが足を引っ張られたようにも感じ)
そんな「重要性」をストレートに描いた、映画としてのクオリティの高さにも感嘆。
この素晴らしい映画、ブラッド・ピット(プランBエンターテインメント)やミーガン・エリソン(アンナプルナ・ピクチャーズ)が作って、ユニバーサル(と日本では東宝東和)が配給しているが、ディズニーで配給して欲しかった。
事件が起きた(隠蔽された)当時に、ワインスタインのミラマックス社を買収して、傘下に収めていたのはディズニーだったからw
(報道があったのは、ディズニーが同社を売却後)
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