「嗚呼ミラマックスよ」SHE SAID シー・セッド その名を暴け たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
嗚呼ミラマックスよ
「大統領の陰謀」「ペンタゴン・ペーパーズ」の流れをくむ米の新聞記者が巨大権力に立ち向かう調査報道映画で、前二作に負けずきっちり作られていて間違いなく面白い。ただし今度はワシントン・ポストのライバル紙NYタイムズが主役で今回の相手はミラマックスを立ち上げた大物プロデユーサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ・性的暴行事件。強姦罪など11件の罪で禁固23年の刑を受けたのだから10年以上にもわたってこのとんでもない悪党(この人は明らかに病気)の罪を隠蔽しのさばらせて来たハリウッドの罪は重く、その映画界を映画によって真っ向から断罪したのは立派だとは思うがこの事件が発覚した2017年以降あまりにもポリコレが米映画界を支配し「ルールの下でしか映画が制作できなくなってしまった」という徹底ぶりがある意味映画をつまらなくしてしまっているのも事実。今回の女性記者二人のでこぼこコンビぶりが、大統領の陰謀のロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンを彷彿とさせて観ていて楽しい。まあミラマックスで活躍したタランティーノも映画作りに欲望を発散できていなければ犯罪者になっていたであろうことは想像に難くない。
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