春に散るのレビュー・感想・評価
全56件中、21~40件目を表示
令和版『あしたのジョー』
奇抜な突拍子のない話ではなく
筋立てとしては、オーソドックスなのだが
それを丁寧に、そして、役者さん達の
リアルなボクシングシーンを描くことで、
とても心に響く作品になったように
思います。
主演の横浜流星くんだけでなく、
坂東龍汰くんも、窪田正孝くんも、
真摯なボクシングに心打たれました。
そして、橋本環奈ちゃんも、普段の華やかな
イメージとは違う、素朴な全く嫌味のない
大分の女の子でした。
あしたのジョーに出てくる、のりちゃんみたいです
インテリな丹下段平(佐藤浩市)
実家の酒蔵を継ぐことのできる
ウルフ金串(坂東龍太くん)
ジョーは、真っ白に燃え尽きたけど
試合の後、お互いのファイトを讃え合い
それぞれが、次の人生を生きる。。。
のりちゃんと結婚して、再々スタートできる
横浜流星くん。。。
今の世情に、寄り添った、現代版の
『あしたのジョー』
これも良いもんです。
怖くはなかったです。
原作も読んで無く、予備知識も無しでの観賞でした。
それなので、血やウラ社会の怖い映画かな?と勝手に思っていましたが、
ちゃんとしたボクシングがテーマの映画でした。
昔のアニメ「あしたのジョー」を思い出しました。
何と言っても、横浜流星君の身体能力、鍛えられた身体、そこは見所だと思います。
後半は中西役の窪田君との試合に長く時間を取っていて、
「春に散る」のタイトルから、「もしかして流星君が逝っちゃうのか??」と
心配になりました。
あと、希望としては
女優陣との絡みを、もう少し描いて欲しかったかな。
環奈ちゃんと流星君の気持ちが通じ合うシーンがあっても、良かったと思いました。
それから、山口智子さんが「広岡君」って呼ぶのは、やはりオーナーの娘さんだから??
年齢は広岡の方が、かなり上ですよね?
山口智子さんのキャラ的には、「君呼び」は格好良くサマになってるんだけど、
年配の広岡に対し、まるで同級生を呼ぶような感じは、ちょっと違和感がありました。
また、ボクシングは頭脳プレーではく、考える前に身体が動くような、
動物的勘のスポーツなのではないか?
根性と練習、それに尽きる!
試合のシーンでは、自分も身体が動いてしまい、
画面にかなり引き込まれました。
(๑˃̵ᴗ˂̵)もっと丁寧な人物描写を
もっと丁寧な人物描写をしてほしかった。特に対戦相手の中西や大塚の性格とか背景をもっと描いてほしかった気がします。ボクシングシーンは迫力があり、ジャッジのシーンでは拍手でした。最後、佐藤浩一は死んでたのか?それとも酔っ払って寝ちゃったのか?誰か教えてください。よくわかりませんでした。
何で拍手をできたか?それは客が私1人だったからです。本編前の予告でエクソシストと禁じられた遊びというホラー映画の予告を見てしまい、1人では鑑賞が無理だと思いましたが頑張ってみてきました。常に後ろに誰かいる感じがしてキョロキョロしてました。
あー怖かった。
試合の場面は息を呑んで声が出そうになった
あらすじを読んでもあまり惹かれず、ただレビューが高いので観に行きました。
佐藤浩一さんと山口智子さん以外の方の演技はちょっとわざとらしさを感じつつも(個人の感想なので許してください)最後の試合は見入ってしまいました。
下手に音楽を入れず、ただ本当にリングに上がって自分が戦っているように、観客の声が気持ち遠く、セコンドの声がわずかに大きく入ってくる。
途中いい一発入ったところで声が出そうになるも、そこが最終Rじゃないことに気づき王道ストーリー通りに勝てるのか?と不安にさせてくれたところがまたいい。
ボクシングについては素人なのですが試合は本当におもしろかったです!
にしても、2人とも身体の仕上がり具合がやばくて、役作り大変だったんだろうなとたまに現実に引き戻された...
チャンプを目指すな、人生を学べ! 己が戦う意味を知る。
すぐ暮れる ヒグラシ騒ぐ 夏のあと
いよいよ 夏休みも終わりっすね。
そんな中「春に散る」噂の作品を観に行きましたよん。
春にチル~ 夏なのに今ナンデ?とは思いましたよ・・・
いや~ マジで良かったですよ。
観る前からこの手の作品は苦手だな~とちょっと思ってたんですが、
流石 瀬々敬久監督ですね。中々なボクシングの打ち合いのシーンと
それぞれの人物像が心に秘めた思いを上手く引き出し表現されてたと思います。
原作:沢木耕太郎氏
監督:瀬々敬久氏
--MC--
・広岡仁一(主人公、元ボクサ、米国帰り):佐藤浩市さん
頭が白髪で、温泉?入浴場面の上半身裸体がお父様の三國 連太郎さん似と思った。年々風格が似てきたかな。味のある役ところ。
桜の木の下で亡くなるのは最初から読めてたけど、それも味かな。
・黒木翔吾(若いボクサ-):横浜流星さん
ここ数作、彼の出演作を観てきたが一番彼らしい感じがしたかな。目線は良いと思う。中西との壮絶な打ち合い場面は良かった。顔もパンパンに腫れた演出もグッド。中々大変な役作りだったと感じました。
・広岡佳菜子(主人公の姪):橋本環奈さん
こんな役の彼女が観たかったベストワンかもです。今まで色んな役でしっくりした感じが無かった気がしますが 今作役は凄く合ってて良いですね。大分訛りも自然な感じで目線もイイ。特に父親の出棺時 追いかけて”ウォ-ッ”て叫ぶところね。環奈さんらしさだったと思いますね。育った家の解体、出棺と。こう言う演出が監督の冥利と感じます。
・大塚俊(黒木のライバル):坂東龍汰さん
今後の活躍が楽しみ
・佐瀬健三(かつてのボクサ仲間1):片岡鶴太郎さん
実際にボクサ-を育てられてたんで、そう言う意味ではこれ以上無いハマり役。
広岡と黒木が目の事で試合出場でもめた時、
”ボクシングってもっと良いもんだろう~” さらりと言うセリフがステキ。
・藤原次郎(かつてのボクサ仲間2):哀川翔さん
何で出てるのか微妙にわからなかったけど。
もう少し役柄に個性ある味が欲しかったかな。暴れん坊のイメ-ジしか残ってない。そこが惜しい。
・中西利男(現チャンプ):窪田正孝さん
最後の壮絶な試合で、前歯が半分折れてのドツキ合いが いい感じ。
実際のチャンプがこんな軽い無作法者とは思えないけど これも演出ね。
・真田令子(ジムのオーナ-):山口智子さん
ビジネスチックに経営してる感が演出だけど ちょっと違和感あった。
もちょっとボクシング選手が この上なく好きである思いが欲しいと感じたな。
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(思った事)
・とにかくボクシングの打ち合いが結構本格的にやってます。しかも長め。通常 カット入れまくりの部分繋ぎの構成にしたのが多いのですが 長く回し撮って繋いでるので試合自体に白熱さを感じました。そこが他作には無い所かと感じます。
顔の傷とか腫れ、常に目線がボクサ-選手になってて 礼儀などシッカリ描かれてて試合が終わった後、心に熱いものを感じますね。そこがとっても心地良いです。
・”パパ頑張って” 妻と子の泣きながらの応援・・・その選手を相手に黒木が一瞬躊躇してしまう。 ここの演出 心にジーンときたわ。広岡が”ボクシング何てやめちまえ” 捨てセリフを吐く。
こういう場面って実際良くあると思うのよ。見かけだけでなく実に良く捉えたシーンと思うわ。なんか 負けたけどあの親子がメッチャ気に成ったよ。
・人生とはそんなに上手くは行かないもの。それを説いている。一つを成就すると次の難関がまたやってくる。それの繰り返しであると感じます。
監督の過去作はどれも登場人物像の人間模様が 最後まで示しておらず、中途留りの印象が多いけど、人の人生は常に変わっていくもの。観念を固定的にせず、最後は少し浮かせ気味の方が 良い味がするのかも知れません。それに気が付いた次第。
・最終試合に 勝つ方が良いか?、負ける方が良いか?
ここは非常に悩む展開の岐路。どちらにしても広岡は死ぬだろうし。
人生と全く同じで、勝って得られるものと、無くしたもの。もし負けても得られたものと やはり無くすものが有ると思う。
大塚は引退した。そして何かをこの先 得るだろうきっと。
中西はどうか。きっと彼も負ける事で得るものが有ったろう。
黒木はどうか。勝っても 目がダメに。もうボクシングは出来ない。
でも、そこから始まる事があると思う。 きっとそれが人生だ!
ご興味のある方は
是非 劇場へどうぞ!!
"まったく熱くなれないボクシング映画…"な映画
胸に来るものが全くありませんでしたね…。
瀬々敬久監督作は『菊とギロチン』でも感じたことですが、登場人物たちは皆個性のあるキャラクターばかりなのに、全然印象に残らないというか、心理描写が甘いなと…そのキャラクターが背負っているものがまるで見えて来ないんです。
この作品であれば、例えば、橋本環奈演じる女性(佐藤浩一演じる男の姪役)ですが…父の看病やらで長年自分の人生をフイにして来た彼女が、父の葬式後、やっと解放された事に対して感情を大声で爆発させます。しかし、全然共感出来ないんですよね…彼女にまつわるエピソードの一つをただ垂れ流して、らしい"台詞"を言わせているだけ…にしか映らなかった。子ども食堂の場面も同様です。不幸な人生を送って来たこの女性は、同じく不幸の中にいるだろう子どもの姉弟に優しい、そんな女性だ…というエピソードを単に垂れ流しているだけなんですよね。各配役の各々のエピソードについても同様です(哀川翔演じる男はとても重要な役柄であったとは思うんですが、最後は何だか取ってつけたような感じになってしまってました。そして、横浜流星演じる主人公はただただやかましいだけでした)。
各エピソードが積もって行った先に最後のあの"格闘"があるはずなのに、残念ながら、そのエピソードの数々がこの作品になんの深みも与えていない。結局、横浜流星と窪田正孝の体の仕上げ具合が素晴らしいな…ぐらいの感想しか出て来ませんでした。
ラスト、桜の木の下で亡くなる佐藤浩一も、それこそ取ってつけたような場面で、そういうシナリオだからそういう場面を撮りましたという様な終わり方で、つまらない映画を観せられたな…という感想しか湧き起こらなかったですね。
瀬々敬久監督の作品は、映像作品としてはちょっと平凡過ぎるのでは?と改めて思いました。
渋くて熱い
ボクシングは痛そうだし、何であんなにみんなが好きなのか分からないと思っていた。
しかしこの映画を見てその理由が少しだけ分かった気もした。
翔吾の「何もかもぶっ壊してめちゃくちゃに燃えたいからボクシングはじめたんだろ」というセリフにハッとさせられた。そして恐らく仁一も。
日常に溢れる沢山の不満ややるせなさを吹き飛ばしたいという気持ちは誰にでも
ある。ただひたすらに練習に打ち込む翔吾の姿とそれを見守る仁一の姿に胸を打たれ、自然と涙ぐんでいた。
今、この瞬間を真剣に生きようとする刹那をこの映画に感じた。
試合シーンは本物にしか見えず、息を飲む展開の連続で、ボクサー役の役者さんの本気度が素晴らしかった。
特に横浜流星さんの自堕落な生活から凛々しく再生していく姿は圧巻の一言です。
この瞬間に全てをかけて
通常スクリーンで鑑賞。
原作は未読。
横浜流星と佐藤浩市の演技が筆舌に尽くしがたいほど素晴らしく、ライバル役の窪田正孝もすごい存在感でした。ボクシングの試合シーンの迫力も言わずもがな。感動も一入!
今この瞬間に全てを懸けて生きる主人公たちの想いが鋭いストレートとなって私の心を打ち抜き、思わず己の生き方を省みました。こんな風に全身の血を滾らせることをしてみたい。
持てる力の全部を注ぎ込む主人公たちのアツさが周囲に伝播して興奮と声援の渦を生み出す瞬間に感動。魂を燃やす生き様は美しく、否応無しに惹きつけられてしまうものだな、と…
「ケイコ 目を澄ませて」に続き、ボクシング映画の名編に出会えた喜びを噛み締めました。正直、今年度ナンバーワン作品です。是非とも賞レースを席巻して欲しいと思いました。
※修正(2024/06/24)
桜🌸
40年振りに日本に帰国した元ボクサーと居酒屋で偶々知り合い、その殴られたパンチの感触が忘れられず、そのボクサーに弟子入りを懇願しトレーナーになって貰い頂上を目指す物語。
プロテストに合格するまでバキバキに鍛え上げた
横浜流星さんにはストイックで称賛する。
対戦相手の窪田正孝さんも良かった。
ジム通いもしてるし、ボクシングオタクなんだね。
周りを固める俳優の方々も素晴らしい。
佐藤浩一さん、片岡鶴太郎さんは円熟味が増して
渋かった。橋本環奈さんのボクシングを観る
切なさと安心感の表情は見ててほっとする。
さすがは黄金対比の顔立ち。
タイトル通り、頂上体験を味わった二人には
切なさと満足感が入り混じった結末。
本当にその一瞬だけ生きたんだね。
あの試合での殴り合うシーンは、何故か鑑賞側も
力が入り歯を食い縛ってしまった。
それだけ魅了された映画だったと気付く。
見応えある作品をありがとうございました。
ボクシング試合の臨場感◎
◯キャスト好み
◯題材好み
◯橋本環奈可愛い
◯横浜流星カッコいい
◯佐藤浩市渋い
◯ボクシング試合の臨場感(本当の試合を見てる感あった)
◯試合までの仮定もリアリティあるように感じた
✕メイン2人以外の絡み。特に橋本環奈役や山口智子役の必要性
✕試合最終ラウンドのスロー演出。それまでの臨場感台無しだしパンチ喰らいすぎで耐え過ぎ
✕最後ももっと余韻ある演出欲しかった
✕最後の試合後、横浜流星が死んだかと思った(そうきたか😲これはやられた)と思ったけど……残念でした
色々と良かった(好み)だけに残念な感じが残りました
正直勝手に期待しすぎてたかも
泣きたかったなぁ
小説と違った良さあり、また小説も映画と違った良さあり!
この映画、予告を見て絶対観たいと思い小説を読んで予習しておきました。しかし、その必要はなく映画は迫力のあるボクシングシーンからして所謂ボクシング映画としての割合が大きいですが非常に楽しめました。どちらが勝つか分かっていた自分としては知らなかった方が良かったかもしれません。
小説の方は単なるボクシング物だけではなく主人公はあくまでも広岡仁一であり、人生の後半の生きざまを彼を含めた昔の仲間と一緒に若いボクサーを育てる事でどうしていくのか?に焦点をあてています。
映画は2時間ちょっとの映画の尺の制限の中上手くまとめ上げたのではないでしょうか
映画を見てからまた小説を読み返したいと思いました。
※注意、ここから小説ネタバレ
ただ上下二巻の小説から二時間ちょっとの映画にするにあたり大分小説とは違う所があります。まず、小説の上巻はほとんど省略されています。三羽烏として広岡を含め三人の仲間が出てきますが小説ではもう一人星という仲間がいます。哀川翔の藤原は大塚側のセコンドになりますが小説では黒木側で黒木のトレーナーを積極的にやっています。黒木は4人のトレーナーの得意技を習得していくのです。橋本環奈は広岡の姪ではなく広岡の買った家の不動産屋の事務員で予知能力があります。山の子ジムは小説にはなく黒木は大塚と同じ真拳ジム所属です。最後の世界戦を戦うのは中西ではなく外国人選手です。黒木の母親は小説では出てきません。他にも沢山違いがあります。
小説ではボクシングシーンの描写もよく伝わりとても映画同様面白いですが四人の老いたトレーナーや佳菜子(橋本環奈役)らとのほのぼのしたやりとりを楽しめたり主人公らの人生哲学みたいなのも考えさせられます。
原作と映画の内容がかなり違いますがそれがダメだとは思いませんでした。それぞれがそれぞれの良さがあると思います。気になった方は是非小説も読んでみてはいかがでしょうか。
流星群(o^^o)
このタイプの作品は予告を観ただけで大体のストーリーが想像出来ます。
本作も然り。
誰が勝つのかが見所で、誰かが後遺症を負ったり命を落としたり、、
なんだろ〜と。
案の定、ストーリーに目新しさは感じなかったし、本作オリジナルの強みみたいな所も薄かった印象。。( ; ; )
広岡(浩市さん♡)の渡米後の成功も話しが出来すぎだ。
あんなクレバーなボクサー見たことない。。。
ごめんなさいm(_ _)m ×100!
そしてお決まりの病気持ち。。
自らが成し遂げられなかったチャンプの夢。そこに、未来を託せる才能のある若者が都合良く登場。
世界タイトルマッチが決まるまでのマッチメイク。大した苦労も努力も描かれずスムーズ過ぎる。。
やっぱりか。感。。ムムム。。
そしてほぼすっぴんで登場の環奈ちゃん。
集客要員でしょうか。この部分は蛇足。全くなくてもよろしい。
でも今まで見たことのない苦労が滲み出た演技は新鮮で良かったですよ(^。^)
もっと言うと会長の娘(山口智子さん)の絡むシーンもいらなかった。。
削除しないで。
でも、このお二人が出ていなかったら、大分観る方減るでしょうから仕方なし。。
ただ、物語に深みを出すのならこの分の尺を広岡、翔吾(流星君)に使うべき。
広岡、翔吾の心に空いた穴を埋めるべく、その負の感情を原動力として進む姿を深掘りして欲しかった!
買い物も行かんでよし。
ラストの翔吾、佳菜子(環奈ちゃん)の部分も同様で蛇足。
桜の木の下に
広岡が倒れているシーン。。からの、
タイトル「春に散る」バーーーン!!
で清く終わり!!の方が好みでした。
と、書いてみて、マイナスに感じた所が多くて自分でもびっくり('◉⌓◉’)
あ!私、ボクシングは女では知っている方だと思います。
嫌いじゃないですから!
東京ドーム!!!の近くのジムで試合を観た事もありますw
ここまでマイナスに感じた事が多かったのに、なぜ星4にしたかというと。
流星君、窪田君、坂東君が本物のボクサーに見えたから!!
坂東君、そんなイメージなかったので、えらい驚いた!!
3人ともシャドーやサンドバッグを打つ姿も様になっていたし、流星君のあのスピードとパワーのあるパンチをミットで受ける浩市も地味にすごい٩( ᐛ )و
役者さんて本当に凄い!ここまでやっちゃえるんだもん!尊敬します。
試合シーンは圧巻です!
本物のプロ同士のファイトに見えます。
飛び散る汗!パンチの当たる音!
歪む顔!リアル過ぎて私もその場で観戦する観客になったかのようでした。
翔吾vs大塚 翔吾vs中西
この2試合は、3人の、ボクサーを演じる役者としても、作中のボクサーとしても、本気の
「負けたくない」という気持ちがビシビシと伝わってきました。
勝敗は決まっているのですが、決着がつくのが辛かったです。
見所のタイトル戦、ファイナルラウンドまでもつれるので仕方ないが、スローモーションでの処理が多過ぎて残念。
流れが変わるワンラウンド位長回しで観たかった(や、死んじゃうかw)
本当のタイトルマッチを観ている感覚にまでしてくれたので、そんな風に思っちゃいました。
そして、セカンドキャリアについて。
これは老いた元ボクサーだけの問題ではなく、老いてからどのように生きるか、どのように死に向かうのか。。
特にスポーツ選手は引退後の人生の方が長いですもんね。。
いっときの栄光と引き換えに失う物の大きさ。
日本ではチャンプになったって一生食べてはいけません。。
私なら天秤にかけてしまいそう。
「男の美学」リカイ ガ ムズカシイ
考えさせられました。
原作上下巻合わせ900ページ超えの大作を130分に収めるのは難しいですね。
ちょい浅のストーリーや構成、人物描写の不足などのマイナス面をさっ引いても役者の迫真の演技が上回り、魅せられました。
ので、星4です!
あと、これは蛇足です。すみません。
最初のパパボクサーとの試合。相手の奥さんと子供。あんな近くで、あんな応援されたら本当に嫌だw
芸人さんの「こんな応援はイヤだ」のフリップ芸みたいで笑っちゃったw
あと、流星君のファンの事を
「流星群」っていうらし〜ですw
あと、やっぱり浩市の白髪ヘアはまだ見慣れない(°▽°)
マイナスに感じた事をたくさん書いてしまいましたが、私の感じた事ですので、作品や演者さんを否定する気持ちはありません!
生暖かい目でお願いしますm(_ _)m
Life Goes On
格闘技経験者が集う渋さ全開のボクシング映画。宣伝があまりされてないのがもったいないくらいの良作でした。
若い頃にボクシングを辞め、アメリカに渡米し、再び日本に帰ってきた仁一、居酒屋でパンチを食らわせた翔吾が弟子入りを志願し、お互いの夢のために歩き出すが、仁一は病気を抱えており…といった感じのストーリーです。
ボクシング1本に絞りつつ、登場人物のバックボーンを掘り下げ、試合と共に成長を描くというのはとても王道ですが見やすくて良かったです。少し端折りすぎかなーと思う場面があったのは惜しかったです。
役者陣の熱がビシビシ伝わってきました。横浜流星さんの肉体は完成されてますし、パンチのキレや避ける動作にとても見応えがあり、プロのライセンスまで取っちゃってるので本格的にこういうアクション路線に舵を切ってきたなという印象です。獣のような目つきで対戦相手を捕らえにいくのがこれまたカッコいいです。
佐藤浩一さんのザ・師匠な風格が本当たまらないです。パンチのキレも健在ですし、時に厳しく、時に優しくを貫く姿が渋かったです。
片岡鶴太郎さんの気のいい爺ちゃんぷりも見応えありです。ギスギスした空気を分断し柔らかな雰囲気にして、対立が起きると宥める側に回る、この作品の良心と言っても過言じゃない存在だと思います。
橋本環奈さんは普段の役柄とは全然違う幸薄そうな表情に仕草、ここまでの顔を広げられるとは…恐れ入りました。どんどんこういう役が増えていけばいいなと思いました。
窪田正孝さんの強キャラ感も素晴らしかったです。もう少し登場頻度が多ければ深掘りできたのになとは思いましたが、チャラさと強さを同時採用していてそれでいてボクシングも達者ときたらもう文句の付け所なんて微塵もありません。
翔吾vs中西の対戦、これは激アツでした。真っ向勝負、小細工なしのぶつかり合いに観ているこちらも固く拳を握りしめていました。
仁一から学んだ攻めと守り、これまで戦ってきた相手との経験を活かした考えるボクシングと直感のボクシングをフル活用して挑む姿が絵になっていました。目を怪我して失明の危機がありながらも、その傷を増やしながらも勝負を止めない姿は心を打たれました。血を垂らし吐きながらも、お互い生きるために戦い続ける、「勝負」ってこれだよなと再確認することができました。防御を捨て、フルアタックで打ち込むシーンは鳥肌物です。
ただ、終盤はスローモーションでの打ち合いになってしまったので、そこまでの高ぶりがシュンと沈んでしまったのが残念でした。最後まで魂の殴打を続けて欲しかったんですがこればかりは仕方がないのかなと思いました。観客をマジマジと映さんでもいいのになと5分くらい思っていました。これは邦画の悪い癖です。
「春に散る」というタイトルの時点で、ある程度どのような終わり方になるかは予測できていましたが、桜の木に沿って倒れている仁一の姿と共にタイトルが出る流れは味があるなと思いました。その後に翔吾の半年後の姿が映されますが、ここは正直無くても良かったかなと思いました。未来へ繋ぐという演出だとは思うんですが、そこまで映さなくていいのにという気分になってしまいました。
地味に食事を大事にしているシーンが多く描写されていたのが好印象で、仁一特性のカレーがまず美味しそうですし、佳菜子の手作りのお弁当がとても美味しそうでしたし、食堂で出されるランチも美味しそうでしたし、ここの力の入れっぷりはプラス評価です。
熱を帯びた邦画を観れてとても良かったです。血で血を洗うボクシング、全員が命をかけて映画に向き合ってくれたからこそ今作が誕生したんだと思います。まだまだ邦画も強く進み続けてほしいです。
鑑賞日 8/30
鑑賞時間 12:30〜14:55
座席 J-28
春に散り、また何度でも咲け
正直、ストーリーとしてはありがちで、テンプレといってもいい。
しかし、奥行きのある演技と熱量を感じる演出が、作品を非凡なものにしていた。
出演作を見るたびに、横浜流星が分からなくなる。
そのくらい、本作では身体も眼差しも、熱く真っ直ぐなボクサーそのものだった。
窪田正孝も、ジムに顔を出した際の去り際と、わずかな練習シーンで中西のイメージを一変させる。
舐めた態度は彼なりの鎧だったのだろう。
本作に出てくるボクサーは、翔吾と戦ったパパさん含めてみな必死である。
最後の試合も、お世辞にも綺麗ではなく、後半にいくにつれて泥試合となり、判定。
(判定は広岡と翔吾の過去に絡むのもあるけど)
そのあたりも人間臭くて、観ていて熱くなる要因でもある。
橋本環奈はいつになくメイクが薄く、新鮮だった上にキャラにも合っていた。
しかし、母は結局会場に行かないし、立ち位置的に必要だったかは疑問が残る。
むしろラストは彼女の支えなしで翔吾が独りで立っていた方が、より強い演出になったようにも思う。
哀川翔のキャラもあまり存在意義を感じなかった。
(どちらも演技はよかったんですよ)
逆に片岡鶴太郎は、佐藤浩市より数段元ボクサーっぽかったし、いい脇役だったと思う。
広岡家での疑似家族の形成など空白も多いが、演技の厚みでカバーされていて薄さを感じない。
試合の臨場感だけでなく、全体に熱量を感じる快作でした。
佐藤浩市と横浜流星、二人の演技だけで満点をつけられる
※ボクシングはミリしらの人が書いてます
※ドラマ含めて実写映像が苦手な人が書いてます(あまり実写事情を知らないです)
近所の終映まで何回か見ると思うのですが、あまり入りがよくなかったようなので、鑑賞を迷っていらっしゃるどなたかのお耳に届けば…という気持ちで理解が浅いながらも初見でレビューを記載します。
酔っ払ってるので誤字脱字あったらご容赦ください。後ほど気づけば直します。
【春に散る】は、「純粋である」ことの儚さと尊さを、極限まで追求した作品です。
予告編での役者さん達の演技が強く印象に残っており、公開を待ちわびていました。結果、期待を超える出来でした。
表題のとおり、満点としたいと思います。
<最初に>
格闘技苦手、ボクシングとか殴り合いでしょ…という方でも見れる方が多いのではと思います(自分がそうなので)。
出オチですが、試合でもさほど悲惨なシーンはありません。作品のテーマも格闘技じゃないです。
もし作品が気になっているのなら、むしろそこで止まってしまって見ないのはもったいないです。
<最大の見所>
なんといっても、主演二人の演技力に尽きます。
話は何も想定外は起きない感じですが、この作品では、ストーリーの意外性や複雑さはかえってノイズになると思います。
佐藤浩市も横浜流星も映画全編、どの場面も一分の隙なく、予告の高品質を貫き通していました。彼らから目が離せないです。
・物静かでインテリの雰囲気もあるビジネス成功者、なんでこの人が闘拳やってたねんていうトレーナー役の佐藤浩市
・貧しい中でも限りなくピュアでまっすぐな、護る拳のボクサー役の横浜流星
生老病死、自分ではなにひとつままならない中、この二人の「生」が交錯したごく限られた時間での、極限まで不純物を取り除かれた透明感がすごすぎました…青春時代ではよくあるテーマと思いますが、親子よりも年が離れた世代間でここまで峻烈に輝けるものなのか、と衝撃を受けました。
ただこれは、佐藤浩市と横浜流星「だから」表現できた世界観だと思っています。おそらく、演出も最大限彼らを活かすことに専念されたのではと拝察します。
オレの親父になってよ…、ひとつのプライドも気負いも虚飾もなく、共に過ごした何千何万の思いをただこの一言にのせて、まっすぐに佐藤浩市に乞える横浜流星の技量の凄さ。
対して佐藤浩市は、死期への悟りから、これ以上になく優しく、懇請を拒絶します。これ以上奪うものを相手から増やせないという心情が漏れ聞こえてくるような、巧い演技です。
演出やカメラワークは完璧に二人を生かした構成になっており、非常に美しい場面でした。
この場面を見るだけでも、二千円を払う価値があります。
自分ではなにひとつままならない、というのはメインキャストも共通していて、メインキャスト陣も非常に好きでした。
かつての栄光から落ちぶれた元ボクサーの鶴太郎さんと哀川翔さん、親の介護で人生を台無しにしてきた環奈ちゃん、みんな、弱い糸のように諦念のなかを漂いながら、それでも優しくまっすぐ、自分にとっての大切ななにかを守るために強く生きるさまを好演されていて、心から幸せを願いたいキャラクターたちでした。
<ただ残念…>
否定的なことなのでちょっと言葉を濁しますが、「あしたのジョー」では葉子さん役に当たる方は好きになれなかったです…役のせいか役者さんのせいか明文化が難しいのですが、他のかたの配役でみたかったという感想は正直強く、周りがレベル高すぎてだいぶ差があったように思います。予告編でも唯一違和感があったちゃそう。
まあでもメインキャスト中ではあまり重要ではない役だったので、ここは我慢内の範疇としました。
<最後に>
桜が、本作のテーマになっています。
どれほど忙しなく生活していたとしても、来年もまた満開の桜を見たい…本作を見て、そう思いました。
春の嵐が、花をすべて散らしてしまう前に。
自由になれ! そのために練習しろ。でも立ち向かえ!
広岡が死んだ会長の言葉として「自由になれ、そのために練習しろ、そのために考えろ」というのは、ボクサーは色々な動機に後押しされてそこに至っているが、練習によりある境地に達し、自分の動機となっていた「しがらみ」から自由になれるという事だろう。それは、ボクシングに限らないのかもしれない。
黒木(横浜流星)も中西とのタイトルマッチで、右目をやられ見えなくなっている中でも、タオルなんか投げるなよと言い、今最高に面白い、新しい世界が見えることを言っている。すなわち徹底した練習の中で、単に母を守るという動機を超え、試合の中で新しい境地に至り「自由」になったのだろう。
広岡(佐藤浩一)は、自分の死んだ会長が好まなかった「打たれても向かってゆく、騙されても立ち上がる」、そういうボクシングがロスの日系人を励ましたという自分を拾ってくれたホテルのオーナーの言葉を今さらながら思い出し、会長が言っていた、「頭の良さだけで、打たれず打つ、倒されず倒す」というボクシングではダメだということに気づく。まさにそのスタイルのボクシングが、黒木に敗れた世界まであと一歩だった大塚のボクシングであり、大塚のジムの会長(山口智子)は、「うちは考えるボクシングなの」とスタイルが違うと黒木が所属することを断った。
しかし、大塚を負かした「打たれても向かってゆく、倒されても倒す」という黒木のスタイルに、最後の中西との世界一をかけたタイトルマッチでは、黒木を否定した大塚のジムの会長(山口智子)も黒木を応援するようになっていたのである。その姿勢には、人の心を動かす、励ますものがあったと彼女も黒木の戦いが終わって広岡に言っている。
こうしたスタイルは、生きる姿勢に繋がると感じた。
時に不公平な判定で負ける事だって人生にはある。広岡(佐藤浩一)はそれでボクシングを止めてしまった。でも、そんなことがあったとしても、立ち上がる、打たれても立ち上がる。若き黒木の姿勢に過去の自分ダブらせ、自分の人生を振り返り、そんな姿勢が人の共感を呼ぶオーラになり、人を励ましうる力にもなるのだと広岡も気づき、失明の危機がある黒木と最後まで挑戦した。そして、勝った。
「春に散る」とは、そうして倒れても立ち上がり続けて春を迎え、また次のステージへと再挑戦するリスタートでもある。広岡はもう心臓の心配をする事なく、黒木の「春」を見届けて人生を散らした。黒木も、ボクシングを通じた挑戦で春を迎えながらも、失明し別の人生へ「再再出発」をすることになる。
黒木は、死んで見えなくなっても広岡に「走れ」と発破をかけられながら、一回り成長した彼は、自転車にぶつかりそうになって、自転車に乗っていたオヤジからクレームを言われても、怒らず詫びてやり過ごす。これも、打たれても立ち上がった新たな姿の象徴だ。彼は次の春を目指してゆくのだろう。
☆
この映画は、広岡や彼の仲間も通して、年配の男の生き方を考えさせるという意味でも、私に刺激を与えて、残りの人生をどう生きるかを考えさせてくれた作品で、記憶に残る作品になった。
アスリートのセカンドマンキャリア
深読みかもしれません。
でも作中所々感じたのは、アスリートのセカンドキャリアについての課題意識。
佐藤浩一が好きで、そこに横浜流星が出るんだから、当たり前観るでしょっていう感覚くらいで観ました。
予想以上に良かったです。
ボクサー経験者なのかな?役者さん、半端なくリアルです。
チャンピオン役の窪田正孝は、怪演!すごい
そして橋本環奈ちゃん…こんな役もこなせるんですね。
必見です!
散るほど燃える!そして咲く!
居酒屋で騒ぐ若者、それを軽く懲らしめる男。それを目撃した若者。教えを乞うも断られる。課題をクリア、その熱い思いに打たれて師弟関係が築かれていく。目新しさは無いが、逆に非常に分かりやすい。
キャラクターも立っている。キャスティングが良くて、俳優自身の存在感とキャラクター性が上手く噛み合って分かりやすさ度に加算がされている。
片岡鶴太郎が良い立ち位置にいて、登場人物達の関係性や動きを上手く誘導していて便利そうだった。鍛えられた身体にも説得力が出ていて良かった。当初の役柄は酒に溺れていたはずだが。笑
他の登場人物達もそれぞれに役割があり、無駄がない。
ボクシングのシーンも迫力があって良かった。違和感が無いレベルで試合として見ることができた。試合前は高圧的、若しくは余裕綽々な表情をとっていても
リングの上では正に死闘。醜くても、なりふり構わず己を曝け出して、相手に向かっていく。
天才性を発揮しているような実力者も裏では血の滲むの努力を絶え間なく繰り返しているからこそ、その立場にいるのだ。というのがしっかりと描かれていて学びになる。
気になった点
横浜流星がそこまで熱狂的に生きる理由に対する背景が薄い。母親は問題はあるかもしれないが、普通に働いているし、親子の関係も良好である。
ボクシングについても多少過去の試合の説明はあったが、描写が無いため未練や熱意などの原動力を感じ取れない。
なので佐藤浩市に拒絶された後に食い下がって熱弁するシーンでも、何か頑張って言ってるな。程度にしか熱が伝わってこない。
最後の試合も、死力を尽くしながらも、本当にただ試合をしているだけである。お互いに何かを背負ったものがあったり、応援してくれる人の声があったり、負けられない理由があったり、そういうのが入ってこないので正直(興味が薄い方の)どちらが勝っても良い試合だった。
師弟関係に亀裂が入りそうで入らない。挫折しそうで挫折しない。映画全体を通してとても順調に、順風満帆に成功していく。
家庭持ちとの一戦、横浜流星は相手の妻と子の応援が目に入り、攻勢を弱めてしまう。それを見た佐藤浩一は辞めちまえ。と一喝する。
クライマックスの一戦前、目の状態から出場と棄権意見が分かれて激しく喧嘩など、一時的な亀裂が入る。ここらへんでドラマ性が生まれそうになるのだが、すぐに仲直りしてしまう。
試合が頓挫しかけた警察沙汰の件も土下座で即解決する。
ボクシングも結局主人公は一回も負けない。初っ端のジムでの大塚(坂東龍汰)とのスパーリングで出鼻を挫かれるのかと思えば、ダウンさせてしまう。ここで主人公の才能を示したんだろうが、最後の圧倒的な実力差があるとされている中西(窪田正孝)も怒涛の攻防の末、こちらも勝ってしまう。春に散る、って勝っちゃうんかい。と思ってしまった。
当初の佐藤浩市の「不公平なんていくらでもあるぞ」という言葉は一体なんだったんだろうか。
最初にも書いたがストーリー展開が王道すぎる。
・綺麗なジムに入会するかと思えば、そこのホープを倒し入会を断られる。
・仕方なく知り合いの小さいジムを拠点とする。
・ヒロインは最初ボクシングに対して恐怖を感じるが、主人公優勢になったら見方が変わる。
・礼儀を知らない天才ボクサー。
・居酒屋で応援にヒートアップする客達。
・ラストシーン、最初のテストを思い出して会話?をしてしまう。
原作は読んでいないけれど、いかにもザ・ボクシングストーリーという描写が多く、見ていて特に驚きがなかった。
他
主人公(佐藤浩市)が、ボクシングに見出した答えが以前の恩師である会長の言葉、ではなく、それを「それだけじゃダメなんだ」と否定し、思想を越えたのは良かった。
俳優陣がそれぞれ演技が上手い。佐藤浩市の佇まいは正に実力派ボクサーの過去を持つ静かな威圧感と挫折した経験、ホテル勤で得た謙虚さが姿勢や歩き方で感じ取れるたし、横浜流星も夢を追いかける熱血主人公!というキャラクターがとても合っていた。橋本環奈は目が大きくてビジュアルが妖精のようで、登場シーンの幸の薄さは少しホラー感があったが、役柄が新鮮で良かった。
また窪田正孝がとても良かった。飄々としたキャラクターと表情。でもそれだけじゃない、その中にある熱とか、鍛え抜かれた身体とか素晴らしいと思った。
春、現役を退いた男は蕾とも言える青年と出会い、その青年の夢をサポートし共に昇っていく。冬の時期を乗り越えてそしてまた春、青年は夢を実現させて満開に咲いた。
それを見届けて男は桜と共に散る。青年もまた身体に深刻なダメージを受ける。恐らく男の死を知って精神的にもダメージを受けただろう。だけどまた、青年は再スタートを切り芽吹く。また花を咲かすために、走りだす。
ということか。
僕の好みとはちょっと違いました
映像として全体的に暗い印象を受けました。
家を取り壊しているところをスマホで撮影したり、タイトル戦が決まった直後の暴行事件で謝罪に行ってSNSで騒ぎになるのが一番困ると言われていたり、東洋太平洋のタイトルを取った後世界王者がスマホをいじっていることに対して腹を立てたり、スマホ全盛の現代が舞台のはずですが、鮮やかな感じのないどことなく暗くてザラっとした映像は、昭和のテレビドラマのようだと感じました。
お話の内容も、序盤の方で青年がボクシングを教えて欲しいといってきたときに、判定で負けたとか、赤コーナーに強いチャンピオンがいたら判定では勝てないというようなことを言っていたのに、結局彼は判定で世界王者のタイトルを取ったでしょう?
目の障がいが見つかって試合を辞退するのか敢行するのか揉めたり、年寄りのシェアハウスにボクサーの青年や姪の人やらが住み着いたり、出て行ったり。
僕には難しくて理解できませんでした。
僕はもっと、主題のわかりやすい話が好きなので、これは好みではないです。
これからの人生への再々スタート
いきなりネタバレですが
ストーリーとすれば元ボクサーの初老の男が一旦挫折した負けん気だけは強い若いボクサーを世界チャンピオンに育てる、そして結果的に世界を勝ち取る。しかし・・・
ですが、その後のラストでは描かれてない主要人物のその後を予想させる終わり方でもあったと個人的に推測しました。あくまでストーリーの中で語られたことを根拠としていますが。
黒木翔五これはラストで触れられてるが、網膜剥離で世界チャンピオンは返上、ボクサーは引退、再々スタートで会社員。
その彼を支える恋人佳菜子(同上)、いずれ結婚?
大塚、彼は引退して実家の造り酒屋を継ぐことは述べられている。
翔吾の母、息子の勇気と決心に影響され女として男に頼ることなく一人で生きていく。
佐瀬健、ボクサーと言うより子供たちにボクシングを教えるトレーナー
藤原次郎、玲子のジムでトレーナーになってるかそこらの飲み屋で飲んだくれてるか
真田玲子、世界チャンピオンを育てるようにジムを続けるが広岡の言う言葉にも影響されて育成方針を若干変える。
中西利夫、ジム会長ら。再び世界タイトルに向けて再スタート。
映画の終わりではあるがみんなそれぞれ広岡・翔吾の生きざまを見てこれからの人生が変わった、と思わせるようなストーリー。決して広岡の死で終わりではなく、それから人生の再、再々、再再々のスタート、前を向いて行こう。と思わせるラストであったと思います。
翔吾のラストでの「再々スタート」と言う言葉がこの映画の言いたかったことの1つだったのかもしれないでしょう。
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