春に散るのレビュー・感想・評価
全204件中、161~180件目を表示
ボクサーの背負った因縁が今一つ胸に迫って来ない
登場人物たちが何を考えているのかよく分からず、なかなか感情移入が難しかった。
特に、佐藤浩市演じる老トレーナーについては、どうして、あそこまで頑なに若者の弟子入りを拒んだのかや、心臓の手術をしようとしないのかが理解できないし、「噛ませ犬」にはさせないとか、失明のおそれがあるとかで反対していた試合を、いともあっさりと受け入れたことにも納得できなかった。
ひょっとしたら、彼の過去のボクシングの試合やアメリカでの生活に、そのヒントが隠されているのかもしれないが、そうしたことは語られずじまいで、説明不足の感は否めない。
横浜流星演じる若者にしても、プロのボクサーが素人に手を出してはいけないことぐらい分かっているはずなのに、いくら母親を守りたいからといって、あれでは軽率のそしりを免れないだろう。
片岡鶴太郎や哀川翔演じる老人たちや、橋本環奈演じる少女にしても、どういう理由でそうしているのかが分からないことが多かった。
その一方で、ボクシングの試合については、俳優たちの頑張りもあって、なかなか見応えのあるシーンになっている。
ただし、ラストの世界タイトル戦については、東洋太平洋タイトル戦での「キドニー狙い」のような戦術が明確でなく、勝負のポイントが分かりにくかったのが惜しまれる。いっそのこと、クロスカウンターで決着をつけた方が良かったのではないだろうか?
それから、スローモーションのように見せかけて、顔面にゆっくりとパンチを当てているシーンには、さすがに興醒めしてしまった。ここは、やはり、本当のパンチをスローモーションで撮影するべきだっただろう。
横浜流星や窪田正孝が、しっかりとボクサーの体を作って、ちゃんとボクシングの動きをしていただけに、そうした本物らしさを台無しにしてしまったこのシーンは、残念としか言いようがない。
いずれにしても、リングの上での戦いは、戦う者が背負っている因縁や「しがらみ」が分かってこそ、胸に迫って来るものだが、この映画は、そこのところが今一つ弱かったように思えるのである。
日本映画史に残るファイトシーン、ただし僕は格闘技は未経験で、見ることも無いから、かなり割り引いて考えてもらっていい。ドラマ部分は感動しない。【再鑑賞】黒木vs中西戦と橋本環奈を見るために再鑑賞。
ラストのファイトシーン、しばしばホントのボクシングの試合のような錯覚に陥ってしまうほどの迫力だ。
僕はどっちがKOされても、判定か両者ノックダウンで引き分けでも、タオルが投げ込まれても全部納得いったと思う。それぐらい試合に引き込まれた。
横浜流星さんは水墨画家の役で半紙と、窪田正孝さんは作曲家の役で五線譜と格闘していたイメージが残っていて、どちらもヤサ男だった。だけど、グローブ着けてリングでまみえるとホントのボクサーにしか見えない。
特にリングの外での窪田正孝の余裕な態度なんか、正に世界チャンピオンの余裕に見えてしまった。
ドラマ部分はあまり感動しない。それぞれの人生が深く描かれてないからだが、2時間だから仕方ない。おそらく原作は各自の人生が深く描かれてるのだろう。せめて世界チャンピオン中西(窪田正孝)の背景をもう少し詳しく描くか、黒木(横浜流星)と中西の間に過去の因縁でもあれば試合ももっと盛り上がるのにと思った。
佐藤浩市、鶴ちゃん、哀川翔、山口智子の若い頃の関係、エピソード、人物像の描写があればドラマ部分にも引き込まれたと思う。
特に橋本環奈さん。出てるの知らなかったのでラッキー。はかなげで少し不幸な感じが新鮮でとても良かったし、僕はもっと出番が多いほうが嬉しかった。だけど物語としては、いなくても全く支障がないし、一体何だったんだと思った。個人的には嬉しかったが。
佐藤浩市の心疾患もいらないし、最後はどちらでもお好きにと思った。
【再鑑賞・追記】
黒木VS中西戦を、 も1度見たいので再鑑賞。やっぱし迫力満点。この試合を見るためだけでもこの映画を見る価値がある。だけど、スロー部分は白けてしまう。橋本環奈を見れるのも個人的には嬉しい。
図書館で原作を借りた。上下巻で800ページ。やはり2時間ではもっと登場人物を減らしてドラマ部分のエピソードを佐藤浩市、横浜流星、窪田正孝に絞ったほうが試合も盛り上がるし浅くならなかったと思う。
王道のボクシング映画‼️
若き日に夢敗れた初老の元ボクサーと、血気に流行るボクサーの若者が世界タイトルを目指すまでを、彼らを取り巻く人々の人生模様を絡めながら描いた作品‼️佐藤浩市が心臓に病を抱えていたり、横浜流星が網膜剥離の危険性、坂井真紀が受けるDV、橋本環奈ちゃんの家庭環境、片岡鶴太郎、哀川翔ら昔の仲間たちの人間ドラマなども含めて、ヒネリも何もない王道のボクシングドラマとしてそれなりに良く出来ているとは思います。ただ主役の2人以外のドラマは掘り下げ不足で中途半端な印象。役者陣では横浜流星くんは、実際にプロのライセンスを取っただけあってプロボクサーも顔負けのボクシングスキルを見せつけていて見事‼️窪田正孝くんは佇まいは何を考えているのかイマイチ分からない怪しいチャンピオン像を創り上げてはいましたが、肝心のボクシングテクニックでは、横浜流星が圧倒的に上かな。そんな2人のタイトルマッチのシーンは監督の演出力不足か、迫力はあるんですが、カタルシスというかイマイチ盛り上がりに欠けていて残念。ラスト、桜の樹の下で散る佐藤浩市さんのカットと、再び走り出す横浜流星のカットは良かった‼️
キャスト最高
クライマックスのボクシング世界戦シーンの本気度が凄すぎ!!!
窪田正孝さん横浜流星さんというキャスティングの力も相まって迫力のファイトシーンが観られます
11Rはお2人のアドリブで撮られたとのこと!
怪我も事故もなくやりきったお2人と支えてくれたスタッフの方達に脱帽です
(なので惜しむらくはその後の12Rの余計な演出…あれ賛否両論あるけど私は否の方ですね…)
佐藤浩市さん 原作広岡仁一の優しくクレバーな雰囲気が滲み出る演技がとても良かった
横浜流星さん 体つきから目つきから目力まで荒削りのボクサー黒木翔吾そのもの
窪田正孝さん 圧倒的なチャンピオンボクサーとしての存在感は窪田さんだからこそ
片岡鶴太郎さん この方がリング脇にいるだけでボクシングシーンにさらにリアリティが感じられました
俳優たちの本物の演技
楽しい映画
人が道を求める時
まさに一瞬を生きた二人
今を生きる
熱い男のドラマが胸を打つ
佐藤浩市さん、横浜流星くんのダブル主演ということで、濃厚なドラマが観られるのではと期待して鑑賞してきました。期待どおり、ボクシングにかける男の生きざまが感じられる素敵な作品でした。
ストーリーは、かつて不公平な判定負けを機に日本ボクシング界を去り、今やすっかり老いた元ボクサーの広岡が、同様の思いを抱えて腐っていたボクサーの黒木からコーチをしてほしいと懇願され、かつてのジムの仲間とともに黒木を鍛え、世界をめざす中で、強い絆が結ばれていくというもの。
ボクシングで世界チャンピオンをめざす物語の中で、広岡と黒木の師弟関係、広岡と佐瀬や藤原の友情、黒木と大塚や中西のライバル関係など、ボクシングという過酷なスポーツに魅入られた男たちのドラマを展開していて、どんどん引き込まれていきます。私は痛いのは嫌いですし、拳で語り合うとかよくわからないので、実はボクシングはそれほど興味がないです。でも、そこに全てをかける熱い姿、育まれる絆には胸を打たれます。夢破れて、試合に負けて、体を壊して…リングを降りる理由はさまざまあれど、そこにかけた思いや結んだ絆は、これからもずっと引き継がれていくのでしょう。華やかに咲いた桜が潔く散り、次の春にまた芽吹くように。
そんな熱い男たちのドラマの裏側で、黒木の実家に見るシングルマザーの苦労、佳菜子の実家に見るヤングケアラーやバイト先に見る貧困家庭の問題、令子のジムに見る事業継承の問題などを、自然な形で盛り込んでいます。ボクサーやトレーナーはすべて男で、裏に苦労する女性がいるという構図は、やや古いイメージに感じますが、物語の重厚感を増していたと思います。
このような内容を、全体的に過剰な演出と余計なBGMを排して、ドラマで魅せようとする感じがとてもよかったです。おかげで、肝心のファイトシーンも、本物の迫力がダイレクトに伝わってきました。それなのにファイナルラウンドだけは、スローとBGMの多用がこれまでの雰囲気を壊し、興を削がれたのはちょっとだけ残念でした。
主演は佐藤浩市さんと横浜流星くんで、本物の師弟のようでした。特に横浜流星くんは、ここ数年はダーティーな役にも積極的に挑戦し、演技の幅を広げていると感じます。脇を固めるのは、片岡鶴太郎さん、哀川翔さん、小澤征悦さん、窪田正孝さん、山口智子さん、坂井真紀さん、橋本環奈さんら。橋本環奈さんは、目の下にクマがあってもかわいかったです。
チャンプを目指すな、人生を学べ
最初の佐藤浩一の肩に乗った一枚の桜の花びらでちょっと引いてしまった。居酒屋の中なのに。
案の定、せっかく横浜流星、窪田正孝、坂東龍太がしっかり仕上げてきて、ボクシング映画常連の俳優さんたちも絡んでいるのに、肝心のボクシングのシーンがあまり興奮しない。
ストーリー的にも見せ方も強さが伝わってこない。
はじめから強いのならなぜ最初に佐藤浩一に一発喰らったのか。自らの弱点を克服しながら長所を磨くとか、相手の弱点を攻略するとか、がないから何故勝ったのか説得力がない。挙げ句にスローモーションに感動的な音楽入れられても醒めてしまう。
「ケイコ、目を澄ませて」「ブルー」と最近のボクシング映画がよかっただけにどうしても比べてしまう。
期待が大きかったからかもしれないが、途中の鶴太郎さんの台詞じゃないけど
「ボクシング(映画)って、もっといいもんだろう!」って叫びたくなった。
ボクシング映画あるあるの暴行事件や目の負傷、そして心臓疾患も何も解決しないまま世界戦に進んだのもなんだろうな。
若手ボクサー3人と年寄りボクサー3人が素晴らしかっただけにもったいないなと思った。
ちょっと詰め込みすぎなのかな。私は最近の瀬瀬監督とは少し合わないようだ。
観る前は、橋本環奈はこの映画には合わないだろう、脇役ならともかく主役級の人はあんまりいろんなところに顔を出さないでほしい、と思っていたが、見事にオーラを消して幸薄い役を演じていた。良い女優さんなんだな。ただ、この役はもっと描き込むかすっぱりカットするかした方が良いような役で残念だった。
そしてすっかりお母さん女優になった坂井真紀。こんなにいろんなお母さんが演じられるお母さん女優も珍しい。
タイトルは最初に出してほしい。
ボクサーの壮絶な!
ボクシング映画にハズレ無し
全204件中、161~180件目を表示