劇場公開日 2023年8月25日

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春に散るのレビュー・感想・評価

全210件中、1~20件目を表示

4.0主演二人が両輪を成し共闘していく様が魅せる

2023年8月31日
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沢木耕太郎といえば「深夜特急」が思い出される一方、「一瞬の夏」などのボクシングに焦点を当てたノンフィクションでも知られる。そんな彼が小説という形で二人の男の再起をかけた共闘を描いたのが「春に散る」だ。映画と文学はまた別物と思いつつ、冒頭の居酒屋で佐藤浩市がたった一杯のビールを大事そうに、美味そうに飲み干すシーンを見ただけで、この映画が受け継ごうとしている魂を感じた。そこからの身のこなし、全てのきっかけを作るパンチ。極限まで体を鍛え上げた横浜流星が炎の塊だとすると、本作での佐藤浩市は熱すぎず、冷めすぎず、人生を少し達観したところから見つめる共闘者を真摯に演じている。この両輪が素晴らしい。また、彼が声をかける昔の仲間として、片岡鶴太郎がなんともいえない味わいをもたらし、微笑ましくも胸熱くなる。その他の競演陣が色を添える様も実に見事。それぞれの生きる道が重厚に織り込まれたドラマに仕上がっている。

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牛津厚信

4.5邦画界の“ボクシング部”的人材が大集合

2023年8月29日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

興奮

大勢の熱意が結実した力作なのは確かだ。毎回演技派の人気俳優たちが豪華に顔を揃える瀬々敬久監督作品だが、今作には実際にボクシングや他の格闘技の経験があったり、過去作でボクサーを演じたことのある身体能力の高い役者たちが大集合。翔吾役の横浜流星は中3で空手の世界大会で優勝し、「きみの瞳が問いかけている」ではキックボクサー役で主演、また本作の役作りの一環でボクシングのプロテストを受け合格した。

翔吾が所属するジムのトレーナーの一人、山下を演じる松浦慎一郎は、瀬々監督が認めるように近年の日本のボクシング映画のキーパーソン。大学でボクシング部に所属し、俳優の下積み時代にはトレーナーも兼業、ボクシング指導を担った作品は「百円の恋」「あゝ、荒野」「ケイコ目を澄ませて」など多数あるほか、ボクシング映画への出演も多い。世界チャンピオン・中西を演じる窪田正孝は「初恋」「ある男」に続き3度目のボクサー役で、「ある男」で共演した松浦から撮影後も個人的にトレーニングを受けていたという。別のジムのトレーナー・郡司を演じた尚玄は、「義足のボクサー GENSAN PUNCH」のタイトルロールで主演。佐瀬役の片岡鶴太郎も、芸能活動で人気を博してから33歳でプロテストに合格している。こうした役者たちの豊かな経験と資質に加え、瀬々監督の演出と松浦の指導の下、ボクシング演技の精度をさらに高めていったことが本作の迫力ある場面に貢献したのは間違いない。

個人的な好みになるが、翔吾と中西の試合でパンチが顔にヒットして打ち抜くまでのアップをスローで見せる演出は、当然ながら相手に怪我を負わせない力の入れ加減がわかってしまうので、再生スピードを落とさずにカットを工夫して見せる演出の方が迫真度が増したのではないか。もっとも劇映画でこれ以上のリアリティーを求めるなら、現役のボクサーたちを起用して実際に殴り合う姿を撮影するか、打たれた瞬間の顔の歪みや頭部の揺れをポストプロでCG加工して描画するしかないだろうという気もする。

もう一点、これも好みの問題だが、「春に散る」のタイトルが表示されたあとのシークエンスは蛇足に感じた。あのタイトルショットで潔く終わった方が余韻をより深く味わえそうなのに。とはいえ、若い世代には希望が託されるラストシークエンスの方が共感度が高いだろうか。

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高森 郁哉

3.5ボクシング映画

2025年3月5日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

単純

主人公(佐藤浩市)は元ボクサーで、アメリカに渡り、ビジネスで成功、年老いて突然帰国する。
居酒屋で絡んできた男たちをあっさりと片付けたが、これを見た若者(横浜流星)にボクシングを教えろとせがまれる。
主人公は若き日の仲間と老後を過ごそうと思っていたが・・・。
登場人物を減らせばもう少し短くなったと思うが、ボクシングのシーンは素晴らしかった。

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いやよセブン

3.0春にボクシング

2025年3月5日
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ボクシングが題材の映画って
それだけで十分満足なのだが、
ボクシングシーンに主軸を置いて
迫力満点に映画いている時点で高評価。

ボクシングが題材って映画に限らず
漫画でも小説でも多くの名作があって、
だからこそ新しい映画って辛いよね。
偉大なる名作たちと比較される前提だから。
しかも、
最も迫力があって、
最も感動があって、
最も物語性があるのって
本物の(リアルな)ボクシングなんだよね。

さまざまな対比のなかで
それぞれが魂を通わせ、
魂をぶつけ合う。
それだけでもう十分名作なのです。

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にゃろめ

3.5ストーリーは オーソドックスなボクシング映画だが 役者や監督の力量...

2025年3月2日
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鑑賞方法:VOD

興奮

ストーリーは
オーソドックスなボクシング映画だが
役者や監督の力量で面白くなると思えた

内容的には4時間くらい必要だったかな

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いのしし

3.0定型

2025年3月1日
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鑑賞方法:DVD/BD

確かに、沢木耕太郎×瀬々敬久って感じがしました。といっても沢木さんの作品は「深夜特急」を1冊読んだだけ、瀬々監督作品は「糸」(20)しか観たことがないので、あくまで第一印象みたいなものです。数あるボクシング映画の中でも、「あしたのジョー」と「ロッキー」がすぐ思いつくのですが、貧しい境遇にある主人公が師との出会いをきっかけに試練を乗り越えていく定型といってもいい物語。あとは演出でどう見せるかが鍵を握ると思いますが、自分の好みと少し違ってました。

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赤ヒゲ

3.5日本の美、満載。素朴で良い。

2025年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

 クライマックス、中西利男(窪田正孝)との試合、スローモーションの演出は泣ける。

 居酒屋の外での出会いのシーンが面白い。そして、夏は特等席から花火を見て、祭りがあって秋になって、冬のイベントがあって、春に散るのは桜だけではなかった。

 古いジャッキーチェン映画のような師弟もので、ベタなプロットだが引き込まれる。
 序盤、主役の二人(佐藤浩市&横浜流星)がボクシング界隈の判定について理不尽である旨のセリフがあるが、それは負け犬の遠吠えだったのかもしれない、ということが後に判明するような展開で上手い。

 年頃の男女、黒木翔吾(横浜流星)と広岡佳菜子(橋本環奈)の二人については、あっさり爽やかにスッキリ美しく纏めていた。

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どん・Giovanni

4.0一瞬の光

2025年2月3日
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鑑賞方法:映画館

「春に散る」公開を受け、ニュース番組内で「晩年を生きる」美学を描くと題して、沢木耕太郎の特集があった。
「春に散る」のあとがきでは、私が描きたかったのは見事な「生き方」ではなく鮮やかな「死に方」でもない。あえていえば「在り方」だった。と書かれてあり、死が、明日でもあまり文句は言わない。と、。
今、これでいいと思ってる「瞬間」をできるだけ連ねていければ、
自分に一生楽しめることが一個見つかれば、それでいいのだと。
つまり、佐藤浩一が現役から40年離れ、再び向き合ったもの。
横浜流星が死力をかけて挑んだもの、それがボクシングであり、最高の勝利を掴みとる「一瞬」が、一生の一個なのであったのです。
激闘の世界戦は、回を重ねる毎に汗と血が迸り、私たちは震え、涙した。
そして、一瞬の光の後、春は散った。

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アベちゃん

2.0ボクシングが好きな人には面白いのかも

2025年1月31日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

ボクシングをやっている理由も人さまざまなんだなと思った。そりゃそうだろと突っ込まれそうだが、格闘技にあまり興味がないのに観たのがいけなかったのかも。俳優が好きだから観た。
窪田くんは『ある男』のボクサーよりシンプルなキャラ設定。横浜くんもそこまで掘り下げられてない感じ。ボクシングが好きな方は楽しめるのかもしれない。

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どっくん

5.0ボクシング

2025年1月14日
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出演者が全員素晴らしかった。
ボクシングって無茶なスポーツですがやる者を惹きつける魔力があるんでしょうね。
何かに命懸けで打ち込むのは素晴らしいとのメッセージが感じられました。
楽しめました。

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alextm

3.5この 映画の 俳優さん達のの 役作り は 素晴らしいと 思いました...

2025年1月7日
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鑑賞方法:DVD/BD

この 映画の 俳優さん達のの 役作り
は 素晴らしいと 思いました、

橋本環奈さんは 必要でしたか?(笑)
可愛いけど、
原作を読んでみたいです

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may be…

3.0横浜流星の役作りは見事だが?

2024年12月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

CSで録画視聴。
横浜流星の役作り、ボクシングシーンは見事。
ただ、ストーリーに関してはもう少しコンパクトにしても良かった。133分も長すぎる。
ありきたりの話だが、せっかく横浜流星の演技は見事だったのにもったいない。

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ナベウーロンティー

4.0男たちの映画

2024年12月12日
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鑑賞方法:映画館

原作未読。佐藤浩市と横浜流星がかっこよすぎる。さらに窪田正孝と坂東龍太がしっかりと身体を作りこんでいるおり、特に窪田正孝はどれだけトレーニングしたらこんな身体になるんだろう、というレベル。横浜流星がボクサーライセンスを取ったというだけあり、ボクシングシーンも迫力満点。これだけで満足度は充分。
小説を2時間にまとめるのは難しいのだろうけど、橋本環奈だけ話がつながらなかったので☆マイナス1です。橋本環奈のくだりは全カットして、男だけの映画にしても良かったかも。

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Kazu

4.5また観たい!

2024年8月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

単純

興奮

試合のシーンががっつりあって満足度が高い。ボクシングの試合演技って殺陣とはまた違った覚え方だと思うけど俳優陣の記憶、動作、鍛え方に尊敬する。

ボクシングには詳しくないので これを機にタオルを投げ入れる意味を知った。

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トウマ(20代/女)

3.5最高のラスト

2024年8月14日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

満開の桜の下、
桜吹雪吹く中、
愛弟子の成長を見届けて迎える、最高のラスト。

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上みちる

3.5正統派だけど

2024年7月22日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

見ていて一つだけ気になったことが。。。
限られた時間の中で全てを盛り込まず、あー、そうなったんだって、感じのシーンが割とあった。スッキリと見られた気もするし、アッサリし過ぎている気もした。

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おのもん

3.0仁一と翔吾の「想い」

2024年7月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
「そういうのなぁ「特攻精神」って言うんだよ。そんな考えは捨てちまえ。」
「仁さんだって、隠して、手術しようとしないで、メチャクチャじゃねえかよ。」
「年寄りは、メチャクチャなんだよ。」

上掲の映画のことばのように言って、仁一は翔吾の世界への挑戦を引き留めるのですけれど。
しかし、翔吾が最後に挑戦を決断したのは、けっきょくは「幸運の女神に後ろ髪はない」ということなのでしょう。

その決断が正しかったのか、間違いだったのか―。
ただ、間違いがないのは、翔吾にとっては失明の危険を冒してでも世界に挑戦する気概があり、彼はその気概を大切にしたという「事実」が残るだけなのだと思います。

だから、その「事実」だけを「事実」として受け止めるべきなのであって、そういう決断の当否は、第三者が論ずるべき筋合いのものでもなく、決断をした当の本人にも、本当は分からないのかも知れません。

ただ重く受け止めるべきは、トレーナーを引き受けた仁一と、世界に挑んだ翔吾の「想い」ということなのだと思います。

そう考えると、ズシリと重いものが胸に迫る一本だったと思います。
そして、その中にほのかに見える仁一と翔吾との師弟愛が素敵な一本でもありました。

そして、往年のボクサーとしての仁一にも、思い残すことは、これで何もなかったことでしょう。
「願わくは/花の下にて/春死なん/その如月の/望月の頃」と詠んだ西行のような、明鏡止水の心境だったのだろうとも思います。

そんなこんなの意味をこめて、佳作としての評価が適切な一本であったとも思います。

(追記)
それにしても、歳をとりましたねぇ。佐藤浩市も。
見事な白髪になっていましたけれども。
今年(2024年)の誕生日が来て64歳ということですから、まだこれが「地毛」というわけでもなかったのだろうとは思いますけれども。
その見事な白髪が、本作では印象に残りました。

(追記)
ボクシングは、ある意味、不思議なスポーツでもあると思います。
グラブやマウスピースといった(最小限の?)保護具を装用した上でとはいえ、半裸の男たちが、ただただ殴り合うということだけで、どうしてこんなにも観客の熱狂を誘うことができるのでしょうか。
(その点、ジョー的な要素が強いプロレスリングとは、好一対かとも思います。)
ただ只菅(ひたすら)に自分の足で走るだけというマラソンという競技が、あんなにも観客の感動を呼び起こすのと、同じなのかも知れないと、評論子は思います。

(追記)
試合の時に、レフリーが両方の選手にかける掛け声も、評論子には、意外でした。
「ファイト」(頑張れ)ではなく、「ボックス」(殴り合え)なんですね。
それは、もともとが殴り合う(ボクシング)というスポーツなのだから、ということになりそうです。

妙なところに感心してしまいました。

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talkie

3.5チャンプを目指すな 人生を学べ

2024年7月8日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

最近ボクシング映画が増えてきたような気がする。「BLUE/ブルー」、「アンダーザドック」、そして本作。
松山ケンイチ、東出昌大、森山未來、北村拓海、そして本作の横浜流星と窪田正孝。みんなストイックに筋肉を作って、本当のボクサーのような体型に仕上げる。この俳優魂はやはり凄いと思う。ただ、いつもTKOがなく、リングで打ち合い続けるのはウソだと思うけれど。
ウソでも、その鍛えられた体を見ると文句が言えなくなる。
どこまでが真剣勝負かはわからないが、彼らはまさにボクサーだ。
「すんげえ世界が見えたんだよ」
この横浜流星の言葉にウソはない。
そして、彼が練習してきたジムに掲げられていた、「チャンプを目指すな 人生を学べ」という文字がいつまでも心に残る。

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ジョー

3.0内容的には可もなし不可もなしという感じ。 横浜流星の動きはプロライ...

2024年7月7日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

内容的には可もなし不可もなしという感じ。
横浜流星の動きはプロライセンスを取っただけあってなかなかよかった。
最後、佐藤浩市を死なせる必要があったのか疑問だが、「春に散る」というタイトルには佐藤も含めてということか。

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省二

5.0劇場案件だったかも

2024年7月4日
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原作を読んでいたけど、すっかり忘れていたので。

2時間半も納得の内容の濃さ。
佐藤さんと流星くんが、ミット打ちのようなリズム感&マッチング。
というか気づかないと、流星くんってわからないワイルドさ。
山口智子さんのジム会長をはじめ、どの配役もベスポジだったな。

これからの若者と、病気を抱えた元ボクサー。
「かつての自分の、夢を託しすぎているのでは?」の箇所は。
それが勝負の世界の、新旧交代だと思う。

終盤のファイトシーンは、特殊メイクを使ったにしても圧巻。
(苦手な人は、そもそもこの映画は見てはいけない)

監督・脚本瀬々敬久さんでしたか、納得!

⭐️今日のマーカーワード⭐️
「自由になれ、そのために練習しろ」

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ゆき@おうちの中の人