春に散るのレビュー・感想・評価
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Life Goes On
格闘技経験者が集う渋さ全開のボクシング映画。宣伝があまりされてないのがもったいないくらいの良作でした。
若い頃にボクシングを辞め、アメリカに渡米し、再び日本に帰ってきた仁一、居酒屋でパンチを食らわせた翔吾が弟子入りを志願し、お互いの夢のために歩き出すが、仁一は病気を抱えており…といった感じのストーリーです。
ボクシング1本に絞りつつ、登場人物のバックボーンを掘り下げ、試合と共に成長を描くというのはとても王道ですが見やすくて良かったです。少し端折りすぎかなーと思う場面があったのは惜しかったです。
役者陣の熱がビシビシ伝わってきました。横浜流星さんの肉体は完成されてますし、パンチのキレや避ける動作にとても見応えがあり、プロのライセンスまで取っちゃってるので本格的にこういうアクション路線に舵を切ってきたなという印象です。獣のような目つきで対戦相手を捕らえにいくのがこれまたカッコいいです。
佐藤浩一さんのザ・師匠な風格が本当たまらないです。パンチのキレも健在ですし、時に厳しく、時に優しくを貫く姿が渋かったです。
片岡鶴太郎さんの気のいい爺ちゃんぷりも見応えありです。ギスギスした空気を分断し柔らかな雰囲気にして、対立が起きると宥める側に回る、この作品の良心と言っても過言じゃない存在だと思います。
橋本環奈さんは普段の役柄とは全然違う幸薄そうな表情に仕草、ここまでの顔を広げられるとは…恐れ入りました。どんどんこういう役が増えていけばいいなと思いました。
窪田正孝さんの強キャラ感も素晴らしかったです。もう少し登場頻度が多ければ深掘りできたのになとは思いましたが、チャラさと強さを同時採用していてそれでいてボクシングも達者ときたらもう文句の付け所なんて微塵もありません。
翔吾vs中西の対戦、これは激アツでした。真っ向勝負、小細工なしのぶつかり合いに観ているこちらも固く拳を握りしめていました。
仁一から学んだ攻めと守り、これまで戦ってきた相手との経験を活かした考えるボクシングと直感のボクシングをフル活用して挑む姿が絵になっていました。目を怪我して失明の危機がありながらも、その傷を増やしながらも勝負を止めない姿は心を打たれました。血を垂らし吐きながらも、お互い生きるために戦い続ける、「勝負」ってこれだよなと再確認することができました。防御を捨て、フルアタックで打ち込むシーンは鳥肌物です。
ただ、終盤はスローモーションでの打ち合いになってしまったので、そこまでの高ぶりがシュンと沈んでしまったのが残念でした。最後まで魂の殴打を続けて欲しかったんですがこればかりは仕方がないのかなと思いました。観客をマジマジと映さんでもいいのになと5分くらい思っていました。これは邦画の悪い癖です。
「春に散る」というタイトルの時点で、ある程度どのような終わり方になるかは予測できていましたが、桜の木に沿って倒れている仁一の姿と共にタイトルが出る流れは味があるなと思いました。その後に翔吾の半年後の姿が映されますが、ここは正直無くても良かったかなと思いました。未来へ繋ぐという演出だとは思うんですが、そこまで映さなくていいのにという気分になってしまいました。
地味に食事を大事にしているシーンが多く描写されていたのが好印象で、仁一特性のカレーがまず美味しそうですし、佳菜子の手作りのお弁当がとても美味しそうでしたし、食堂で出されるランチも美味しそうでしたし、ここの力の入れっぷりはプラス評価です。
熱を帯びた邦画を観れてとても良かったです。血で血を洗うボクシング、全員が命をかけて映画に向き合ってくれたからこそ今作が誕生したんだと思います。まだまだ邦画も強く進み続けてほしいです。
鑑賞日 8/30
鑑賞時間 12:30〜14:55
座席 J-28
23-103
ボクシングを諦めた男と
ボクシングに人生を賭けようとする男。
ボクシングも人生も不平等、
我慢して突き進む。
見てくれも人生観もバラバラだが、
全ての人が、
優しく
愛情に溢れ
心を動かされて行く。
良いドラマでした。
後悔しない生き方
ドラマとして良く言えばそつがない。人物像がしっかり描かれていて
納得はした。しかし決して悪くない代わりにドラマ部分は想定の範囲内
というか、正直言って感情を大きく揺さぶられることはなかった。
その代わりボクシング場面は心に訴えてくるものがあった。
一番の見所は役に真摯に取り組んだ横浜流星のボクサー姿。過去に
様々な役者がボクサーを演じてきたが、素人目にもそれっぽく見せて
いるだけ?と思う人もいた。その点彼は別格だった。
役作りでトレーニングするのは当然として、日本ボクシングコミッション
(JBC)のC級(4回戦)プロテストに合格したというのだからどれほど
本格的に役になりきろうとしていたかが分かる。
鍛え上げた肉体、切れのある動きもそうだし顔付きや話し方まで
そこにいるのは「ボクサー・黒木翔吾」だった。
一度は挫折しながらも広岡仁一と出会い、一から出直して世界
チャンピオンを目指す。街のチンピラ風から始まり、ボクサーとして
人として成長するに従って顔付きが変わり貫禄も出てくるところが良い。
対戦相手役の窪田正孝・坂東龍汰も良かった。そう言えばボクシングを
題材にした映画でトレーナー役でよく見かける顔がいるなと思ったら
松浦慎一郎という人で、出演すると同時に役者へのボクシング指導も
していたそうだ。この人の貢献も大きい。
登場人物それぞれが心に傷を負っていたり身内に先立たれたりしている。
自分自身の健康状態が危うい者もいる。しかしどんな境遇にあっても
必死になって頂点を目指したり、あるいは目指している誰かを支援する。
そんな前向きな人生を生きている人達はやっぱり輝いて見える。
世の中は不公平だから努力がすべて報われるとは限らないけれど、
目標を定めて着実に進んでいく人にはその人しか味わえない達成感や
充実感が待っている。この映画は黒木翔吾や周囲の人間関係を通して
後悔しない生き方というものを見せてくれた。
俳優・横浜流星自身が、「後悔しないように全力で生きる」とコメント
しているのも黒木翔吾の人物像と重なって共感できる。
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終映後場内が明るくなった時、原作本(ハードカバー)を表紙が見える
ように抱えた初老のおじさんがいて、周囲のお客さん(面識なし)に
「こんな面白い映画久しぶりに見た!」と言って同意を求めていたのが
微笑ましかった。そのおじさん、劇場スタッフにも同じことを
言っていた。原作ファンとして相当嬉しかったんだろうな。
骨太の見応えある映画
今年暫定2位かな。
2回は泣きました。
横浜流星が兎に角良かったです。
そこまで注目していた俳優さんでは無かったけれど、
見直しました。
嘘喰いのチャラい顔付きとは一変で、ヤサグレてるけど、優しくて芯が強い矢吹ジョー感満載。
私の方が心臓止まりそうでした。
心を掴まれて持っていかれる映画に高評価を付けがちですが、見終わって暫し放心でした。
役者さんや製作陣のエネルギーが詰まってます。
桜の花びらが印象的
賛否両論あると思うが、自分の限界を超えるまで頑張った人(仮にそれがボクシングではなくとも)は、充実した死を迎えられると思う 佐藤浩市の死顔は正にそうだったと思う 山口智子は年取ったけどいい味だしてた
僕の人生これでいいのか…不安になる
春に散り、また何度でも咲け
正直、ストーリーとしてはありがちで、テンプレといってもいい。
しかし、奥行きのある演技と熱量を感じる演出が、作品を非凡なものにしていた。
出演作を見るたびに、横浜流星が分からなくなる。
そのくらい、本作では身体も眼差しも、熱く真っ直ぐなボクサーそのものだった。
窪田正孝も、ジムに顔を出した際の去り際と、わずかな練習シーンで中西のイメージを一変させる。
舐めた態度は彼なりの鎧だったのだろう。
本作に出てくるボクサーは、翔吾と戦ったパパさん含めてみな必死である。
最後の試合も、お世辞にも綺麗ではなく、後半にいくにつれて泥試合となり、判定。
(判定は広岡と翔吾の過去に絡むのもあるけど)
そのあたりも人間臭くて、観ていて熱くなる要因でもある。
橋本環奈はいつになくメイクが薄く、新鮮だった上にキャラにも合っていた。
しかし、母は結局会場に行かないし、立ち位置的に必要だったかは疑問が残る。
むしろラストは彼女の支えなしで翔吾が独りで立っていた方が、より強い演出になったようにも思う。
哀川翔のキャラもあまり存在意義を感じなかった。
(どちらも演技はよかったんですよ)
逆に片岡鶴太郎は、佐藤浩市より数段元ボクサーっぽかったし、いい脇役だったと思う。
広岡家での疑似家族の形成など空白も多いが、演技の厚みでカバーされていて薄さを感じない。
試合の臨場感だけでなく、全体に熱量を感じる快作でした。
佐藤浩市と横浜流星、二人の演技だけで満点をつけられる
※ボクシングはミリしらの人が書いてます
※ドラマ含めて実写映像が苦手な人が書いてます(あまり実写事情を知らないです)
近所の終映まで何回か見ると思うのですが、あまり入りがよくなかったようなので、鑑賞を迷っていらっしゃるどなたかのお耳に届けば…という気持ちで理解が浅いながらも初見でレビューを記載します。
酔っ払ってるので誤字脱字あったらご容赦ください。後ほど気づけば直します。
【春に散る】は、「純粋である」ことの儚さと尊さを、極限まで追求した作品です。
予告編での役者さん達の演技が強く印象に残っており、公開を待ちわびていました。結果、期待を超える出来でした。
表題のとおり、満点としたいと思います。
<最初に>
格闘技苦手、ボクシングとか殴り合いでしょ…という方でも見れる方が多いのではと思います(自分がそうなので)。
出オチですが、試合でもさほど悲惨なシーンはありません。作品のテーマも格闘技じゃないです。
もし作品が気になっているのなら、むしろそこで止まってしまって見ないのはもったいないです。
<最大の見所>
なんといっても、主演二人の演技力に尽きます。
話は何も想定外は起きない感じですが、この作品では、ストーリーの意外性や複雑さはかえってノイズになると思います。
佐藤浩市も横浜流星も映画全編、どの場面も一分の隙なく、予告の高品質を貫き通していました。彼らから目が離せないです。
・物静かでインテリの雰囲気もあるビジネス成功者、なんでこの人が闘拳やってたねんていうトレーナー役の佐藤浩市
・貧しい中でも限りなくピュアでまっすぐな、護る拳のボクサー役の横浜流星
生老病死、自分ではなにひとつままならない中、この二人の「生」が交錯したごく限られた時間での、極限まで不純物を取り除かれた透明感がすごすぎました…青春時代ではよくあるテーマと思いますが、親子よりも年が離れた世代間でここまで峻烈に輝けるものなのか、と衝撃を受けました。
ただこれは、佐藤浩市と横浜流星「だから」表現できた世界観だと思っています。おそらく、演出も最大限彼らを活かすことに専念されたのではと拝察します。
オレの親父になってよ…、ひとつのプライドも気負いも虚飾もなく、共に過ごした何千何万の思いをただこの一言にのせて、まっすぐに佐藤浩市に乞える横浜流星の技量の凄さ。
対して佐藤浩市は、死期への悟りから、これ以上になく優しく、懇請を拒絶します。これ以上奪うものを相手から増やせないという心情が漏れ聞こえてくるような、巧い演技です。
演出やカメラワークは完璧に二人を生かした構成になっており、非常に美しい場面でした。
この場面を見るだけでも、二千円を払う価値があります。
自分ではなにひとつままならない、というのはメインキャストも共通していて、メインキャスト陣も非常に好きでした。
かつての栄光から落ちぶれた元ボクサーの鶴太郎さんと哀川翔さん、親の介護で人生を台無しにしてきた環奈ちゃん、みんな、弱い糸のように諦念のなかを漂いながら、それでも優しくまっすぐ、自分にとっての大切ななにかを守るために強く生きるさまを好演されていて、心から幸せを願いたいキャラクターたちでした。
<ただ残念…>
否定的なことなのでちょっと言葉を濁しますが、「あしたのジョー」では葉子さん役に当たる方は好きになれなかったです…役のせいか役者さんのせいか明文化が難しいのですが、他のかたの配役でみたかったという感想は正直強く、周りがレベル高すぎてだいぶ差があったように思います。予告編でも唯一違和感があったちゃそう。
まあでもメインキャスト中ではあまり重要ではない役だったので、ここは我慢内の範疇としました。
<最後に>
桜が、本作のテーマになっています。
どれほど忙しなく生活していたとしても、来年もまた満開の桜を見たい…本作を見て、そう思いました。
春の嵐が、花をすべて散らしてしまう前に。
熱い試合だった
本当のボクシングを観戦している気分になった。見終わってすぐ、また見たい!と思った。
スローの打ち合いは映画だからあって当然なんだけど、自分的には最後まで本当の試合のように見たかった。あと、佐藤浩市さんが番宣で元気でなんだか安心した。
ストーリーがベタでいいです
キャスティングも最高です。
ベタなボクシング映画が好きです。
横浜はボクサー役やって欲しいなあと前に書いた記憶があります。実現して嬉しいです。
居酒屋からのヤンキーに絡まれるスタートがもう最高です。
ただ最後スローモーションの演出と撮影はどうなんだろう。私は興ざめしました。惜しいです。
おじさん構文の様な映画
その昔、ボクシング映画にハズレなし‼︎が合言葉だった。
邦画から足が遠のき映画館で観る機会が減っていたが、YouTubeに流れるCMを見て合言葉宜しく一人でレイトショーに。
久しぶりの映画館での邦画、それもボクシング映画。
往年の名俳優の演技、そして時代が経ったことを感じさせるそれぞれの顔。世代交代をした主役達。
あぁ自分も歳とったなぁと思うと、出て来る登場人物のキャラ構成もどっか懐かしい。
安定感のある名優達の演技がこの物語を支えている。
しかしその物語。
現代風にアレンジされてるが、それがおじさん構文みたいに色々とズレている。端折り具合も連ドラの1話を見逃したくらい端折る。
あと橋本環奈な…これ一番さむかったかな。ここは無名どころで塩顔な子が良かったな。流星と並ぶと絵面が一気にシラけるんよ。温度と合ってないというか。
題材はすごくいいから、監督はファーストラブの寒竹ゆりで連ドラにすれば良かったかもしれない。世代間ギャップをうまく繋いでくれただろうし、ノスタルジーと昭和の価値観の描き方は彼女の得意なとこだろう。
もしくはコーチ編、出会いと初戦編、最終戦編 の3部作の和製クリードにしても良かったかもしれない。
まぁここまでグチグチ言ったが、高評価なのは何となく理解出来る。わかりやすく誰も悪者もいなし、おじさんが若者に向けた無粋なエールだからかもしれない。
横浜流星、いいっす!
ボクシングをテーマにした映画は、
どうしても既視感のある物語に
なりがちだ。
数々の名作があるから、どこかで
観た場面が出てくるのはしょうがない。
でもこの映画は、長年ボクシングと関わってきた
沢木耕太郎の原作だけあって、一味違う。
佐藤浩市を始めとする、三人のおっさん、
片岡鶴太郎、哀川翔をコーチ役にしたのも、
新味を加えた。
そして何しろ、主演二人、佐藤浩市はもちろんだが、
横浜流星がいい!
どうしようもない現実を、拳ひとつで変えようとする
若者の焦燥、苛立ちが、がんがん伝わってくる
面構えと肉体だ。
対する窪田正孝も、さすがプロのライセンスを取った
だけあって、殴り合う場面はとてもリアル。
片岡鶴太郎の芝居も初めて、いいと思った。
’
ボクシング、やっぱり、映画に向いてるなぁ。
自由になれ! そのために練習しろ。でも立ち向かえ!
広岡が死んだ会長の言葉として「自由になれ、そのために練習しろ、そのために考えろ」というのは、ボクサーは色々な動機に後押しされてそこに至っているが、練習によりある境地に達し、自分の動機となっていた「しがらみ」から自由になれるという事だろう。それは、ボクシングに限らないのかもしれない。
黒木(横浜流星)も中西とのタイトルマッチで、右目をやられ見えなくなっている中でも、タオルなんか投げるなよと言い、今最高に面白い、新しい世界が見えることを言っている。すなわち徹底した練習の中で、単に母を守るという動機を超え、試合の中で新しい境地に至り「自由」になったのだろう。
広岡(佐藤浩一)は、自分の死んだ会長が好まなかった「打たれても向かってゆく、騙されても立ち上がる」、そういうボクシングがロスの日系人を励ましたという自分を拾ってくれたホテルのオーナーの言葉を今さらながら思い出し、会長が言っていた、「頭の良さだけで、打たれず打つ、倒されず倒す」というボクシングではダメだということに気づく。まさにそのスタイルのボクシングが、黒木に敗れた世界まであと一歩だった大塚のボクシングであり、大塚のジムの会長(山口智子)は、「うちは考えるボクシングなの」とスタイルが違うと黒木が所属することを断った。
しかし、大塚を負かした「打たれても向かってゆく、倒されても倒す」という黒木のスタイルに、最後の中西との世界一をかけたタイトルマッチでは、黒木を否定した大塚のジムの会長(山口智子)も黒木を応援するようになっていたのである。その姿勢には、人の心を動かす、励ますものがあったと彼女も黒木の戦いが終わって広岡に言っている。
こうしたスタイルは、生きる姿勢に繋がると感じた。
時に不公平な判定で負ける事だって人生にはある。広岡(佐藤浩一)はそれでボクシングを止めてしまった。でも、そんなことがあったとしても、立ち上がる、打たれても立ち上がる。若き黒木の姿勢に過去の自分ダブらせ、自分の人生を振り返り、そんな姿勢が人の共感を呼ぶオーラになり、人を励ましうる力にもなるのだと広岡も気づき、失明の危機がある黒木と最後まで挑戦した。そして、勝った。
「春に散る」とは、そうして倒れても立ち上がり続けて春を迎え、また次のステージへと再挑戦するリスタートでもある。広岡はもう心臓の心配をする事なく、黒木の「春」を見届けて人生を散らした。黒木も、ボクシングを通じた挑戦で春を迎えながらも、失明し別の人生へ「再再出発」をすることになる。
黒木は、死んで見えなくなっても広岡に「走れ」と発破をかけられながら、一回り成長した彼は、自転車にぶつかりそうになって、自転車に乗っていたオヤジからクレームを言われても、怒らず詫びてやり過ごす。これも、打たれても立ち上がった新たな姿の象徴だ。彼は次の春を目指してゆくのだろう。
☆
この映画は、広岡や彼の仲間も通して、年配の男の生き方を考えさせるという意味でも、私に刺激を与えて、残りの人生をどう生きるかを考えさせてくれた作品で、記憶に残る作品になった。
来年の桜が観れるだろうか‼️❓いや、悔いなく生きれるだろうか‼️❓
この映画はとても原作を🎞省略しています。
だから、この映画を観るためには、行間を鑑賞者が埋める必要があります。
例えば、ガソリンスタンドのエピソード、唐突ですよね、でも、このボクサーの生きる根源です、母親を守るためにボクサーになる、暴力男からボクサーアイテムを返してもらう、それでも、無謀だけど、不器用な象徴でもありますボクシング自体判定は理不尽です。
映画には演技が必要ですが、演技を超えるものがあれば、我々の魂を揺さぶります。
例えば、トムクルーズですが、日本にも稀有ですが例があります、チアダンでは演技の数十倍訓練してました。
この映画で、横浜流星や窪田正孝は演技の数十倍トレーニングしています、それはただ肉体だけでなく精神のぶつかり合いです。
こんな命懸けの映画に出逢えることは🎞凄い幸運です。
ありがとうございました😊😭これからも生きる糧になりました、最後のシーンで、私も走ることにしました、本当に良い映画でした🎬🎟
アスリートのセカンドマンキャリア
深読みかもしれません。
でも作中所々感じたのは、アスリートのセカンドキャリアについての課題意識。
佐藤浩一が好きで、そこに横浜流星が出るんだから、当たり前観るでしょっていう感覚くらいで観ました。
予想以上に良かったです。
ボクサー経験者なのかな?役者さん、半端なくリアルです。
チャンピオン役の窪田正孝は、怪演!すごい
そして橋本環奈ちゃん…こんな役もこなせるんですね。
必見です!
散るほど燃える!そして咲く!
居酒屋で騒ぐ若者、それを軽く懲らしめる男。それを目撃した若者。教えを乞うも断られる。課題をクリア、その熱い思いに打たれて師弟関係が築かれていく。目新しさは無いが、逆に非常に分かりやすい。
キャラクターも立っている。キャスティングが良くて、俳優自身の存在感とキャラクター性が上手く噛み合って分かりやすさ度に加算がされている。
片岡鶴太郎が良い立ち位置にいて、登場人物達の関係性や動きを上手く誘導していて便利そうだった。鍛えられた身体にも説得力が出ていて良かった。当初の役柄は酒に溺れていたはずだが。笑
他の登場人物達もそれぞれに役割があり、無駄がない。
ボクシングのシーンも迫力があって良かった。違和感が無いレベルで試合として見ることができた。試合前は高圧的、若しくは余裕綽々な表情をとっていても
リングの上では正に死闘。醜くても、なりふり構わず己を曝け出して、相手に向かっていく。
天才性を発揮しているような実力者も裏では血の滲むの努力を絶え間なく繰り返しているからこそ、その立場にいるのだ。というのがしっかりと描かれていて学びになる。
気になった点
横浜流星がそこまで熱狂的に生きる理由に対する背景が薄い。母親は問題はあるかもしれないが、普通に働いているし、親子の関係も良好である。
ボクシングについても多少過去の試合の説明はあったが、描写が無いため未練や熱意などの原動力を感じ取れない。
なので佐藤浩市に拒絶された後に食い下がって熱弁するシーンでも、何か頑張って言ってるな。程度にしか熱が伝わってこない。
最後の試合も、死力を尽くしながらも、本当にただ試合をしているだけである。お互いに何かを背負ったものがあったり、応援してくれる人の声があったり、負けられない理由があったり、そういうのが入ってこないので正直(興味が薄い方の)どちらが勝っても良い試合だった。
師弟関係に亀裂が入りそうで入らない。挫折しそうで挫折しない。映画全体を通してとても順調に、順風満帆に成功していく。
家庭持ちとの一戦、横浜流星は相手の妻と子の応援が目に入り、攻勢を弱めてしまう。それを見た佐藤浩一は辞めちまえ。と一喝する。
クライマックスの一戦前、目の状態から出場と棄権意見が分かれて激しく喧嘩など、一時的な亀裂が入る。ここらへんでドラマ性が生まれそうになるのだが、すぐに仲直りしてしまう。
試合が頓挫しかけた警察沙汰の件も土下座で即解決する。
ボクシングも結局主人公は一回も負けない。初っ端のジムでの大塚(坂東龍汰)とのスパーリングで出鼻を挫かれるのかと思えば、ダウンさせてしまう。ここで主人公の才能を示したんだろうが、最後の圧倒的な実力差があるとされている中西(窪田正孝)も怒涛の攻防の末、こちらも勝ってしまう。春に散る、って勝っちゃうんかい。と思ってしまった。
当初の佐藤浩市の「不公平なんていくらでもあるぞ」という言葉は一体なんだったんだろうか。
最初にも書いたがストーリー展開が王道すぎる。
・綺麗なジムに入会するかと思えば、そこのホープを倒し入会を断られる。
・仕方なく知り合いの小さいジムを拠点とする。
・ヒロインは最初ボクシングに対して恐怖を感じるが、主人公優勢になったら見方が変わる。
・礼儀を知らない天才ボクサー。
・居酒屋で応援にヒートアップする客達。
・ラストシーン、最初のテストを思い出して会話?をしてしまう。
原作は読んでいないけれど、いかにもザ・ボクシングストーリーという描写が多く、見ていて特に驚きがなかった。
他
主人公(佐藤浩市)が、ボクシングに見出した答えが以前の恩師である会長の言葉、ではなく、それを「それだけじゃダメなんだ」と否定し、思想を越えたのは良かった。
俳優陣がそれぞれ演技が上手い。佐藤浩市の佇まいは正に実力派ボクサーの過去を持つ静かな威圧感と挫折した経験、ホテル勤で得た謙虚さが姿勢や歩き方で感じ取れるたし、横浜流星も夢を追いかける熱血主人公!というキャラクターがとても合っていた。橋本環奈は目が大きくてビジュアルが妖精のようで、登場シーンの幸の薄さは少しホラー感があったが、役柄が新鮮で良かった。
また窪田正孝がとても良かった。飄々としたキャラクターと表情。でもそれだけじゃない、その中にある熱とか、鍛え抜かれた身体とか素晴らしいと思った。
春、現役を退いた男は蕾とも言える青年と出会い、その青年の夢をサポートし共に昇っていく。冬の時期を乗り越えてそしてまた春、青年は夢を実現させて満開に咲いた。
それを見届けて男は桜と共に散る。青年もまた身体に深刻なダメージを受ける。恐らく男の死を知って精神的にもダメージを受けただろう。だけどまた、青年は再スタートを切り芽吹く。また花を咲かすために、走りだす。
ということか。
期待通りの良作
2023年劇場鑑賞202本目。
ボクシング映画にハズレ無しだと思っているのですが、今作も例にもれず最高でした。
佐藤浩市の大ファンというのもありますが、窪田正孝も好きで、主役じゃないのかぁと思いましたがなんかムカつくチャンピオン役をさすがの感じで演じていたのでこれはこれでよし。「初恋」でもプロボクサーを演じて二回目ということで、身体はボクサーっぽい筋肉になっていましたね、横浜流星もそうでしたが。
本当の元プロボクサーの片岡鶴太郎もいい味出してましたね〜。
タイトルで大体最後の展開は予想できるのですが、その後も物語は続いて、最後のセリフで涙腺が崩壊してエンドロールになっても涙が止まらなかったのは山崎努の「長いお別れ」以来でしたね。いい映画でした。
今を精一杯生きる
原作未読で、ボクシング映画も格別好みではないが、評価の高さに惹かれて鑑賞。大変感動した。
ボクサーとして鳴らし、渡米したが、不公平な判定に納得できず引退した広岡仁一(佐藤浩市)。ホテル業に転身して成功するが、心臓疾患が判明して事業を譲渡し、帰国してかつてのボクシング仲間と一緒に静かに余生を送りたいと望む。
一方、母子家庭に育ち、母親(坂井真紀)を守りたい一心でボクシングを始めた黒木翔吾(横浜流星)。やはり不公平な判定に納得できず、半引退生活を送る。そんなとき、酒場で騒ぐ若者たちをたしなめた仁一が、逆恨みされて襲われるものの、これを簡単にノックアウトするのを目撃して、弟子入りを志願する――といったストーリー。
試合に勝ち続けてタイトル戦をつかみ取る翔吾だが、直前に網膜剥離の症状が判明。仁一は試合の辞退を説得するが、「今しかないんだ!」という翔吾に押し切られてしまう。たぶん仁一自身、翔吾の雄姿をその目に収める最後のチャンスだと悟ったのだろう。「今を精一杯生きる」というのが本作のテーマだと思う。
流星さんはプロ・ボクサーとしてまったく違和感のない鍛え上げた肉体とキレを見せてくれた。窪田正孝さんも自分のなかでは線の細いイメージがあったが、本作でふてぶてしいチャンプ・中西利夫を見事に演じている。予算に限りのある邦画でも脚本次第で十分に勝負できると感じさせてくれる作品。
ただ、平日とはいえ観客が自分を含めて4~5人だったのは気になる。
横浜流星、スパーリングの時はネックレス外そうよ
不公平な判定で負け、日本を離れ、アメリカでホテルマンとして成功を収め、40年ぶりに帰国した元ボクサーの広岡仁一と、同じく不公平な判定負けでやけになってたボクサーの黒木翔吾が、居酒屋で出会った。騒ぎを起こした3人組に絡まれた仁一は3人を倒したあと、将吾も仲間だと思い、強烈なパンチを浴びせてしまった。仁一に人生初のダウンを奪われた翔吾は、配達のバイトをしながら彼を探し、やっと見つけ、ボクシングを教えてほしいと頼んだ。最初は断わってたが、かつてのボクシング仲間の佐瀬と次郎から河川敷ダッシュのテストをやらされ、それをきっかけに仁一は将吾にボクシングを教えることになった。仁一は翔吾に激しいトレーニングを課し、ボクシングを一から叩き込んでいった。翔吾はその後東洋太平洋チャンピオンとの戦いを制し、世界チャンピオン・中西との世界戦が決まった。さてどうなる、という話。
横浜流星も窪田正孝もさすがの迫力でボクシングシーンは素晴らしかった。観てて熱くなった。
佐藤浩市はもちろん味があったし、片岡鶴太郎も元ボクサーらしく形が決まってた。
山口智子は久々に観たが、相変わらず綺麗だった。
春に散る、って何だろう、って観てたが、なるほどね、だった。
ひとつ気になったのは、翔吾が2Rのスパーリングした時ネックレスを付けたままだった事。金属のものは危ないから外した方が良いと思った。
それ以外はほんと素晴らしく、感動した良い作品だった。
これをやらずに生きても仕方ないって言えること
通常の人間が観られない景色を観ることができた人、自分が果たせなかった夢を継いでくれる人を見つけた人、自分を守るためにボクシングを始めたと言ってもらえる人、大切な人と出会い再出発を一緒に迎えられた人、いろんな勇気をもらえた人、…。何だかんだ言っても幸せな人たちが集まる作品でした。
そして、散ってしまう前が大事なんだと気付きながら生きている人たちでした。
ボクシングの試合風景の見映えに救われたかな、試合結果が出来過ぎかな、とも思いましたが、人との出会い、つながりの大切さを感じることができました。
ジムにあった「人生に消しゴムはない」て言葉が気になりましたが、消しゴムはなくても誰かが補正してくれて赤ペンではなまるくれるときもあるんですよね。
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