「王道」春に散る キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
王道
横浜流星がまずはすごい。
プロテストまで受けたと聞いていたので、それなりの仕上がりなんだろうとは思っていたが、ボディメイクとボクシング技術。背を丸めてビシビシと打ち出される拳のキレ。ボクシングに明るくない私が見ても「すごい」としか言いようがない。
身体作りだけでなく演技や表情も良くて、近年の若手二枚目俳優としては群を抜いていると感じている。
お話としては、比較的「王道」といった感じ。ただ、リングの上での勝負を過剰に演出せず、「ここで戦う二人から、リングの外の人々が受け取るもの」を感じさせるつくりになっている。
ラストのタイトルマッチも「ロッキー」的な音楽によるエネルギッシュな畳み掛けはほぼない。
そういうドラマ構成。
佐藤浩市は最近枯れた演技が多いけど、味があっていい。
鶴太郎もすごくいい。
窪田正孝もすごくいい。
ハシカンさんはいつも通り。
哀川翔って、個人的には「下手」だと思うんだけど、世の中的にはそうでもないのかな。
私の趣味としては、人間ドラマはもう少しドロドロしたところ、下品だったり意地悪だったりした部分があって欲しいので、ちょっと物足りない感じ。
ストーリーにももう少し分かりやすいメリハリがあるとよかったな。
コメントする