「小説と違った良さあり、また小説も映画と違った良さあり!」春に散る シェンシェン大佐さんの映画レビュー(感想・評価)
小説と違った良さあり、また小説も映画と違った良さあり!
この映画、予告を見て絶対観たいと思い小説を読んで予習しておきました。しかし、その必要はなく映画は迫力のあるボクシングシーンからして所謂ボクシング映画としての割合が大きいですが非常に楽しめました。どちらが勝つか分かっていた自分としては知らなかった方が良かったかもしれません。
小説の方は単なるボクシング物だけではなく主人公はあくまでも広岡仁一であり、人生の後半の生きざまを彼を含めた昔の仲間と一緒に若いボクサーを育てる事でどうしていくのか?に焦点をあてています。
映画は2時間ちょっとの映画の尺の制限の中上手くまとめ上げたのではないでしょうか
映画を見てからまた小説を読み返したいと思いました。
※注意、ここから小説ネタバレ
ただ上下二巻の小説から二時間ちょっとの映画にするにあたり大分小説とは違う所があります。まず、小説の上巻はほとんど省略されています。三羽烏として広岡を含め三人の仲間が出てきますが小説ではもう一人星という仲間がいます。哀川翔の藤原は大塚側のセコンドになりますが小説では黒木側で黒木のトレーナーを積極的にやっています。黒木は4人のトレーナーの得意技を習得していくのです。橋本環奈は広岡の姪ではなく広岡の買った家の不動産屋の事務員で予知能力があります。山の子ジムは小説にはなく黒木は大塚と同じ真拳ジム所属です。最後の世界戦を戦うのは中西ではなく外国人選手です。黒木の母親は小説では出てきません。他にも沢山違いがあります。
小説ではボクシングシーンの描写もよく伝わりとても映画同様面白いですが四人の老いたトレーナーや佳菜子(橋本環奈役)らとのほのぼのしたやりとりを楽しめたり主人公らの人生哲学みたいなのも考えさせられます。
原作と映画の内容がかなり違いますがそれがダメだとは思いませんでした。それぞれがそれぞれの良さがあると思います。気になった方は是非小説も読んでみてはいかがでしょうか。
コメントありがとうございます。
やはり映画を制作する以上は興行収入も考えないといけないですし、若い黒木を双璧の主役として物語を構成しないといけないのでしょうね
小説に従いおじいさん4人の話で前半半分を使うのは無理があります。