「命の結晶をきらめかせながら散る」春に散る bionさんの映画レビュー(感想・評価)
命の結晶をきらめかせながら散る
完全燃焼ができるなら、片目がなくなってもいい、片腕がなくなってもいい、命が尽きてもいい。
側から見れば、自分勝手とも言える美学かもしれない。それでも、彼らが体をボロボロにしながら、光り輝く瞬間を目の当たりにすると、えも言えぬ感情が湧き上がってくるし、それを究極の美学として感じてしまう。
チャンピオン防衛戦にちょうどいいかませ犬が2人いる。かませ犬同士の勝者とチャンピオンが戦うというストーリーは、ありきたりでもあるが、体を徹底的に仕上げた俳優同士が、実戦としか思えないファイトを繰り広げる。
肉を打つ音、ボディブローを食らって歪む顔。ものすごい熱量がスクリーンから伝わってくるために、フィクションということは、すっかり忘れてしまう。
クライマックスの防衛戦は、まさに死闘。輝く代償に、何かが失われる。それがわかっていても、決着を見届けたい。どちらが勝っても物語としては成立するし、ドローであっても成立する。
命の結晶をきらめかせながら散る。男のロマンそのものでございました。
コメントする
トミーさんのコメント
2023年8月28日
共感ありがとうございます。
二人は完全燃焼、満足なんでしょう。流星くんが勤めに出られるようになったのは運が良かっただけと考えると、周囲は気が気じゃなかったでしょうね・・