「こだわりを感じた」春に散る みささんの映画レビュー(感想・評価)
こだわりを感じた
互いに納得のいかない判定負けで一度はボクシングを捨てた、かつての名ボクサーと若手ボクサーの成長を中心に物語は進む。主人公二人を含め、たくさんのドラマを盛り込むためか、敢えて細かいドラマや人間関係は語らない、描いていないので物語はテンポ良く進む。オープンでレモン酎ハイらしき安酒を飲んでうらぶれていた横浜流星がどんどん精悍になっていく姿や、アメリカの試合中継の🏅インタビューで真摯に答えていた窪田正孝、「ラッキーパンチ」と訳されていた事で思うところあったのか、帰国した時には人を小馬鹿にしたようなキャラになってたりとか、橋本環奈と父親、哀川翔と飲み屋のママとそれぞれのドラマがぎゅっと織り込まれており描かれていない背景を想像させられた。
最後の試合シーンは圧巻でボクシングに興味がない私が息をするのを忘れ、祈るように両手を胸の前で指先が白くなるほど握りしめていた。
二人の戦いのシーン、どうやって撮影したのか?と思うくらいリアルでした。
母親が「息子が殴られるのを見たくない」と会場に行かなかったり、居酒屋でお客さんがだんだん立ち上がり小さなテレビの周りに集まって歓声を上げたり。
緊迫感ある試合シーンと共に観客の描き方が上手くて私の気持ちもどんどん引き込まれなんでかわからないけど涙がポロポロ出てきた。
一生懸命や人と、それを応援する純粋な気持ちが心の琴線を刺激した模様。
オープニングの佐藤浩一の肩に落ちたひとひらの桜の花びら。
そして、ラストに降り注ぐ桜の花びらの対比がまた、印象的で佐藤浩一の余生の過ごし方に対する気持ちを表してるのかなと思いました。
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