「アウトローほど時に感情を突き刺す」君に幸あれよ たいよーさん。さんの映画レビュー(感想・評価)
アウトローほど時に感情を突き刺す
テーマとフレームを上手く捉えながら、凄く重厚なドラマになっていたと思う。78分の見やすさもあって、密度の高い映画体験をした。
闇金の回収に勤しむ主人公というアウトローな設定をフックに、変わった弟分によって人間味が滲んでいく。ギャップを一見感じるような設定だが、義理人情で繋がれた世界を上手く引き合いに出しながら、感情をほぐれていく様を丁寧に描いている。バイオレンスな雰囲気には落ちきっておらず、人間関係を軸に展開するので、芯の強さも感じられる。
小橋川建さんは初めましてだったが、ヤンチャな感じがすごく似合う。高橋雄祐さんとのバディ感が次第に馴染む感覚も良かった。強いて言うなら、いい映画止まりだったのかなとも思う。
ラストまで救いがあって良かった。実に邦画的で優しい作品だったと思う。
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