「中世英国の雁字搦めな女性の一生にお転婆娘が唾を吐く!! 奔放な少女が隣人の幸せを慮る時、少女が大人に、世界が平和に近付く...」少女バーディ 大人への階段 O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)さんの映画レビュー(感想・評価)
中世英国の雁字搦めな女性の一生にお転婆娘が唾を吐く!! 奔放な少女が隣人の幸せを慮る時、少女が大人に、世界が平和に近付く...
鑑賞前はお転婆娘がビターな現実を目の当たりにして色々と"諦める"ことで大人になる展開を想像しており、実際そういう側面も有りましたが、コメディー基調の物語の中に"変人扱いをされつつも世の規範・常識に抗い続けることで周囲の無思考・無批判な人々に気付きと自由意思を与える"という古風ながらも普遍的なテーマが息づいており、しばしの猶予期間の内に幕を閉じるラストは中途半端ながらもそれだけに余韻に満ちています。
作中でも触れられたように次の縁談までの猶予期間のようなものにすぎないのが現実ではありますが、親子のみならず住民たちとも心を触れ合わせた彼らですから、村や一族の事情のみならず結婚する彼女自身の意思も尊重されたでしょうし、そのことがその後何世紀も掛けてようやく果たされた遍く人々の自由恋愛・自由結婚への大きな一歩となったと信じたいところです。
おそらくは歴史の流れの中で夥しい数の女性が自分を納得させた"自己犠牲"の精神の必要性は相応に認めつつも、そこに留まらず"それでも"とメッセージを進めた演出と展開はなんとも現代的だと感服した次第です。
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マサシさんのコメント
2022年10月25日
共感します。現代劇を700年前に置き換えて、女性に対する閉塞感を和らげた表現をしていますね。1年くらい前に『最後の決闘裁判』って言う映画見ましたが、この映画はリスベクトしている様に感じました。