「凄惨な戦場にて」西部戦線異状なし しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
凄惨な戦場にて
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第77回英国アカデミー賞作品賞受賞作。
Netflixで鑑賞(Netflixオリジナル映画・吹替)
原作は未読、1930年版は鑑賞済みです。
ドイツ文学である原作が、ドイツ語で改めて映画化されたことに意義を感じました。初めてドイツ映画を観ましたが(ネットフリックスの資金力のお陰かは分からないけれど)、ハリウッド映画と遜色無い迫力と迫真の演出に心奪われました。
愛国教育によって自ら兵士に志願した若者たちが戦場の過酷な現実を知り、心も体も蝕まれていく…。旧作でも描かれていた要素はそのままに、原作にも旧作にも無い停戦協定のシーンが挿入されたことで、戦場の兵士と戦場から遠く離れた場所にいるお偉いさんとの待遇の違いが明確に描写されていて、戦場の過酷さがより際立つ構成になっているのが巧みでした。
旧作でも印象的だった、砲弾穴で鉢合わせして刺し殺した敵兵もまた人間であったと主人公が衝撃を受けるシーンは、より生々しくなっていて、胸が痛みました。
さらに驚いたのは、結末が大きく変わっていたこと。旧作のラストシーンも悲劇的でしたが、変更したことで一層戦争の悲惨さが浮き彫りになった様に感じました。
戦争が齎す悲劇を冷徹に描き、反戦のメッセージを突きつける本作は、戦争が起きている今こそ観るべき作品でした。
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しゅうへいさんのコメント
2023年3月7日
コメントありがとうございます。
一度ご覧になられては如何でしょうか?確かに観ていて辛くなるかもしれませんが、本作との違いは興味深いですし、おすすめ致します。