ラ・ハウリアのレビュー・感想・評価
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息が詰まるような閉塞と肌にまとわりつくようなじっとりした湿気が封じ込められたかのような映像が圧倒的な作品
コロンビアのとある村の少年エリウが主人公。彼は兄貴分のモノと一緒に殺人を犯して遺体を山中に隠すがその遺体は見つからない。逮捕されたエリウは森の中にある更生施設に送られるがそこは武装した男達に監視されて肉体労働や怪しげなセラピーが強制される施設だった。エリウは黙々と作業に従事するがそんなある日別の施設に収容されていたモノが移送されてきたことから施設内の空気が一変する。
カルト宗教施設のような禍々しい空気が充満した環境は一見統制が取れているかのように見えるが、その少年達と刑務官達の胸の内には怒りと絶望がぐつぐつと煮えたぎっていて、ボス猿のような存在のモノが群れに放り込まれたことでギリギリ保たれていた均衡が崩れていく様には絶望的な悲壮が漂います。終幕にかすかな希望が宿ってはいますが、息が詰まるような閉塞と肌にまとわりつくようなじっとりした湿気が封じ込められたかのような映像が圧倒的な作品でした。
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負の連鎖
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劣悪な環境で育った犯罪を犯した少年たちの更生施設
塀ではなく自然に囲まれた施設で、一見物分かりの良い暴力ではなく己の精神を鍛えて悪の黒い思考から抜け出すように説く指導員
彼もまた暴力の負の連鎖から抜け出せずにいた
主人公はそんな施設とも何も変わらない弟や仲間たちとも負の連鎖を断ち切るように決別をする
閉塞感からのラストの希望が見える終わり方がとても良かった
好き嫌いが分かれそうだけど、私はとても好きな作品だった
東京国際映画祭であと2回上映があるので是非
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