「独裁者達が異世界をブラブラしているのを眺めるヘンテコだけど荘厳なディープフェイクアニメ」独裁者たちのとき よねさんの映画レビュー(感想・評価)
独裁者達が異世界をブラブラしているのを眺めるヘンテコだけど荘厳なディープフェイクアニメ
ということで映画祭28作目はこちらのロシア映画、アレクサンドル・ソクーロフ監督の『フェアリーテイル』。ロシアの巨匠として名前は知ってはいたものの作品を見るのは初めてです。
崩れかけた廃墟が立ち並ぶ灰色の世界でイエス・キリスト、ナポレオン、ムッソリーニ、スターリン、チャーチルそしてヒトラーが含蓄があるようなないような会話を交わす様をボーッと眺める作品。
一応アニメーション作品ということになるのでしょうか、ディープフェイクで再現された独裁者達がその辺をブラブラうろついている映像は結構なレベルでシュール、お互いをやんわり批判し合ったりする目糞鼻糞な感じとかに何となく笑える感じはありますけど、彼らが日々を過ごしている世界の荘厳さがそれらを全部帳消しにします。巨大な地獄絵図と対峙しているかのような78分間はうたた寝で見た悪夢から醒めた時のような重い余韻を伴います。
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