フェイブルマンズのレビュー・感想・評価
全387件中、161~180件目を表示
イン・マイ・メモリー
映画監督の自伝的作品が続いているが、遂にこの監督が!
スティーヴン・スピルバーグ。
関心の程は『ROMA/ローマ』『ベルファスト』の比ではないだろう。
如何にして“映画監督スピルバーグ”は誕生したのか。どうやったら“映画監督スピルバーグ”になれるのか。
映画監督を目指す若者たちはこれを見れば、君も未来のスピルバーグ!
…に容易くなれる訳ない。
映画監督として成功出来るのは星の数の中からほんの一握り…なんて現実的な話ではなく、
本作は確かにスピルバーグが自身の少年時代をモデルにしているが、あくまでモデルであって、何もかもそのままという訳ではない。主人公の少年の名は“スティーヴン”ではなく“サミー”。性も“スピルバーグ”ではなく“フェイブルマン”。
大部分は生い立ちに沿っているようだが、これはスピルバーグの“記憶”の物語。
誰だって自分の幼少時の頃をはっきりとは覚えていまい。忘れていたり、朧気に覚えていたり…。
でも、何かしらに影響受けたり、いつぞやのあの時とか、人生を長いフィルムに例えるなら全てでなくともあるワンシーンワンシーンを鮮明に覚えていたり、記憶に残っている事がある。
それを反映させ、スピルバーグは自身の記憶の中に、我々を誘ってくれる。
また本作は、“映画監督スピルバーグ”が誕生する前の話。
映画ファンなら一度は耳にした事ある筈。ユニバーサル・スタジオに勝手に自分のオフィスを作って忍び込んでいたとか、『刑事コロンボ』などのTVドラマの演出をしていたとか。そしてあの“サメ映画”で時代の寵児に…など、それらのエピソードは描かれない。ここを見たかった人には期待外れで、『フェイブルマンズ2』を作って欲しいくらいだろう。
でも私は、本作の話にこそ興味惹かれた。すなわち、
映画に虜になった瞬間。
影響計り知れない家族との記憶。
スピルバーグの本当の原点の原点。
冒頭シーンが秀逸。ばっちり心掴まれる。
両親に連れられ、初めて映画を観る。
まだ6歳。ちょっとおっかながっている。
でも、いざ観たら…。初めて観た映画は、『地上最大のショウ』。
サミー(スピルバーグ)少年にとっては、映画。あなたが人生で好きになったものは何ですか…?
私の場合はやはり映画。初めて観た映画は確か、ゴジラ(『vsビオランテ』)かドラえもん(『アニマル惑星』)。映画好きのきっかけになったのは、ゴジラ。観ながらそんな事を思い出した。
サミーは父に買って貰った模型の列車で劇中の事故シーンを再現。母に買って貰った8㎜カメラでそのシーンを映し出す。
私はカメラを回したりはしなかったが、(またまた怪獣で申し訳ないが)怪獣のソフビ人形で対決シーンなんかを再現したもんだ。
それだけに留まらず、妹たちを出演させてカメラを回し続ける。
旅行や家族の転機時(引っ越しなど)もカメラを手離さず、ティーンになってからは友達らと映画撮影。
私はそこまでには至らなかったが、さすがは未来のスーパー監督。この行動力、実践力。
きっかけと目覚め、再現、自分もやり始める…。
誰しもそんな思い出はきっとある筈。サミーの姿に自分を重ね合わせられる。
それだけ聞くとノスタルジックでハートフルな作品と思う。
勿論そうでありつつ、ほろ苦さも。
本作は家族のドラマと言っていい。
フェイブルマン一家。サミー、母ミッツィ、父バート、3人の妹。
仲良しで幸せな家族である。個性も強い。特に母。
ピアニストで芸術家肌。自由奔放おおらかな性格で、感情表現も豊か。
一方の父は電気技師で技術者。真面目な性格。
息子の映画への目覚めに対し、反応は別。母は尊重するが、父はあくまで道楽としか思っていない。
仕事人間の父の転職で引っ越しを繰り返す。
好きだった地もあれば、嫌いな地も。カリフォルニアの高校ではユダヤ人であるが故にいじめに…。
差別や自身のルーツ、思春期のモヤモヤもさることながら、特に悩ましたのは家族の関係。
家族と父の同僚で親友ベニーとキャンプ旅行へ。ベニーとはほぼ家族のような付き合いで“おじさん”も同然。
楽しいバケーションを過ごし、サミーはカメラにその模様を収める。家に帰り編集している時…、ある事に気付く。
それは見たくなかった。信じたくなかった。でも…。
カメラは時としてショッキングな瞬間をも映し出してしまう。
サミーが見てしまったのは…、母とベニーの親密な関係。
母はベニーを愛しているのか…? 父と母は愛し合っていないのか…?
サミーの心に家族へ対しての疑念や凝り、わだかまりが燻り続ける。家族を愛しているからこそ、それは尚更。
やがて恐れていた事態。両親の離婚。
スピルバーグの両親の離婚は知ってる人は知っているだろう。母に育てられ、母子家庭の影響はスピルバーグの初期作品でよく見掛けられる。
と同時に、“父の不在”もスピルバーグの初期作品でよく見掛けられた。
スピルバーグの実父は家族を捨てて家を出たとされていたが、後年誤解であった事が分かり、和解。いつの頃からかスピルバーグの作品で父親の存在が大きくなった印象を受けた事があった。
スピルバーグの両親はすでに他界。居なくなって初めて気付き、知る事だってある。だから、今こそ描ける。
過去と両親への向き合い。
スピルバーグのプライベートとパーソナルな部分をまじまじと。
いつしか、これはスピルバーグの記憶だけではない。私たち自身を見ているとさえ感じ始めた。
2時間半超えのヒューマンドラマ。
それでも飽きさせない作りは、さすがはスピルバーグ。
8㎜カメラで撮影した映画。スピルバーグが少年時代から映画を撮影していたのは有名で、劇中の作品はそれらの“セルフリメイク”。
あの戦争映画(『地獄への脱出』)なんかは後々の『プライベート・ライアン』の片鱗も。
他にも後の作品を彷彿させる箇所や要素も所々に。
スピルバーグの分身とでも言うべきサミーを演じたガブリエル・ラベル。
自分の好きなものへ一心不乱に夢中になる姿、ティーン故の葛藤、複雑な心の機微…それらを見事に体現。
母ミシェル・ウィリアムズの存在感。スピルバーグ自身や作品に於いて如何に母親の存在が大きかったか充分納得させるほど。だから、悔やまれる。オスカーで主演女優ではなく助演女優でノミネートされていたら…。この実力派女優が遂にオスカーに王手を掛けていたかもしれない。(主演で推した配給会社のバカバカバカ!)
ポール・ダノも絶品の名演。好調続くこの演技派に、また一つ代表作が。オスカーノミネート落選は残念。と言うか、嘘でしょ??
代わりにノミネートされたのは、伯父役のジャド・ハーシュ。42年ぶりのノミネートは天晴れだが、噂に聞いた通り出番は少なく、勿論インパクト残すが、正直ダノがノミネートされて欲しかったかな…。
本作の演技賞ノミネートに関してはちと納得いかない点もあるが、名アンサンブルなのは紛れもない。
常連スタッフもスピルバーグの物語を強力フォロー。
音楽のジョン・ウィリアムズは今夏の『インディ・ジョーンズ』最新作で映画音楽からの引退を表明。(その後撤回したとも言われているが…)
もしそうなら、スピルバーグとのタッグは本作がラスト。長年のタッグで数々の名作と名曲を生んできた二人のフィナーレが、盟友の自伝的作品というのが感慨深い。
美しい音楽で彩る。
好きなものが自分を悩ます事もある。
サミーもそう。家族の秘密を目撃してしまい、少しの間カメラを回さなくなったのもそれが原因だろう。
でも、自分は何が好きか。何が取り柄か。何を手にしていたか。
やはり、映画だ。
またカメラを手に取る。回し始める。
映画の持つ力は本当に魔法だ。
サミーは好奇心は旺盛だが、何処にでもいる普通の少年。
そんな彼がカメラを手にした事により、家族や周囲の輪の中へ。
高校生活でもそう。いじめられていたが、あるイベントでカメラを回し、その上映会で皆を沸かせる。
いじめっことの関係に変化も。
映画は人々に影響を与え、世界を変える。
それは何も理想事ではなかった。自身の実体験からの現実事。
映画は夢であり、リアル。
だからこそ我々は映画に魅せられる。映画が好きで好きで堪らない。
母親のモットーとでも言うべき言葉。
“全ての出来事には意味がある”
ラストに登場するあの映画監督(演デヴィッド・リンチ!)。彼から掛けられた格言。
“地平線は真ん中にあるとつまらない”
スピルバーグが歩んできた光と陰はこうして集約した。
格言は人それぞれ解釈出来るだろう。構図や人生哲学にも通じる。
真ん中は平坦で退屈。上や下は山あり谷あり。酸いも甘いもあって映画=人生は面白い画になる。
史上最高の映画監督から頂いた言葉に、少年は思わず「ヒャッホー!」。
地平線を“上”に、新たな史上最高の映画監督の歩みはここに始まったのだ。
そして今へ続く。
カメラはありのままを写すが、映画は嘘をつく。
巨匠スピルバーグの自伝的映画と聞いて、結構身構えて観た訳だが、家族のドラマをメインに、同時に「映画」というものの本質をサラリと示して来る辺り、自伝映画にありがちな自己満足に陥る事なく、スピルバーグの映画への偏愛をしかと作品に投影させた秀作に仕上がっている。
カメラはそこにあるものをありのままを写してしまう。それを都合の良いものに変えてしまうことが出来るのが映画という芸術形態であり、それを母親の浮気で思い知る事になるその残酷さ。映画とは究極の印象操作であり、夢や素晴らしい可能性を見せる事も出来るし、不都合な事実を隠して嘘をつくことも出来る。その恐さを知ってもなお映画を作る決心をするラストが晴々としているのは、この青年が後に映画史に残る映像の魔術師となって、我々にたくさんの夢を届けてくれるのを知っているからだ。ジョン・フォードとの邂逅を経てのラストカットはニヤリとさせられる。
奔放に生きる母親をキュートで魅力的に演じたミシェル・ウィリアムズがなんとも素敵だし、優しい父親役を寂寥感を滲ませて演じるポール・ダノも印象的。若きスピルバーグを彷彿とさせるガブリエル・ラベルが思春期の心の揺れを巧みに表現し、この作品に説得力を持たせた演技も忘れがたい。
映画という光と影の魔力に取り憑かれた男の、今回もまた木目の細かい仕事ぶりが発揮された見事な作品。
「スピルバーグの自伝的作品」という看板が重荷になっていたかな
偶然なのか必然なのか分かりませんが、今年は映画史とか映画人に関する映画が続々と公開されています。1月には数々の映画音楽を手掛けた映画音楽作曲家であるエンニオ・モリコーネの業績をドキュメンタリーで描いた「モリコーネ」が、2月には1920年代、サイレント映画で隆盛を極めていたハリウッドをモチーフにした「バビロン」が、それぞれ日本で封切られました。そして今月は、映画界最大のヒットメーカーであるスティーブン・スピルバーグ監督の自伝的作品である、本作「フェイブルマンズ」が公開されました。映画好きとして、前2作と同様に内容に興味があると当時に、本年度のアカデミー賞候補ということもあって、取るものも取りあえず観に行きました。
まずスピルバーグの自伝ということでしたが、実際に本作で描かれているのは、彼が小学生時代から大学を中退して本格的にプロとして映画界に参入するまでの期間であり、名作の名場面がいくつも観られた「モリコーネ」のように、「E.T.」や「シンドラーのリスト」と言った、スピルバーグが製作した作品については全く触れられていませんでした。さらに、スピルバーグ本人の役どころとなるサミー・フェイブルマン少年が、実は主人公の立ち位置ではなかったということも、中々に衝撃でした。現に本作は、今年度アカデミー賞の7部門でノミネートされていますが、その内訳はと言えば、作品賞、監督賞のほか、サミーの母親役を演じたミシェル・ウィリアムズが主演女優賞、ボリス叔父さん役を演じたジャド・ハーシュが助演男優賞でノミネートとされている訳で、サミー(スピルバーグ)は主役じゃないのです。エンドロールでも、ミシェル・ウィリアムズがトップに出て来てましたからね。
確かに本作のストーリーも、サミー少年がいかにして映画に興味を持ち、どういう少年時代を送り、アマチュア時代にどんな映画を撮ったのかという一般的な意味での「自伝」の部分は、サイドストーリーに過ぎませんでした。メインテーマは、あくまで母と子の葛藤であり、母の身の振り方であり、サミーから見た母の心情の変化だったのであり、映画そのものを真正面から題材にした「モリコーネ」や「バビロン」とは、かなり性格を異にする作品でした。
その結果、若干肩透かしを食らった感もありましたが、映画界の巨人・スピルバーグの自伝としてではなく、母と子の物語として観れば、それなりに面白かったとは思います。ユダヤ系に対する差別が描かれている点などは、恐らくは現代のアメリカ社会にも通じる社会問題でしょうし、両親の離婚が子供に与える影響ということも、家族をテーマとする話として永遠のテーマでしょうし、何よりも母と子の葛藤や愛情物語というのも、これまた永遠に語られるべき話。こうした要素を考えると、「スピルバーグの自伝的作品」という看板が、むしろ本作の重荷になっているような気すらしたところです。
そんな訳で、「スピルバーグの自伝的作品」という看板がなければ評価は★4と言いたいところなのですが、あまりに重い看板であり、こちらの期待が別の部分にも行ってしまっていたということもあったので、評価は★3としたいと思います。
3.8) スピルバーグと出会い直す。
その幸福感に満ちた傑作だ。
ノスタルジー性を脇に追いやり、気が付けば映画という芸術の持つ「怖さ」が前面に顔を出す。
それでもorだからこそ自分は映画が好きなんだと改めて思う。
私の映画館デビューは父に連れられて観た『未知との遭遇』@新宿プラザ劇場。
少年には難しい内容だったが、私の映画原体験として強烈なインパクトを残した。
本作の冒頭シーンともオーバーラップする、そんな「スピルバーグっ子」の自分だが、正直ここ数年の作品をそれほど好きになれず、本作も期待と不安半々で鑑賞。『プライベートライアン』以来の大傑作じゃないか。
誰しもが持つ、子供時代の秘めておきたい部分。
それを美化することなく(映画として美しく撮りはするが)自己開示する度量の大きさにまずは敬意。そしてその開示は、たんにノスタルジーのためなどではなく「映画の本質」を観客と共有するため。という実に高次元な芸当をやってみせていることに驚嘆した。
映画は真実をばらし、嘘もつける。
少年サミーが最後にそこに気付くというのが、本作の根幹だった。
この気づきに辿り着くまで、彼の類まれなる才能が故に苦労を背負い込んでしまう。
憎きいじめっ子すら、本能的に美しく「撮ってしまう」皮肉。
そしてクローゼットの中で、サミーの母親が独りで観た作品も、ため息が出る程に美しかったに違いない(彼女の表情からそれが分る)。母の頭にこびり付くその残像があの悲しい決断の決定打になってしまったのかもしれない(だとすればなんという皮肉だろう)。
自分の宿命に気付いたサミーの表情が、少年から大人のそれへと変わる。
『E.T.』のラストシーンでエリオットが見せた凛々しさと同じだ。
そして「神からの祝福」を受けた、あのエピローグの何と素晴らしいこと!
あの後姿は70才を越えてなお前を向く巨匠そのものだった。
スピルバーグの過去作を見直そう。
きっと新たな発見があるはずだ。
もちろん新作が今から待ち遠しい。
映画監督って、やっぱ色々犠牲した上にあるイメージ
ざっくり言うと、サミーの映画監督までの道のりの序章
初めて見た映画に惹かれ、映画を撮ることに取り憑かれていく。家族は家族で少し不穏な感じが、次第に増えていく、、、。
様々な出会いや、想い、出来事が映画監督への道を形造っている。
実際の内容なのかな?そこら辺あんま調べてないので分からないが、リアルで少し辛い気持ちにかなりなる。
人生は選択の連続。映画監督って偏見だけど辛い現実とぶち当たる人ほどいい作品を作ると思う。
作品としてはいいと思う。
エブエブより断然こっちに軍配
永遠の映画少年。
はい。良く私のやんちゃレビューを覗きに来て頂きました。ありがとうございます。
ちょっとしくじりました。スピルバーグの映画は大体観てるんです、面白そうなエピソードは「ウエスト サイド ストーリー」のレビューで語ってしまいました。いやね、そん時はこんな自伝的な映画を作るとは思わなかったもん。
EP1
スピルバーグの大作も好きなんですが、オムニバスも好きなんですよ。例えばですね・・
「世にも奇妙なアメージングストーリー」
スピルバーグは製作総指揮。
父親がミイラになっちゃう話が面白くってね。原題はマミーダディ。わかりますよね。マミーに母とミイラと掛けています。ところが邦題は・・・
パパはミイラ。
韻踏んでねえ‼️
EP2
リバイバルでETを観に行ったんですよ。10年前くらい前かな。今は無き松竹セントラルに。後ろのJKがうるさくてね。黙れこら!とか思ったんですね。なんかお母さんに無理矢理連れてこられた感じです。そして映画は終盤。後ろから鼻をすする音。
ちらっと見るとJKは嗚咽してる。
名作は時代を超えます。
EP3
2年前の年末に柴又に行きました。鰻を食べにね。寅さんのロケ地の有名店。ところがなんと年始に備えて休み。仕方がないんで駅の近くの寿司屋に行きました、あんまりやる気のない感じです。
テレビでは懐かしい映画。「ジョーズ」
後半です。うん、面白いなあ。その時女将さんが一言・・・
うちの大将、「男はつらいよ」に出た事が有るんですよ。
えーーーまじっすか! 早く言ってよ!
一作目のエキストラだったんだって。以上柴又の寿司屋でほっこりした話しでした。
締めるなよ‼️
はい。枕終了。
この映画って自伝的作品と言われてます。のちのスピルバーグの映画に通じる描写が沢山有るんですね。
例えば列車の衝突。8ミリ映画の偏愛。プロムのドキドキ感。言いづらいんですがユダヤ人への偏見。種族の違う生き物への愛情。一人親のせつなさ。映画音楽の重要性。
なんの映画かは言いませんが、わかりますよね?
全部抱きしめて、スピルバーグは成立しました。
この映画はスピルバーグのphillosophy(哲学)なんですよ。
何回も繰り返される、シーエンク。家族や同級生に自分の撮った映像を観せます。様々なリアクション。やった!笑った!びっくりさせた!怖がらせた!それが後のスピルバーグを動かすエネルギー。
映画は観客に届けて成立する。
簡単に言っちゃうと娯楽映画ですよ。でもそれこそが一番大事。個性とか芸術性とか作家性とかうるせえよ!
前も同じ事言ったんですが・・・
スピルバーグと同じ時代に生を受けて良かった。
スピルバーグは永遠の映画少年‼️
お付き合い頂きありがとうございました。
Life with Film
映画監督として幼少期から映画がとても好きなことが、伝わってくる作品でした☺️✨
幼少期に映画に魅せられて、プレゼントのカメラを活用して自分が映画を撮影する側になる描写がとても好きでした。
家族に焦点が当てられていましたが、もう少し人生においての人々の出会いについて描写があった方が良いかなと思いしました。
さすがスティーブンスピルバーグ
まず最初に伝えたいのはこの映画は自伝でありドラマのカテゴリーに入るということ。この前提を分かった上で鑑賞してほしい。スピルバーグ監督作品だからと言ってジュラシックパークやインディジョーンズみたいな面白さを期待しないで欲しい。
その上で以下評価。
・悪い点
台詞で具体的に気持ちを述べるシーンがあまりにも少ないため、表情や雰囲気で気持ちをこちらが汲み取る必要がある。そのため、感受性が劣っていると「なんだかよくわからなかったな」という感想だけが残ってしまうだろう。悪い点として述べているが、どちらかと言うと観る人を選ぶということを伝えたい。感情が理解できればこの映画は何倍にも解釈が広がる作品となるだろう。
また、楽しむために必要な前提知識が少し必要になるところも挙げておきたい。時代設定が古いため、作中に登場する作品や監督名があまり知らない人も多いと思う。そのため、「あっ、この監督は…」というような熱いシーンも理解できないことで少しつまらないと感じてしまうシーンも多いだろう。
・良い点
さすがスピルバーグ監督と言いたいくらい序盤のテンポが良い。幼少期をダラダラとやると確実に寝る人が出てくるので、こういったテンポの良さは他の映画も見習いたいところ。これは長年ヒット作を生み出してきたが故のノウハウが光っている。
ストーリーのネタバレになるが、父親が母親の浮気に気付いていることが序中盤の父親のなんとも言えない哀愁漂う表情から汲み取ることができる。観てる側なんか違和感を感じることができるのはこの俳優の演技が素晴らしいためであることは言うまでもない。俳優の名前はポール・ダノというのだが実は昨年に公開されたザバットマンのリドラー役としても出演している。ここで深く語るのはやめておくが、ザバットマンでの演技もとても素晴らしいので気になった人は是非鑑賞してみても良いだろう。
まだ、この映画の良さを語り足りていないが、これは間違いなくスピルバーグ監督の作品であり、今年観るべき作品のひとつであることは間違いない。
また、観たいので星5。
意外性のある展開
ファン向け
スピルバーグの自伝…という作品でなかったら、おそらく最後まで観ていられなかった。
それでも、対照的な夫婦の元で映画の沼にハマっていく若き日のスピルバーグ少年を眺めている中盤までは楽しかった。
おばあちゃんが亡くなる時、お父さんは心電図を眺め、お母さんは身体を抱きしめ、主人公は脈打つ皮膚を観察してた。
なんて象徴的な描写なんでしょう。
障がいがあること、身体が小さいこと、ユダヤ人であることなど、おそらく当時の社会では、特に年頃の子供にとって辛いことが多かったであろうことは想像に難くない。
それでも彼は「世界で最も成功した映画監督」になれたワケで、好きなコトを続けるってやっぱり大事よね。
ただ、映画そのものはあんまり…。
最終的に「主人公がスピルバーグだということ」が私にとって物語に集中させる最大の要素になっていた。
後半、プロムで起こるあれこれも何だかピンと来なかったし。
少し前に公開されている「パビロン」と繋がってる部分もあるけど、何しろ出てくる映画も監督の名前も古いので、かなりの映画好きでスピルバーグファンならもっと楽しめたのかな。
私はスピルバーグ作品は好きだけど、この映画が「ジョージ・ルーカスの自伝」だと言われても、「…それはそうかもな」と思っていただろうし。
おそらく有名なエピソードもあるんだろうけど、後の作品につながる様な「いかにもスピルバーグ」って要素も無くて残念。
追伸
観た後、配信で「宇宙戦争」観てたら、序盤で一瞬、主人公が最初にショックを受けたあの鉄道のシーンがTVに映った。
多分、詳しい人はこういうのも楽しいんだろうな。
物語的にも映像的にも、スピルバーグの集大成と言える一作
サミー・フェイブルマン(ガブリエル・ラベル)という架空の人物が主人公であるものの、もちろんモデルは本作の監督、スティーブン・スピルバーグご本人。
「フェイブルマン”ズ”」という題名どおり、本作はフェイブルマン一家全員の物語としての色彩が濃く、とりわけ母親の存在感が際立っています。また両親の職業をはじめとして、本作でエピソードとして差し挟まれる挿話の中に、かなり実話的な要素が含まれているとのこと。その中には家族関係の「陰」の部分も含まれるため、スピルバーグがこれまで作品化できなかったことも納得いきます。そしてこれを語らずしてキャリアを終えることができない、という言葉の重みも。
本作はスピルバーグの映画人生の集大成であることはもちろん、映像的にも、彼が構築した映像世界を凝縮したような作りとなっています。特に本作では、(キューブリック直伝の?)プラクティカル・ライティングという、その場の光源を意図的に画面内に写し込む技法を多用しており、その美しさは歴代作品の中でも際立っています。これは多くのスピルバーグ作品の撮影を手がけてきたヤヌス・カミンスキーの手腕も大きく、この度のアカデミー賞において、撮影賞にノミネートされていないことが不思議なほどです。
スピルバーグが師匠の教えをどれだけ大切に思ってくるかが伝わってくるラストは、ユーモアに満ちていて実に素晴らしいです。これだけキャリアを積み重ねてもなお、ストーリーテラーとしても映像作家としても進化を続けているスピルバーグに、ひたすら驚かされる映像体験でした。
全体的に退屈だけどラストは良し。
スピルバーグ家の為に作られた名作
スピルバーグの少年時代を描いた自伝作。
巨匠が自身の大切な思い出を映画にした、とあって
全編通して丁寧に描かれており
本作が上質な映画であることは間違いない。
これまで「シンドラーのリスト」をはじめ
さまざまな後世に残すべき実話を
映像化して送り出してきたスピルバーグ。
これは果たして映画にするほどの“実話”だったのか。
スピルバーグの父親は2020年に亡くなったと言う。
劇中でも祖母が亡くなり
悲しむ母のために映画を作るシーンが描かれているが
これはスピルバーグがスピルバーグ家のために作った
作品なのではないかと思った。
要するに個人的なのだ。
何となくスピルバーグの自伝作という付加価値が
映画そのものの価値となっている印象さえ受けた。
もちろん映画ファンとしての観点からすると
後のスピルバーグ作品への影響を妄想しながら
鑑賞する楽しさは充分に味わえたのだが。
あんまり…
昨今の差別系の要素もなく凄い良い映画だった 泣く箇所で泣くように笑...
地平線はどこにある?
「小僧、地平線はどこにある?」
9回裏2アウトからのサヨナラホームランです、ええ。
殊勲賞はデヴィッド・リンチです。
そうですか…スピルバーグにとって「映画史上最高の監督」はあの人なんですね…
終わり良ければ全て良しなのですが、途中は少し伸び悩んだ印象。そうなった要因をいくつか書き留めておく
①てんこ盛りの内容:あまりに内容を詰めすぎてひとつひとつがダイジェストになっている。よって感情移入がなかなかしづらい。
②アメリカナイズされた生活:アメリカのライフスタイルが一般的ではない日本人の僕からすると、ハイスクールライフやアメリカの庶民感覚が今ひとつピンと来ない。更に言えば宗教の重みもよく分からない。背景が共有されないとキツい。
③僕自身が根暗:基本僕陰キャなので、「おサボり日」とか「プロム」とか眩し過ぎて辛かったです。誰かプロムで「ジョニー・B.グッド」を歌ってメチャクチャにしてくれよ...
それはともかく、子供の発想は本当に天才的。初期のホームビデオで使われた工夫がどれも目から鱗。
「好きこそ物の上手なれ」といったところでしょうか?
でも、全部持って行ったのはデヴィッド・リンチ。彼は何故「こちらこそ」と言ったのだろうか?そのことばかりが脳裡をよぎって仕方ない。
丁寧な映画
役者さんたちの演技がみんなすごく丁寧でよかった。
このお母さんなにかのトラウマか、子どもっぽいというか承認欲求なのかアダルトチルドレンなのか、ちょっとおかしいなと思わせる演技が素晴らしい。案の定浮気して、子どもにバレることでお母さんも少しずつ大人になっていった気がする。
サミィが一人で抱え込んで、はち切れてお母さんに暴露して、それでも誰にも言わないよと優しくお母さんを支えてあげるところは号泣しました。
映画を撮る過酷さとかスピルバーグのこととかぜんぜん知らないけど、すごく丁寧でおもしろい映画でした。
全387件中、161~180件目を表示