フェイブルマンズのレビュー・感想・評価
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地平線
フィルムが映し出すものの表裏
自伝かー、スピルバーグかー、であんまり見る気がありませんでした。でもみなさんのレビューを読んだり色々考えて、「自伝」でなくて記憶を参考にしたフィクション映画なんだ!スピルバーグって誰どすか?と思えたら急に見る気が出てきたので見ました。面白かったです。沢山笑えて少し泣けた。
ママのミシェル・ウィリアムズが最初から最後まで素晴らしかった。衣装もヘアメイクもセリフも。自ずとからだが動いてダンスする姿、悲しかったり欠落感を感じて何もしたくない気分の彼女、割と雑な料理の仕方と盛り付け、完璧で優しい夫への愛、自分を完全に解放できないジレンマ、サティを弾く彼女、自分をリラックスさせて笑わせてくれる人が好きな彼女。全部に共感できた気がする。なぜテーブルクロスも皿も紙で、カトラリーはプラスチックなんだろう?と思ったけれど、食事終わったらぜーんぶ紙クロスで包んで捨てちゃえば食器洗いしなくてすむね!ピアニストだから手はとても大事です。当時はもう食洗機はあったと思うけど。真っ赤なマニキュア塗った長い爪でピアノ弾くのはないよなあ、と思ったら親友ベニーがまず物言い。その通りだ!奔放で笑うことが好きで自分の気持ちをすぐに言葉にしてしまうところも好き。
ポール・ダノはこの役のために少し太ったのかな?完璧に理系の優秀な技術者、子ども達の父親であり妻を疑いなく心から愛している夫を素晴らしく演じていた。ポール、いい!
サミーも可愛かったなあ。チェックのボタンダウン・シャツ見て思わずスピルバーグが脳裏に浮かんでしまったよ~!大人なのにこの人はずっとチェックのボタンダウンにキャップなんだな、と昔思ったから。
スピルバーグの映画で私が好きなのは、「カラー・パープル」「ターミナル」「ミュンヘン」です。
良かった! 特にラスト5分の名シーンは鳥肌もの!!
スティーブン・スピルバーグ監督の幼少期から映画監督を目指すまでを描いた味わい深いドラマ
昔から映画雑誌などで語られてきた、スピルバーグ監督の辛かった家庭事情とピーターパン症候群、ユダヤ系として経験してきたいじめの実態を背景にしていながらも作品自体は暗くならず、爽やかでエネルギッシュ、最後はとても前向きな気分になれる後味がいい作品、"このストーリーを語らずにキャリアを終えることはできない"として撮った監督の想いがひしひしと伝わってくる味わい深い名作として完成されています
映画に詳しくなくても多くの人がスピルバーグ監督の代表作 「ジョーズ」「未知との遭遇」「インディ・ジョーンズ シリーズ」「E.T.」「ジュラシック・パーク シリーズ」といった映画史上に燦然と輝く名だたる作品群を知っていて、SFファンタジー/アドベンチャー色が強いため、そっち方面の監督と思われているかもしれませんが、本人としては人間ドラマで大成したいと思ってきた人、
本作はその原点に迫ると共に人を描きたかった監督の愛情あふれる演出に感嘆します
監督を投影したサムを力強く演じたガブリエル・ラベルさん、苦悩する母親を演じたミシェル・ウィリアムズさん、二人の熱演が印象的
特にサムが8㎜カメラのファインダーを覗きこむ姿にワクワクしました
そして個人的に一番好きなシーン
スピルバーグ監督が本格的に映画監督を目指すきっかけとなったエピソードが描かれるラスト、サムが出会うのは当時既に大巨匠だった「駅馬車」「リバティ・バランスを射った男」「捜索者」などで有名なジョン・フォード監督、アイパッチに葉巻を燻らしものすごい剣幕でまくし立て、構図について二言三言、助言する僅か数分のシーンですが、その熱量の凄いこと・・・
全身鳥肌ものだったのと、身体中に力が入り、まさに"息をのむ"とはこのことだなと実感しました
そのフォード監督を演じたのは「ブルー・ベルベット」「デューン/砂の惑星(1984年)」のデヴィッド・リンチ監督、本編中は誰か分かりませんでしたがエンドクレジットで判りました
今は亡き超大物監督を現代の超大物が圧巻の演技で魅せる最高に粋な演出、間違いなくスピルバーグ監督の新たなる代表作として語り継がれることでしょう
個人的には本作の後、TVドラマ映画「激突!」で注目され「続・激突! カージャック」で劇場用長編映画監督デビューし続けて「ジョーズ」「未知との遭遇」・・・とヒット作を次々と世に送り出していく続編をいつか撮ってほしいとも思いました
おっ、今から面白くなりそうと思ったら
エブエブより断然こっちに軍配
永遠の映画少年。
はい。良く私のやんちゃレビューを覗きに来て頂きました。ありがとうございます。
ちょっとしくじりました。スピルバーグの映画は大体観てるんです、面白そうなエピソードは「ウエスト サイド ストーリー」のレビューで語ってしまいました。いやね、そん時はこんな自伝的な映画を作るとは思わなかったもん。
EP1
スピルバーグの大作も好きなんですが、オムニバスも好きなんですよ。例えばですね・・
「世にも奇妙なアメージングストーリー」
スピルバーグは製作総指揮。
父親がミイラになっちゃう話が面白くってね。原題はマミーダディ。わかりますよね。マミーに母とミイラと掛けています。ところが邦題は・・・
パパはミイラ。
韻踏んでねえ‼️
EP2
リバイバルでETを観に行ったんですよ。10年前くらい前かな。今は無き松竹セントラルに。後ろのJKがうるさくてね。黙れこら!とか思ったんですね。なんかお母さんに無理矢理連れてこられた感じです。そして映画は終盤。後ろから鼻をすする音。
ちらっと見るとJKは嗚咽してる。
名作は時代を超えます。
EP3
2年前の年末に柴又に行きました。鰻を食べにね。寅さんのロケ地の有名店。ところがなんと年始に備えて休み。仕方がないんで駅の近くの寿司屋に行きました、あんまりやる気のない感じです。
テレビでは懐かしい映画。「ジョーズ」
後半です。うん、面白いなあ。その時女将さんが一言・・・
うちの大将、「男はつらいよ」に出た事が有るんですよ。
えーーーまじっすか! 早く言ってよ!
一作目のエキストラだったんだって。以上柴又の寿司屋でほっこりした話しでした。
締めるなよ‼️
はい。枕終了。
この映画って自伝的作品と言われてます。のちのスピルバーグの映画に通じる描写が沢山有るんですね。
例えば列車の衝突。8ミリ映画の偏愛。プロムのドキドキ感。言いづらいんですがユダヤ人への偏見。種族の違う生き物への愛情。一人親のせつなさ。映画音楽の重要性。
なんの映画かは言いませんが、わかりますよね?
全部抱きしめて、スピルバーグは成立しました。
この映画はスピルバーグのphillosophy(哲学)なんですよ。
何回も繰り返される、シーエンク。家族や同級生に自分の撮った映像を観せます。様々なリアクション。やった!笑った!びっくりさせた!怖がらせた!それが後のスピルバーグを動かすエネルギー。
映画は観客に届けて成立する。
簡単に言っちゃうと娯楽映画ですよ。でもそれこそが一番大事。個性とか芸術性とか作家性とかうるせえよ!
前も同じ事言ったんですが・・・
スピルバーグと同じ時代に生を受けて良かった。
スピルバーグは永遠の映画少年‼️
お付き合い頂きありがとうございました。
Life with Film
映画監督として幼少期から映画がとても好きなことが、伝わってくる作品でした☺️✨
幼少期に映画に魅せられて、プレゼントのカメラを活用して自分が映画を撮影する側になる描写がとても好きでした。
家族に焦点が当てられていましたが、もう少し人生においての人々の出会いについて描写があった方が良いかなと思いしました。
意外性のある展開
昨今の差別系の要素もなく凄い良い映画だった 泣く箇所で泣くように笑...
地平線はどこにある?
「小僧、地平線はどこにある?」
9回裏2アウトからのサヨナラホームランです、ええ。
殊勲賞はデヴィッド・リンチです。
そうですか…スピルバーグにとって「映画史上最高の監督」はあの人なんですね…
終わり良ければ全て良しなのですが、途中は少し伸び悩んだ印象。そうなった要因をいくつか書き留めておく
①てんこ盛りの内容:あまりに内容を詰めすぎてひとつひとつがダイジェストになっている。よって感情移入がなかなかしづらい。
②アメリカナイズされた生活:アメリカのライフスタイルが一般的ではない日本人の僕からすると、ハイスクールライフやアメリカの庶民感覚が今ひとつピンと来ない。更に言えば宗教の重みもよく分からない。背景が共有されないとキツい。
③僕自身が根暗:基本僕陰キャなので、「おサボり日」とか「プロム」とか眩し過ぎて辛かったです。誰かプロムで「ジョニー・B.グッド」を歌ってメチャクチャにしてくれよ...
それはともかく、子供の発想は本当に天才的。初期のホームビデオで使われた工夫がどれも目から鱗。
「好きこそ物の上手なれ」といったところでしょうか?
でも、全部持って行ったのはデヴィッド・リンチ。彼は何故「こちらこそ」と言ったのだろうか?そのことばかりが脳裡をよぎって仕方ない。
晩年の黒澤みたい
さすがスピルバーグ
スピルバーグの自伝的作品。少年の頃からちょっとしたヒントで何倍にも面白く仕上げるのには恐れ入ったです。ポールダノやセスローゲンの演技はすごいよかった。決して人気スターではないけど上手くはまっていました。
どこまでが事実なのかしりませんが、ラストシーンがもしホントならものすごいことですよね。あれは興奮しますよ。
ジョンウイリアムズの音楽も効果的で近頃引退を撤回して嬉しい限り。
もうすぐアカデミー賞が発表されます。ここに来て超ダークホース作品があっという間に社会の風に乗り大本命になってしまった。
ゴールデングローブ賞で監督と作品の2冠に輝いているのだからどっちか取って欲しいけど無理かもしれませんね。
とても良い作品でした。
ありがとうスティーブン・スピルバーグ。
スピルバーグ監督の映画創りの原点を真摯に捉える
大好きなスピルバーグ監督の自伝的作品とのことだったので、夢、希望という言葉に溢れた作品を予想したが、真逆の作品だった。幼少期から脚光を浴びる直前の青年期までの彼と家族の姿を深く掘り下げてシリアスに描いた物語だった。苦悩、彷徨、絶望という言葉が想起される赤裸々でリアルな作品だった。こんな厳しい環境を乗り越えて、スピルバーグ監督は観客を楽しませる作品を創り出してきた。その原動力は何だったのか?を全編を通して表現している。
本作の主人公は、サミー・フェイブルマン(ガブリエル・ラベル)。彼は、幼少期に両親と始めて映画を観て以来、映画に夢中になり、母親(ミシェル・ウィリアムス)に8ミリカメラを贈られてからは、映画創りの虜になっていく。仲間、家族を集めたミニ上映会も好評で、彼の映画創りの才能は一気に開花していく。しかし、彼の映画創りを応援する母親に対し、父親(ポール・ダノ)は、趣味としか考えてくれない。さらに、父親のキャリアアップ転職で、アメリカ各地に移り住み、厳しく辛い学生生活に直面するが、彼の映画創りへの情熱は衰えることはなかった・・・。
主人公の映画創りへの情熱の高まりとは逆に、彼を取り巻く人的環境は悪化していく。両親の確執、離婚。ユダヤ教徒であるが故の差別、苛め、失恋。そんな心が折れそうな厳しい状況に苦悩しながらも、彼は、映画創りを捨てなかった。彼の映画に歓喜する人達の姿が彼の生きる証、糧だったからである。
ラスト。艱難辛苦の末に、漸く主人公はチャンスを掴み取る。そんな彼への巨匠監督の助言が印象的。彼へのエールになっている。吹っ切れた表情の主人公の姿に、これから彼が生み出していく、これまで観てきたスピルバーグ監督作品が走馬灯のように蘇ってきた。同時に自分の人生も蘇ってきて感慨深かった。映画は時代を映す鏡であることを実感できた。
本作は、スピルバーグ監督自身の映画創りの原点を真摯に捉えた作品である。
”The 映画“ って感じ
久しぶりの映画館での映画。アカデミー賞作品賞にもノミネートされてるので見てみた。
まず、最初に翻訳が”戸田奈津子”って書いててビックリした。前にテレビで戸田さんが、トップガンマーベリックで翻訳はしない的なことを言ってたから、マーベリックで終わりやと思ってたけど、トムクルーズの作品はもう翻訳しないってことやったのかなぁ??
スピルバーグがアリゾナに住んでる時に映画サークルみたいな感じでたくさんの友達と映画を撮影してるのが、とても本格的ですごいなぁと思った。現代はどの映像もとても高画質で美しいが、昔のような荒めのフィルムも味があってそれはそれで趣があって良いなぁと感じた。
作中にスピルバーグの母が父の友人ベニーのことを好きになって、不倫まではいかないがそのおかげで母がおかしくなっていったりするシーンが多かったから、映画を見ている間ずーっとなんだか心が締めつけられるというか、気まずいというか、モアモアするというか、少なくとも見ていて気持ちは良くなかった。
アメリカってユダヤ人系の人が結構多いイメージやったけど、作品の中ではユダヤ人であるスピルバーグが差別されたりいじめられたるとかされるんだなぁ。現代もそうゆうのが残ってるのだとしたら日本人もアメリカに行きづらいなぁと少し思った。
この作品はいかにもアカデミー賞とか取りそうな感じで、王道の”The 映画”という感じがして、久しぶりの映画館での映画がこの作品で良かったと思う。
苦痛と憎愛と地平線
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