フェイブルマンズのレビュー・感想・評価
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映画の虜になった主人公がプロになるまでの物語で、話運び自体は主人公...
映画の虜になった主人公がプロになるまでの物語で、話運び自体は主人公の少年期である50〜60年代にかけてをゆったりと沿うような作り
本作の時代考証も面白いところですが、映像は良くも悪くも強い影響を与える諸刃の剣というのが主題だと感じました
映画作りは、作る側の心をズタズタにする。その対価とは
スピルバーグの映画に対する思いがストレートに伝わってくる。
怖がりのサミー少年が、初めて見る映画は列車強盗があるアクション映画。列車と自動車が激突するシーンにショックを受けるが、そこはスピルバーグ少年、脳裏に焼き付いてしまう。列車の模型を走らせるだけでは飽きたらず、激突シーンを8ミリフィルムで撮ってしまう。
第1幕は、少年時代。第2幕は、父親の仕事の都合で引越したアリゾナ時代。ここでサミー少年は、映画制作の楽しみを存分に味わうことになる。
ところが、またもや父親のキャリアアップのためにカルフォルニアに移り住むことに。色々な事が起こる第3幕へと突入する。
温厚でエンジニアとして成功していく父、ピアニストとしても活動する芸術家肌の母親。その2人に加えて、父親の親友であり助手でもあるベニーが家族のイベントごとには必ず存在する。徐々に、ベニーに対して違和感を感じるようになるが、この辺の演出を映像だけで表現してしまうのが、さすがスピルバーグ。
映画作りは、作る側の心をズタズタにする。作中で何度かセリフとして出てくるが、その対価に何を得られるかは、言葉では語られない。
フェイブルマンが撮った映画を観て、笑いころげる顔、興奮する様子、内面を抉られたように反応する人間。そのリアクション全てが、サミーのさらなる映画への情熱の原動力になり、これが最高の報酬だと思う。
フォード監督が、サミーに与えたアドバイスには、唸ってしまう。たったあれだけのことだが、私には目からウロコでございました。
デミアン・○ゼルに煎じて飲ませたい Part2
2時間半があっという間!自伝映画ということで、宇宙戦争のようなスペクタクルは一切ないのですが、最初から最後まで全く目が離せなく、「もう終わっちゃった!(まだ観たい!!)」というのが映画終演直後の感想。
どこまでが事実でどこからが嘘なのかわからない。映画の嘘と真実がさりげなく語られるが、本作の中で主人公のサミーが母親へ語る終盤のシーンは、これは今のスピルバーグから母親へのメッセージのような気がして泣けた。
スピルバーグは幼少期から家族や友達を撮って映画やホームビデオにしていて、この映画自体も完全にそのスタイルに乗っ取っており、それを今のスピルバーグが映画にするというのがこれまた泣ける。
幼少期から現在のキャリアに至るまで全てやるのかと思ったら、ハリウッドに足を踏み入れるところまでで本当にスピルバーグの人生における序章も序章。そしてスピルバーグのインタビューなどで度々逸話として語られていたある伝説の監督との対面と彼に言われた衝撃的な言葉が満を持して実写化笑 (そしてこの監督を演じたのはあのお方!)
あのラストカットのチャーミングさったら!
だからスピルバーグが好きだ。
映画愛や映画好きを自称する監督であればあるほど、オレはこんな映画から引用するぜ!という映画偏差値の高さをひけらかすような描写が多く鼻に付くのだか、本作の余裕っぷりときたら!!さすが巨匠の余裕。
インディージョーンズの次回作で引退を仄めかしている91歳のジョン・ウィリアムズとは本作が最後の共演なのかな。
一年一本ペースで大作映画を作れる天才なので、仮に100歳まで生きるとしたらあと26本撮れる!笑
まだまだ終活なんて言わないで欲しい。
次回作はまだ未定とのことですが、楽しみに待ちたいと思っています。
愛おしいスピルバーグ少年
彼にとっての神は映画。
スピルバーグの半生を描いたとされる作品。
どんな衝撃を受け、どんな幼少期、青年期を経て監督になっていったのかが分かる。
偉大な映画監督がどのようにして生まれたのかが分かる。
彼の周りの人びとが、いつでも彼の行動を応援してくれていることが印象的だった。
そして、どんなに辛い状況になっても映画、映像はいつも変わらずにいてくれる。それが救いになっていること。そこに心を打たれた。
作中熱心なキリスト教徒が登場するが、彼にとっての救いの神は映画、映像なんだと感じさせてくれた。
生き方の参考にもなるし、子育ての参考にもなる、そして、人間の美しさを描いてくれた作品だった。
(逆転のトライアングルという人間の醜さを描いた映画を見たばかりだったのでなおさらそう感じさせてくれた。)
ちゃんとした青春映画だった!
ここ数年、映画絡みの映画が増えている気がする。「キネマの神様」「映画大好きポンポさん」「浜の朝日と嘘つきどもと」「サマーフィルムにのって」「エンドロールのつづき」「バビロン」「銀平町シネマブルース」等々。ほとんどが素晴らしい映画だ。そして満を持して登場したのがスピルバーグ大先生の自伝的映画の本作。正直あまり期待はしていなかった。自慢か説教か強い主張が入ってる気がして。
でも、そんな心配は無用だった。そんな先入観を持っていた自分を叱りたい。面白いじゃないか。昔ながらのフィルム撮影でどんな工夫をしたのかも面白かったけど、それよりも少年サムが家族や同級生との関係性の中でどんなことを感じ、どんな成長をしていくのかが面白かった。ちゃんとした青春映画なんだよな。
スピルバーグ先生は自分のことを自慢するわけでなく、ちゃんとイタかった自分をさらけ出している。女の子に舞い上がったり、同級生にいじめられたりするシーンもニヤニヤしながら楽しませてもらった。
そして最後。実はこれがこの映画に一番込めたかったことなのかも。あんなに短いシーンなのにとてつもなく印象に残ってしまった。あの後のサムのようになんか希望が湧いてくるんだから不思議。結構長い映画だったのに全く飽きることがなかった。スピルバーグ大先生健在だな。
夢を追う少年の苦悩と成長の物語
普遍的な家族の物語
スピルバーグが自伝的映画を作ったと聞いて、一体どんな映画になるのか、もしかしてあの作品やあの作品の裏話が見られるんだろうかと楽しみに、公開日初日に鑑賞。
結論から言うと、本作はスピルバーグのアバター、サミー少年が映画作家として歩きはじめるまでを描いた物語だった。幼少期両親と一緒に見た初めての映画に衝撃を受け、プレゼントの鉄道模型とミニカーでそのシーンを再現するところから、映画製作に夢中になったサミー。
最初は妹たちと、やがて友人たちと8㎜映画を作り続けながら、サミーは成長し、映画の娯楽性と残酷さの両方を知っていく――というストーリー。
スピルバーグの自伝というと、映画作りに物語がフォーカスされていると思ってしまうけど、本作はもっと普遍的な家族の物語なのできっと多くの人の心に刺さると思うし、ほぼ3時間と長尺な映画なのに、体感ではあっという間に終わってしまった。おススメ。
映画監督とは
笑いあり、涙ありの“スピルバーグができるまで”
もしスティーヴン・スピルバーグがいなかったら、1970年代以降のハリウッド映画はもちろん、世界の映画の歴史もずいぶんと違ったものになっただろう。この半世紀の映画史に多大な影響を与えたスピルバーグが、少年期に両親に連れられて行った劇場で初めて映画に出会って夢中になり、買ってもらった8ミリカメラで列車の模型や家族や同級生たちを撮影して作品に仕立て、ついには映像制作の仕事を手にするまでを、自身を投影したキャラクター“サミー・フェイブルマン”の話としてつづった自伝的映画だ。
大きなスクリーンで斬新な映像を目にしたときの興奮から、お気に入りのシーンを身近な物や人で模倣し再現する喜び、そして自らストーリーを考案しそれを映像化して皆を楽しませる達成感まで、映画体験の魅力と映画作りの面白さがたっぷり詰まっているのは言うまでもない。だが、才能と運に恵まれた主人公の単純なサクセスストーリーではなく、天才や秀才のそばにいながらも真の理解者にはなり得ない“普通の人”が抱く孤独や、ルックスや身体能力に優れた人気者が内に秘める葛藤など、一握りの成功者以外の人々、あるいはどんな人にもある心の弱い部分への目配せも忘れていない。原題が“The Fabelmans”となっている点にも注目。冠詞が付いた姓の複数形は家族を指す。そう、これはサミー少年だけの話ではなく、「フェイブルマン一家」の話でもあるのだ。
見所はたくさんあるが、ネタバレにならない範囲で終盤の撮影所でのシークエンスに触れたい。ここで登場する大御所監督のキャスティングがまずサプライズだが、彼が語る映画作りに関する金言が、ラストショットのカメラワークで茶目っ気たっぷりに伏線回収される。カメラの動きひとつでユーモアと余韻を残すなんて、やっぱりスピルバーグはすごい。
映画神スピルバーグだから為せる所業
試写会で拝見しました
映像を見ることの快楽、映像が暴く真実、映像が作り出す虚構
それぞれをスピルバーグが言葉ではなく映像によって、圧倒的な説得力を持って我々にこれでもかと叩きつける
彼が映画を語るためには、映画が全てである自身の人生を題材にするのが最も適切だったのだろう
自身の幼少期を無邪気に懐古することなく、映像によって映画を語りきり、最後は爽やかなユーモアで終わってみせるこの余裕
昨今は監督の自伝であったり、映画についての映画が増えているが、エンタメとしての自伝においても、映画論を語る映画においても、本作が頂点だと思う
人生の分岐点が細やかに描かれている
父の仕事の都合や母の精神の揺らぎで生活環境が左右されるさまが細やかに描かれている。
ピアニストの母が引く音楽の選曲のセンスがよくて聞き入ってしまった。
ユダヤ系の家計ということで行く先々でからかわれいじめられても強く生きていく主人公が最後にフォード監督の出会うシーンがとても印象的。
大きな盛り上がりのシーンはないかもしれないですが、2時間30分ほどの映画でも飽きずにみられました。
カメラは真実を映す。良くも悪くも。
カメラは真実を映す。
彼が回すカメラは色んな人の真実の姿が映っていて、それを観た本人にも周りにも色んな影響を及ぼしていく。
お母さんがピアニストなのはどこかで読んで知ってたけど、お父さんも天才なのは全然知らなかった。
超優秀な理系脳と芸術センスが混ざったら彼ができたのね!もうそれがわかっただけでも観た価値あったわ。
機材を巧みに操って、柔軟な発想で撮り方を工夫して、ピッタリの音楽をつける。
センスの塊みたいな子ども時代の作品。
なんかすごい納得。環境って大事だなあ。
最近観た映画監督の回顧録は『エンドロールのつづき』なんだけど、どちらも共通してるのはとにかく子ども時代から映画に夢中で、最初に観た映画にすごく衝撃と影響を受ける所から入るけど、最終的に自分で撮りたくて試行錯誤するとこだな。
ただの映画好きで終わらなくて、自分だったらこう撮りたいってなるとこがすごいと心から思う。
育った環境はまるで違うのに、周りを巻き込んで映画を作っていくとこは一緒なんだなあ。あとやっぱ頭良いよね。
面白いねぇ。
観る前は2時間半か長いなと思ったら、中弛みなく駆け抜けて行ってあっという間に終わったよ。
終わり方もよかった。
最後のあのシーンを撮りたくて作ったんかな、と思うくらいなんか希望と夢に満ち溢れてて幸せな終わり方!
余韻がすごくて寝るまで振り返ってしまったわ。どうしても欲しいものはどんなにしても気持ちを捨てられない、その渇望と熱意を是非とも映画館でご覧ください。
おすすめ。
形作られていく自分自身
Engaging Memoir by a Hollywood King
This year, The Fabelmans should be every Film 101 class' first watch. Spielberg shows the fun and inner conflicts of making movies, and how doing such intertwined with the highs and lows of his personal life at school and at home. The film is punctuated when a fellow peer director makes an humorously evocative cameo, delivering a brief yet defining lesson in art that should be hard to forget.
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