「燈火は消えたのかも・・・」燈火(ネオン)は消えず 子武さんの映画レビュー(感想・評価)
燈火は消えたのかも・・・
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映画は正に<燈火(ネオン)への鎮魂歌(レクイエム)>とも云うべきものだが、結局は(ネオンがなくなってしまうのは)仕方がないね的な結末は個人的に気に入ってはいない。
映画を見ながら30年近く前、(中国)大陸を旅して辿り着いた時の香港の夜景を思い出した。その頃の大陸はまだ発展途上で(個人的にはこの頃の中国の方が好きだ)、香港の夜景を見て”文明”の世界へ戻ってきたとの感を強くした記憶がある。又この頃の香港には、中国に戻ることの高揚感みたいなものも感じられた気がする。
’97に人民解放軍が香港へ進駐した映像を見て、アジアの一員として熱いものを感じずにはいられなかった。ヨーロッパに奪われたアジアの地を、やっとアジアが取り戻したんだとの思いを強くした。しかも西洋(英国)が武力=覇道で奪ったものを東洋(中国)は交渉=王道で取り戻した。さすが<中華>だと中国に畏敬の念さえ覚えたものだった。
そんな香港が半世紀も経たない内に、映画に描かれたような諦め=母親と逃避=娘の地になろうとは、思いもしなかった。
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