劇場公開日 2024年1月12日

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「自由を失った香港人の叫び」燈火(ネオン)は消えず zapsanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0自由を失った香港人の叫び

2024年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

香港の街を象徴した派手なネオンサイン。中国返還後の2010年の建築法改正でその9割が撤去されたそうで、ネオン職人にとってのそんな“逆境”をどう生き抜くのか。あるネオン職人夫婦とその家族を取り巻く人間模様がそんな主題を紡いでいきます。
一国二制度の掛け声が形骸化し自由社会から途絶されたかのように見える今の香港は、往時の活力の象徴でもあったネオンの燈がその変化に呼応するように消され、文字通りの輝きが急速に失われつつあるのでしょうか。言論活動もままならなくなった香港では、映画製作現場も然りとすれば、この映画は、今も奮闘するネオン職人の生きざまを題材に「反体制」を謳っているのではないかと感じました。全編に散りばめられた美しく少しもの悲しいネオンサインの輝きが、香港人の叫びのようにも感じられる秀作。お勧めです。

zapsan