「戦災孤児、混血児、知ってるようで知らなかった(T . T)」Yokosuka 1953 iwaozさんの映画レビュー(感想・評価)
戦災孤児、混血児、知ってるようで知らなかった(T . T)
ナレーションの津田寛治さんと監督とのトークでも
言っておられましたが、
言葉として知っている事と物語を体感する事は違う、
という事をあらためて、身に沁みて感じた次第です。
戦災孤児や混血児の方たち、残留孤児のかた
とてもつらい思いをされてきたというのは
いろんなニュースや新聞、雑誌記事で
これまで知識としてはありましたが、
今回、この映画で木川監督と一緒に
洋子さんと記憶を確かめる旅に
(映画を通じて)同行させて頂いた事で
その厳しい道のり(hard road)を
少しでも感じる事ができました。
結局、人の痛みとはマンツーマンで
その人と接する事でしか、なかなか
感じ取れないものなのだと思います。
そうだとすると、本当に限られた人にしか
それを伝える事は出来ない、、
という事になってしまいますが、
そこで木川教授は諦める事なく、
少しでも多くの人に伝えたいとの思いから
今回の洋子さんの旅を、映像で記録して、
映画として公開を実現されたのだと思います。
そして、それを素晴らしい作品に仕上げられた
木川監督には本当に感謝、感謝しかありません。
木川教授が和歌山に来てくださって
和歌山県人として有り難く思っております!
少し内容に戻りますが、
洋子さんが「私は日本人なのだ、とあらためて
思う事が出来ました」「私は強いので…」
「正しい選択をして生きてくる事が出来ました」
と言われた言葉は、後から凄く重みを持って
心に響いてきました。
66年もの間、困難な道を生き抜いてこられた
からこその言葉だと思います。
わずか5歳までの短い間で、母の信子さんの
生き様や言葉から、正しい生き方は何か?
という事を伝えられていた、というか
感じていたのでしょう。
そこから考えると、母、信子さんも
厳しい現実や人生から逃げずに、
正しい選択とは何かをもがきながら、
生き抜いてこられたのではないでしょうか。
もちろん、そんな方だからこそ
ずっと心の中では、洋子さんの事を忘れる事は
なかったし、自分を責める時も多かった
のではないかと思います。
それ故に、晩年は 「本当に控えめでいつも
微笑んでいる優しい方だった」のだろうなあ
と感じました。
映画の中でも紹介された当時の新聞記事の中に
約200人ほどの混血児がいる、とありましたが
その中で何人が、正しい選択をして困難な道を
生き抜く事が出来たでしょうか。
おそらく10人もいないのではないのでしょうか?
もしかしたら洋子さん一人しかいないのでは
ないかとも思えました。
なにしろ、その孤児院に、66年前いた人が
尋ねてきた事はこれまでなかった、
というのですから。
また、人生には様々な選択肢があり、
お酒や薬物、ギャンブルや風俗など
目の前の困難から逃避し易い誘惑が
たくさんあるのですから。
その誘惑を断って、正しく強く生き抜く事が
如何に困難であるか、そして、
その困難を乗り越えてこられたからこそ
洋子さんの美しくも哀しみを湛えた
眼差しがあるのではないかと感じた次第です。
津田寛治さんのナレーションも良かったし
音楽も良かったです。
この洋子さんの姿、生き様は、観て頂く事でしか
わかってもらえないと思いますので、
一館でも上映館が増えて、長く公開して
頂けるよう、またテレビ等でも放映されるべき
だと、一映画ファンとして切に願います。
m(_ _)m
木川監督、津田さん、ありがとうございました!
感謝!感謝!
ご無沙汰しています。
こちらにコメント失礼します。
「ちひろさん」に共感そしてコメントありがとうございます。
本当に出演者の皆さん、良かったですね。
猫のマダムさん、そして一言も話さないホームレスの師匠さんの、
ハニカミ笑い・・・心に沁みました。
感動が尾を引くというか、ジワジワと効きました。
心に楔を打ち込む今泉力哉監督最高ですね。
皆さんコメント感謝感謝です!最近、仕事が忙しくなかなかレビューを書くまで体力が至らず、皆さんのレビューを見るだけが多かったのですが、(><)
やっぱりレビューも少しずつ書いて応援させて頂きたいと思います!
バビロンへのコメントありがとうございます。劇中、プラピが演劇界の奥様に、演劇では10万人で大成功だろうが、映画では大コケなんだ、みたいなことをを言ってたのですが、日本の映画界では、良心的な作品でも1万人どころか、千人の動員ですら難しいのがいくらでもあると思います。
もちろん、国の規模、テレビも普及していない時代との単純比較はできませんが、それでも…
iwaozさんのこのようなレビューの大切さを痛感致しました。
iwaoz様、ケイコ 目を澄ませばへのコメントありがとうございました。
たくさん映画をご覧になってるようで私なんかより凄いです。
岸井ゆきのは色々な賞を取りました。今後もクリエイターからすると使いたい。・・・そう思っているでしょう。
Yokosuka 1953も面白そう。和歌山だけですか、レッドシューズも福岡だけってね・・・
こっちでやらないかな。
iwaozさんへ
複数のコメントと共感、ありがとうございました!今、韓国映画の開演待ちのbloodですw
アリータの続編を待ってるんですが、いつになることやら。次作で一気に「再生」まで飛ばして欲しいです!
【ケイコ 目を澄ませて】への共感、コメントありがとうございました。2回目を観ました。松本(松浦)がロッカールームに駆け込んで、顔洗って戻ってきたとき、ケイコは松本を見て、目がニヤっと微笑んでいました。1回目には気付かなかったのですが、喋らなくても、微笑んで相手の気持ちに答え、いたわり、感謝する。この2人の阿吽の呼吸はほんとに素晴らしい。コロナでマスクしていると口元が見えないから読唇術が使えない。余計に目の表情が大切になってきます。無音のエンディングもカッコいい。しびれました。岸井ゆきの。日本アカデミー賞の主演女優賞堅いんじゃないですかね。松浦慎一郎にも助演男優賞あげたいですね。iwaozさんもレビュー書いて、応援してあげてくださいな。
iwaozさんへ
「ケイコ~」へのコメント、有難うございました!あのシーンが、この映画のキーメッセージでしたよね!
ボクシングを続ける目的を見失い。人は結局一人なんだと、心は半グレ気分。でも彼女に声をかけてもらったことで、「ボクシングで人と繋がっている」ってのを実感して、また走り出す。
私も、とっても良い終わり方だったと思います!
iwaozさん、コメントありがとうございます。和歌山で上映中なんですね。しかもメジャーな映画に混じって1日3回も。素晴らしいですね。重い内容ながら、監督の誠実な人柄が出たいい映画でした。他のレビューが関係者らしい方々ばかりだったで、iwaozさんのレビュー見られて、とても嬉しいです。小さい単館系のK's cinemaで上映しておしまいとばかり思っていたのでなおさらです。多くの人にみてもらって、語り継ぐべき内容だと思います。洋子さんは本当に強くて立派ですね。