「時間は平等に流れる」父は憶えている La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
時間は平等に流れる
普段は観る機会がないキルギスの映画です。ロシアに出稼ぎに行ったまま行方不明になっていた父は、事故によって記憶と言葉を失い、23年ぶりに帰って来ました。そして、家や村をゆっくり掃除し続けるだけの毎日を送り始めます。父からは何ら積極的に働きかける訳ではないのに、家族や村人の関係が、彼の存在を触媒として少しずつ軋み始めるのです。父は、23年間に人々が何とか誤魔化して生きて来た過去への悔恨の象徴なんだろうな。自分達が失った物、しでかしてしまった事を彼を通して突き付けられるのでしょう。
のんびりしている平原の村にも時間は平等に流れているのです。
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