「イマジネーション溢れる野心作だと─」ファビュラスな人たち SHさんの映画レビュー(感想・評価)
イマジネーション溢れる野心作だと─
2022東京国際映画祭
トランスジェンダーの映画であることだけは間違いないけれど、その中身はドキュメンタリーでもありコメディーのようなファンタジーでもあり、ヒューマンドラマでもあって、ノスタルジックでもあり・・・。とにかく何ものにもカテゴライズできないくらいにイマジネーションであふれた作品だったという印象です。
トランスジェンダーにも自由や権利をと叫ばれているいまでは、そういった類の作品はたくさん存在するし、まだまだ特異なものとして扱われているとは思うけれど、かなり当然のように観賞されているような気がします。もはや物珍しくはない、そういった傾向は好ましいのだろうけれど、創作においては、ある種の武器を削がれているような気も・・・
この作品においても、前半はかなりトランスジェンダーを意識した作風となっていて、もうこれだけでは見るのはつらいなぁなんて思っていたのですが、物語が進むにつれ、複雑に絡み合う映像とファンタジックな発想が見事に融合して、決して特異ではなく特別な作品になっていた気がして、感服いたしました。
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