理想郷のレビュー・感想・評価
全45件中、21~40件目を表示
タイタンくん、もっとご主人を守れよ!
スペインのど田舎の村に移住してきた意識高い系フランス人夫婦が、風力発電を巡る土地買収に対する賛否で村人と対立していく、不穏さ極まりないサスペンス。
インテリ夫婦と無知蒙昧な村人との対立に留まらず、豊かな都会人と貧しい地方民との格差の問題でもあり、複層的な対立は一筋縄では収まらない。
土地を売った補償金で何を買うかと問われた兄弟の、「一日中タクシーを乗り回す」との答えが堪らなく切ない。
本筋とは離れるが、嫌がらせの現場に同行していても、ご主人を一切守ろうとしないワンコのタイタンくんにちょっとモヤモヤしていた。
単なる田舎と都会の対決ではないと思います。
これあらすじ読んだだけだと、田舎に理想を求めた都会人と田舎に元々住んでる村人の埋まらない価値観の違いをネタに、何かしら事件が起こる映画、に思えますよね。
確かにあらすじとしてはそのとおりなんだけど、それだけで終わるような映画ではないです。
もっと重層的で、幅広い。
後半の奥さんが前面に出てきてからの流れが素晴らしいです。
こんな映画だったのか、と驚きました。
こんな奥行きのある映画だったとは。
もはや上記のあらすじやなんかは、単なる話の縦軸でしかないようにすら思えました。
人にはいろいろ事情があって、それらが折り重なって、にっちもさっちもいかなくなることは往々にしてあるわけで。
正解はないのかもしれないけど、少なくともこの映画の奥さんは正しくて、そこに自分は少し希望が見える気がしました。
いつだってそう。
慢性的な貧困に苦しむスペインの村に、ある目的をもったフランス人夫婦が移住するが、村の嫌~な奴らに数々の嫌がらせを受け…といった物語。
となりに住む兄弟がとにかく嫌なヤツら。小学生レベルの嫌がらせから、アントワーヌ達の生活を脅かすような過激なモノまで様々。
終始、静かでローテンションな展開ながらも、この兄弟がホントに糞野郎どもなおかげで飽きることなく画面にくぎ付けにさせられる。
なかなか考えさせられる作品ですね。アントワーヌ達を嫌うのにも理由があったみたいで、その気持ちはわからなくもないがやり方がダメ過ぎますよね…。それでいて頭の弱そうな兄弟と比べて、アントワーヌの方がその先も考えての事みたいだけど…正解はないのかな。
まぁやはり、貧しくて先の見えない暮らしっていうのが人の心を荒ませていくのですかね。
んで、どの作品に出て来るワンちゃんも可愛いけど…懐くなよwイライラするw
そんなことがありながら、いよいよクライマックスか…と思ったら、え!?ここから第2章!?
排他的な描写が本筋だが、親子問題を絡ませいるのも胸に迫るものがあったし、やや長く感じたものの、終始目が離せずのめり込まされる。
警察もある意味良い味だしてますね。まぁどんな世界だって、善悪よりもそれが優先されますよね。。やっかいな悪人よりも話の聞ける善人の方が我慢させられるというのは、哀しきかな世の常でしょうか。
そんなやりきれなさも感じさせられた良作だった。
骨を埋める
考えさせられる
なんか思ってたのと違う映画
ホラーじゃないよ。
実際の事件を元に作られた話らしい。
これ監督はスリラーとかサイコホラーとか作りたかったわけじゃないな、、、畳み込みやドッキリは有りません。そういうの期待しないように。
日本でも田舎に移住失敗話は良く聞く。
空気読む国民性の日本でも失敗者続出してるわけで簡単な事じゃないのはわかる。
でも明らかにこのフランス人の主人公オッサンは失敗していた。村の貧しい状況と自分の夢の中間に落とし込むタイミングを失ったのだ。
どっちも身動きできずで、これは孤立しちゃうわなぁ。
大阪万博もだけど、つまらないプライドにしがみ付き、撤退するタイミング逃すと結果悲惨という示唆に富んだ内容である。
で、後半は少しクライムサスペンスっぽいけど、夫婦や親子の関係を丁寧に描いていて新鮮。
老犬がなかなか旦那を見つけられず、しょんぼりだ。
小便大河作品。それは撒かれた小便で始まった。
【いつも以上に殴り書きが長くなるので結論からいうと、
beastに戻る方が人間らしくていいのでは?
というbeast原理極論に言葉だけでも創作して共有して武装しといた方がいいのではないか。じゃないとドンドン分断されていくよという見立てです。隣人の理不尽さにはno、移民の一方的な価値観の押し付けにはno、◯◯にも三分の理、それぞれの反対意見含めて、個々でスタンスを、その根拠を、明快な言葉にしときましょう。というのをエンターテインしてますよー、すごー!以下蛇足】
小便大河作品。
意識高い系問題提起格差訴求映画。
大河の一滴は吐いた唾、
撒かれた小便で始まった。
原題はas bestas(the beast)。
自然農法と慣行農法、
都市と過疎地域、
誘致賛成と反対、
親、子、隣人、
他にも誰もが経験するような対立、
格差、
なんと、
スペインとフランスまで!
を、
なんとなんと、
メンチ切った、
小便かけた、
から丁寧に感情のぶつかりを描写してエンターテインしていく。
生きるという事に、
命をかけている、
誰が1番切実なのか、
何故タイトルはbeast、
冒頭の馬のシーンの意味は、、、。
歴史が始まる前、
人はケダモノだった。
小便の一滴を漏らさず大河に繋げる全方位の技術が凄い作品。
【蛇足の蛇足】
beast
命を削って道なき道を、
けもの道を、
ケダモノとして一歩一歩踏み出してきた。
歴史が始まる前までは、
ヒトはケダモノだった。
古今東西、さまざま作家が絵画、詩、小説、音楽、映画で上記を主題として作品をつくってきた。
本作もbeastというタイトルから類推すると、
スペイン独特のフォービズム、
またそれらを解体するキュビズムをモチーフに、
セリフにも出ていたピカソ、
ライティングはヴェラスケス、
羊飼いはラ・トゥール、
など、
シナリオ、演出、芝居、
撮影全体を構築した形跡が散見された。
beastとヒトの違い。
原罪と、
生活の知恵として有り(法律上許される罪)にしてきた事。
という風に、
言葉とかだけでも共有しとかないと。
【蛇足の蛇足の蛇足】
本当のas bestas(the beast)は、
隣人の背後にいる手を汚さないbeast。
ポンコツ番犬
田舎に法律は適用されない…
ブエナス・タルデス
よそもんが来るなよ!事情を知らないのに!
移住者の夫婦に共感することも同調することもできない
フランスからスペインの田舎の村に越してきた夫婦は、物語の冒頭から村人と対立していて、その村が、邦題となっている「理想郷」のように感じられる場面はほとんどなかった。夫婦が、あの村に、どうしてそれほど愛着を持ち、住み続けたいとこだわるのかが、今一つ理解できないのである。
野菜を作りながら慎ましく生活し、古民家を改装して都会からの観光客を呼び込みたいという夫婦の思惑は分からないでもない。それでも、突然やって来たよそ者が反対したせいで、風力発電の補助金が貰えなくなることに対する村人の憤りは至極もっともで、ここは、夫婦の側が、多数を占める村人の意見に従うか、村を出て行くしかなかったのではないか?
それを、あくまでも自らの主張を押し通して、あえて村人とことを荒立てようとする夫婦の姿勢には、共感することも同調することができなかった。
案の定、対立はエスカレートして、取り返しのつかない事態に至るのだが、観客は真相を知っているのに、それが劇中でなかなか明白にならない展開に、徐々にイライラがつのっていく。
ここで、母親をフランスに連れ戻そうとする娘と、あくまでも村に残ろうとする母親との間で新たな対立が生まれるのだが、どう考えても、母親を気遣う娘の主張の方が100%正しいと思えてしまう。
母親は、失踪した夫を愛しているからというよりも、夫のことを殺したに違いない隣人に対して意地を張っているとしか思えないのである。
犯罪の証拠となるビデオカメラが発見されて、ようやく事件が決着するのかと思っていると、そうとはならない展開にもうんざりする。まあ、その直後に、別の形で結末を迎えるからまだ良いのだが、それにしてもモタモタし過ぎているのではないか?
結局、夫婦と対立していたのは隣りに住んでいる兄弟だけで、これといって、田舎の村型社会に特有の閉鎖性や排他性を糾弾している訳ではないし、かといって、エコでスローな暮らしへの漠然とした憧れだけで田舎に移住する都会人の思慮の浅さや軽率さを批判している訳でもない。
いったい何が言いたかったのかが分からないまま、理解し合おうとしない人間の姿にフラストレーションが溜まった映画だった。
ジワジワ型のサスペンスかと思いきや、後味悪めの人間ドラマ
相手を知ってから自分を知ってもらうコミュニケーション
人と人のコミュニケーション、特に異国籍の方とのコミュニケーション方法を書かれています。他国では受け身となってしまいますので、まず相手を知ることが大切だと再認識されました。
あらすじ
フランスからスペインの自然豊かな村に移住した夫婦アントワーヌとオルガ。生まれたときから中年の現在までこの村過ごしているシャンとロレンソの兄弟はアントワーヌ夫婦と対立をしていた。対立の原因は村に風力発電を作る計画だった。自然を守りたいアントワーヌと支援金がほしいシャンとロレンソ兄弟。風力発電に反対しているアントワーヌに不愉快なことが起きていく話です。前半は旅で見つけた地で自分の理想ばかりを追求するアントワーヌ視点。後半は夫を応援し続けた妻オルガ視点で描かれます。
いまいちなところ
村の風力発電プロジェクトはどうなったのか?
SDカードで他のアクションもできたのでは?
アントワーヌ夫婦の過去も欲しかった
考察
原題のThe Beastsがわかりやすいですが、決して移住した主人公が可哀想な映画ではありません。主人公の行動次第で防げた悲惨な出来事です。
結末は明白されず、自由に考えさせる映画でした。尺の長さ的に結果がほしかった。
学び
相互理解が足りないです。前半はアントワーヌの移住したことに満足し、この自然と村に感謝し守るという理想と村にうんざりし、どうにか違う生活をしてみたいシャン兄弟がお互いの希望だけをぶつけ合い、結果対立となった。一歩ずつ譲ってお互いの気持ちを理解することで他の解決方法があったのではないか。もちろん異文化を理解したうえで。青空マーケットでトマトを予約したおばあちゃんのように。
後半でわかりやすいですが、対立していた母と娘ですが、娘が一歩譲ったことにより見送りが感動でした。
どの場所にもいい人もいれば悪い人もいる。避けるだけでは解決できないこともあり、他の街に引っ越しても結局悪い人はきっといる。どのように付き合うかが大切ですね。
カメラに残っていたものは…
全45件中、21~40件目を表示