「『わらの犬』みたいな話かと思ったら全く違う展開を見せる、いかにもスペイン的な陰影の深い後味の悪さが印象的」理想郷 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
『わらの犬』みたいな話かと思ったら全く違う展開を見せる、いかにもスペイン的な陰影の深い後味の悪さが印象的
ガリシア地方の山間にある小さな村に移住して農業を始めたフランス人夫婦。村人から何かと揶揄われながらも慎ましく暮らしていたが、電力会社から持ち込まれた風力発電所建設の利権に夫婦が毅然と反対したことから隣家に住む兄弟との関係が悪化し、やがて陰湿な嫌がらせが始まる。
村八分をテーマに据えた映画は沢山ありますがこれもそれ。陰惨なド田舎あるあるを散々見せつけられてげんなりするわけですがそんなありきたりな物語は冒頭で映し出された静かな映像が何を暗示していたのかを示して突然ポッキリと折れます。『L.A.大捜査線 狼たちの街』の終盤のような置いてけぼり感に呆然としている間も淡々とドラマは続きますがそれも突然急展開して終幕。イヤな余韻だけが延々と残るとってもスペイン的な陰影の深い後味の悪さが印象的な作品でした。
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