「良作ではあると思うのだけど、致命的に気になる点もいくつか。」チーム・ジンバブエのソムリエたち yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
良作ではあると思うのだけど、致命的に気になる点もいくつか。
今年374本目(合計649本目/今月(2022年12月度)27本目)。
他の方が書かれているように、あるいはタイトルからもわかる通り、ワインとソムリエ、テイスティングを扱った映画です。
原題からかけはなれたタイトルで、原題「blind ambition」は「(精神的に)抑制のきかない熱望さ」という意味です(大英和まで含めて調べても、これらの単語はワイン用語等ではないことを確認済み)。おそらく、映画の内容それ自体と、主人公たちのジンバブエから南アフリカへの移住などいろいろなものを指して言っているのではないかと思います。
こちらの作品、特殊な採点要素があるので、さっそく採点いきましょう。
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(減点0.3/混乱させる誤訳など)
何度か書いているのですが、 more than は「その値を含まずその値よりも大きい」ことを意味します(映画内では最初に「ジンバブエからの難民は○万人以上となり混迷を極め…」というような字幕が出るところ)。
つまり、例えば、more than three であれば「3を含まず、3よりも大きい値」を意味します。小数まで許すなら3.5や3.8などになりますが、3は含みません。性質上整数しかとらない場合(例えば、人数などの表現では小数を含みえない)、この表現では(人間の数を例にすれば)「4人以上」にしかなりません。
ただ、この部分について最初にこの誤訳があるため、ほか何が正しいのか全部注意してみないとならないところ、映画の趣旨的に英語以外にフランス語等出るためすべては確認はできず、英語による表記(主人公がその後どうなった等何など)も、映画内では結構短く流れるので読み取りに苦労します(英文自体は難解ではないので、単に速読が求められます)。
この more than の訳しミスは結構多く、誤訳とされる中では結構多くあげられるものです(通常は、日本ではそこまでうるさくは言われないが、有名な論点なので指摘はされる)。ちょっとこのあたり、「全体としての英文・日本語訳の妥当さ」に疑問符が「最初の1分から」つくので(事実、この英文は最初の1分で流れる)、注意してほしいです。
(減点0.2/よくわからない電話がなるシーン)
この映画、普通にスマホなど出ますし映画内ではスマホで通話、ビデオチャットなどしているところもでますが、映画内(映画では、空港に行くところ。当方が見たときは、10時15分から放映で、11時15分あたり)で、映画の主人公とは関係のない「ただ単に出てくるだけの人」が電話に出ているシーンがあり、そこでiPhoneのデフォルトの着信音が流れるところがあります(主人公の行動ではないので、ここで電話を取るなどの描写は出ない)。
この後電話がどうこうというシーンは(当分の間、映画内では)なく、いくら映画館内ではスマホはマナーモードにしましょうなど案内があっても忘れている人はいないとは限りませんし、この趣旨のわからない発着信(映画のストーリーには一切関係しない)からスマホを「マナーモードにするの忘れたかな…」と取り出す方も想定でき(実際、私も含め数名が確認していた…)、ちょっと配慮が足りないかな…というところです。
※ 上記のことから、リアル時間では映画がはじまって1時間くらいでこの描写があります(が、マナーモードにしていれば無関係)。
※ 映画一般で、スマホが使われるシーンは普通に出ますが、通常は「何らかストーリーに意味があるか、背景的に流れて明確にわかる描写」で、この映画のように「ストーリーにも関係がなければ、名前どころか「この人単に映り込んでいるだけ?」というような状況で出てくるので、やや不親切かな…というところです(このスマホ描写は映画のストーリーには一切関係しない)。
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