Pearl パールのレビュー・感想・評価
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シリアルキラー誕生秘話
「Xエックス」シリーズの前日譚で若き日のパールの姿を描いたホラー映画。大スターを夢見る少女がシリアルキラーに変貌する理由が明らかにされている。主演を演じたミア・ゴスの小悪魔的な演技が強烈で恐怖を感じるくらい素晴らしかった。
2023-116
2023年のベスト・エンディング賞暫定1位
2022年に公開された、タイ・ウェスト監督、ミア・ゴス主演のホラー「エックス」シリーズの2作目。1970年代が舞台の1作目「エックス」に登場した殺人鬼老婆パールの若き日を描き、夢見る少女がいかにしてシリアルキラーへと変貌したかが明かされる前日譚。
1作目のエックスがかなり面白かったので期待して観に行ったら、その期待を超えてくる面白さだった。やはりA24製作のホラー映画は裏切らない。「映画史上、もっとも無垢なシリアルキラー誕生」というキャッチコピーもいいじゃない!
去年公開の「エックス」、今年公開の「パール」と、期間を開けずに公開してくれたことが非常にありがたく、公開から2ー3年も経てば易々と内容を忘れてしまう記憶力に乏しい私のような人間でも、1作目のパール老婆の行動原理が随所に散らばめられていることに気づき、それらを見つけてはつい笑みを浮かべてしまっていた。親に秘密で家を抜け出すために2階の屋根から外に出ることを繰り返していた若きパールを見れば、老婆が若者を襲う時ために屋根から狙いに行っていたシーンを思い出す。映写技師の彼に誘われ映写室の小さな窓から違法ポルノ映画を覗くパールの姿には、セックスシーンを撮影している若者たちの様子を窓の外から凝視している老婆の顔がフラッシュバックする。あのワニちゃんも続投。まさか父親も食べさそうとしていたとはね。
両親、映写技師の彼、義理の妹を次々と殺し、血で染めたような真っ赤なワンピースに身を包んだパール。スクリーンの中で残酷なスターとなってしまった彼女がとても可哀そうだった。片田舎に生まれ、毒親と暮らし、そこから出ることのできないパールの不満と恐怖にはシンパシーを感じてしまう。今、朝ドラ「あまちゃん」の再放送を観ているが、行くとこまで行っちゃったユイちゃんだ。生まれた時代・場所・性別によって、とんでもない居場所に雁字搦めにされた人間は、死にたくなるか殺したくなるかのどちらかになってもおかしくない。
前作「Xエックス」で主人公マキシーンとパールの2役を演じ、今作でもパールとして主演したミア・ゴスの怪演が素晴らしく、義理の妹への告白シーンの長台詞の衝撃、そしてラスト5分間の快感と悲憤に満ちた笑顔は凄まじかった。2023年のベスト・エンディング賞暫定1位だ。本作では脚本も担当したらしく、今後がとても楽しみな俳優である。3作目の「マキシーン」も期待大。
凶悪な老婆パールの若き日の物語
『X』を観て、パールが何故サイコパスな
シリアルキラーになってしまったのかが
知りたくて今作も観た。
田舎で、車椅子の父親を看護しながら、
異常なまでに厳格な母親に抑圧されるパール。
動物達の前でダンスをしながら、
スターになるという夢をふくらませるが。
ガチョウを刺してワニの餌にするというのは、
元々そういう気質もあったのかと思った。
それから関わっていく人をだんだん殺していく
変容は凄まじかった(>_<)
ミア・ゴスちゃん怪演
シリアル・キラーの映画は多いけれど、それになるまで(特に若い女性が)を描いたものは、珍しいのではないか。
ミア・ゴスがいつ切れるか、そこが見もの。エンド・クレジットの彼女の表情など、怪演、また怪演。
俺は最後までパール「ちゃん」って呼ぶぞ…
死んでほしくない人が死ぬからこそのサスペンスホラーだとは理解していますが…義妹ちゃんは生きててほしかった…
個人的にはウジ虫湧いてる豚が一番直視に耐えない。
あとワニの卵なんで潰したん?謝れ!湖に向かって土下座し!
三部作なので前作エックスでハワードがパールちゃんと同じレベルの殺人鬼になるのはある意味ネタバレ済みなわけですが、何でそうなった?それほどまでにパールちゃんを愛してるってこと?
次回作は一作目の主人公、マキシーンの名前がタイトルなので、ハワードの変貌ぶりには言及しなさそうで残念。
映像はおしゃれで素敵でした。
あの真っ赤なドレスもサイコー!
お母さんはパールちゃんが怒るとソッコー人殺すようなイカれガールだと見抜いてたんですね。そんなイカれガールに真っ向から喧嘩うってくママすげえよ。死してなおパールちゃんの心を抉っていける貴女がナンバーワンだ。
ピアノの蓋は開けとくでしょ?
オーディションの場面。トップじゃないんたからさ。そういうとこ、気になるなあ。
その他は、よかった!今年ベストの候補かな?特によかったのは、
ラスト斧でバラバラにするシーン
エンドロールのパールの表情
かな?鏡合わせの手法で、グロいシーンをなんとなく片付けたのはいいね。あーゆーの、今まであんまなかったよね?それにラストのあの笑顔からの長尺の中で少しずつ表情が変化していくとこも、グッときた。
さらには告白のシーンの長台詞もパールのぶっ壊れっぷりが出てたね。
そもそも最初の方で案山子と踊るシーンも結構ヤバめだし、映像の質感や文字の書体も全体的に「B級感」出てて、
個人的には刺さった!鳥が飛んでく「音バン」はあったけど、音楽も含め、欠点なし!
前作、もう一度見たくなった。
ミアゴスの不思議な魅力がよく出てて、近年のホラーの中ではいいと思うよ。ピエロが出てくるのより😅
ミアとワニブタとGOTH〜🎵
昨日観た「覇王別姫」に続き業の深い人の話
昨年観た「Xエックス」を今週配信で観直し本日の「Pearlパール」へ
旦那を戦地にとられ、あんな家に住んでたら、こんなんなっちゃいました〜
3部構成なので次作も必見!
とある少女の血みどろ夢話
全作エックスは近くのシネコンで上映していたのに、パールになった途端なぜ上映館が減るんだよ?!?!
エックスは、”老人×性欲×80年代ホラー”の掛け合わせが斬新でした。
今作は性欲おばけキラーであるパールおばあちゃんの若かりし頃の話。
エックスが80年代ホラーのホコリ臭い雰囲気だとしたら、
パールは鮮やかな”絵本”のような印象です。
どのシーンを切り取っても絵になるのに、ストーリーは猟奇的。
パールちゃんの頭の中を映像化したような絵画的な美しさもある!!
アンガーコントロールが苦手なパールちゃんに恐怖を感じつつも、
感情移入してしまう不思議な体験。
私たちも一歩間違えば、環境が違えば、時代が違えば、こうなっていたかもしれない…
なんといっても見どころは主演ミア・ゴスの表情管理でした。
最近でいうと「SMILE」に近い、直視できない笑顔が最狂です。
(エンドロールは口ぽかんレベルで見入ってしまう…)
信用していた人間が、自分から離れていく瞬間。
この絶望が”憎悪”に変わる瞬間、シーンは何度でも見返したい。
こいつ殺されるな…フラグの緊張感もすごいし、パールちゃんの『絶対に仕留めてやる』という確たる殺意、まるでゴキブリを仕留めるかのようでした。
三部作なので、次回作のマキシーンも楽しみで堪らない…!!!
タイトルなし
昨日『Xエックス』見て予習しておいてよかった(見てなくても楽しめるとは思うが)。
『こわれゆく女』『マリア・ブラウンの結婚』など最近立て続けに見た映画を思い出すが、もっと爽快というかストレート。
パーソナリティ(人格・性格)とは何か、とか考えてみる。
ノーメイクだとレディース顔
前作Xの前日譚ということで、殺人BBAの若かりし頃を本作でも演じ、終盤のひとり語り長回しとエンドロールのひくひく顔芸まで、まさしくミア・ゴス劇場。舞台はいまから約100年前だが、現代の新型コロナやウクライナ戦争をオーバーラップさせる設定となっていてうまい。
ド田舎の農場で家族3人暮らしの閉塞感のなか、ミア・ゴスのイカれていく感じが怖いには怖いんだけど、個人的には悪趣味な演出や展開に笑ってしまった。串刺しのガチョウをワニの餌にするオープンニングタイトルから、案山子との擬似性交で絶頂に達する瞬間に鳥がばーっと飛び立つとか、母娘で殺り合ってる時の身動きできない親父の恐怖顔に、オーディションのダンスがまたくそダサくて笑った。
三部作らしいので次作も薄眉毛のミア・ゴスに期待したい。
豚に真珠?
うーん。まあまあだったかな。
ミア・ゴスの演技は、まさに憑依状態で完璧だったけど…
前作からの流れを踏まえると殺人の快楽と性欲は激しくリンクさせないとダメじゃない?
せめて、鬱積した性的なフラストレーションによる強度なヒステリー状態、からの〜
狂気のスイッチOn!とか…
そんくらいは、ないとねえ。
一応、それを連想させるシーンはあったけど、あのスケアクロウだけじゃ、全く物足りない。
あの『X』の前日譚なんだから。
映写技師を殺すシーンなんか、疑心暗鬼だけではなく、ベッドシーンの最中、まさに絶頂寸前で、お預け食らったのが一番の原因でスイッチ入ってしまうとか…
そっちの方がブラックな失笑となって、パールらしくて良かったと思うけど。
クライマックスとなる義理の妹とのシーンにしても、例えば…
狂気の昂ぶったパールに問い詰められた義理の妹が、実はハニートラップで審査員の聖職者を買収していた事を、恐怖のあまりガクガク震えて白状してしまい、パールのヒステリーに火がついてしまうとか…
なんかにした方が、もっとらしくなったと思うけどなあ。
あと、アヴァンタイトルは、音楽もピッタリで、A24らしくて最高でバッチリだったけど、ラストはもうちょっと工夫して欲しかった。
エンド・クレジットの直後、洗脳されちゃったハワードのショッキングなカットが突然オマケで入っても良かった気もするけど。蛇足かな…
というか、今回のトリロジー3部作のラストとなる次作に向けた粋な伏線はあっても良かったんじゃない?
実は、もう仕込んでるとか?
豚に真珠とか?
ミア・ゴスのブサカワの魅力
本作の公開に合わせて、シリーズ前作の『Xエックス』がHuluで配信されたので、先日鑑賞。主演のミア・ゴスが殺人鬼の老婆と主役の少女の2役を演じていたのも話題で、単なるホラーではなく、ミステリー・サスペンスとしてよく練られた展開だった。
その殺人鬼となった老婆の若き日を描いた、『Xエックス』の60年前の前章譚となる本作。映画のダンス女優に憧れ、いつかスクリーン・スターを夢見ていた少女・パール。彼女がいかに、猟奇的な連続殺人鬼へと陥っていったのか、心の奥底にずっと燻っていた怒りや葛藤と共に描いている。
父親の介護をしながら、厳格なドイツ人の母親と共に貧しい農場で暮らし、夫も戦場に出征し、女としてもスターへの夢も満たされない中で、鬱屈さを感じていたパール。そんな折に、一人の映写技師の男と出会ったことで、家を出て映画の世界への憧れを益々強めていった。そして、義妹と共に母親に隠れてダンスのオーデイションを受けることになるのだが…。それが、パールを殺人鬼へ変貌させる地獄への一歩となる。
1作目と同じ農場が舞台となる為、同じ場所でのシーンも何度かあったが、物語のサプライズやそれほどのグロさも無く、ホラーとして観ると肩透かしを喰らう。しかし、パールの夢を断ち、ずっと抑圧を受けてきたものが母であり、父であり、家族の絆というのも、なかなか切ないものもある。夢見る少女の中に芽吹いていく狂気は、あまりにも残酷な方向に開花してしまう。ホラーというより、サスペンスとしての色合いが濃い作品だ。
主役のミア・ゴスは、『Xエックス』では、なかなか大胆な裸体も披露していたが、今回は封印。決して美人とは言えないが、前作以上に、彼女のどこか愛おしくなるようなブサカワな魅力と、冷徹な殺人鬼としての両面を備えた役柄が、ピッタリであったと思う。
若い頃から突っ走ってます。
前作アンマ好きでもなかったが他に見るもの無いので鑑賞。
ホラー/サスペンスてかブラックコメディ?
ドイツ系の厳格な家庭で体の不自由な父と厳格な母と暮らす既婚の(眉なし)パールはダンサーを夢見るお年頃。
父の薬を買いに街にお使いに行ったついで薬のお釣りをチョロマカして映画をみーの、帰り道のトゥモロコシ畑でイケナイ妄想に浸りーの母は怖いがソコソコよろしくやってた模様。
しかし年の近いパッキン義姉妹がダンサーオーディションの話を持って来たことからパールは暴走・転落に突き進むwww
前作の凶行はボケてたんかと思ってたが、若い頃から暴走超特急だったんですな、ラストの泣いてんだか笑ってんだが分かんない顔が印象的。
鬼が本性を現すまで
映画紹介サイトで本作が「ホラー」と分類されているのを散見しましたが、実際観てみるとホラーというよりはサイコスリラーに分類した方が良さそうな内容でした。確かに残虐シーンはこれでもかと出て来ますが、モンスターやゾンビが理不尽に殺戮を繰り返すというものではなく、第一次世界大戦が勃発して最愛の夫が出征した妻(パール)が、母に抑圧されたり身体が動かなくなった父の看護をせざるを得なくなるなど実家に縛り付けられ、スターになるという夢も打ち砕かれるといった過程で精神が崩壊し、周囲の人を次々に殺していくというお話でした。
残虐シーンにスポットを当てると確かにホラー的な側面もありますが、パールの精神がぶっ壊れるプロセスには一定の説得力があり、誰にでも起こり得る悲劇として捉えることが出来るかと思います。なので、本作の「怖さ」というのは、人間を切り刻んだり串刺しにしたりという視覚的なものではなく、ひょっとしたら明日は我が身かも知れないという意味での不安を惹起させるところにあるように感じました。
そういう意味では、貧困や社会的孤立、エリート層からの侮蔑に対する怒りから殺人鬼と化した「ジョーカー」と軌を一にする部分がありましたが、「ジョーカー」と本作の決定的な違いは、主人公に感情移入できるか否かという点にあるようにも思いました。ホアキン・フェニックス演じた「ジョーカー」のアーサーは、元来虫も殺さぬ心優しい人間でしたが、前述のような境遇に置かれた結果最終的に爆発してしまいました。一方本作の主人公パールは、元々自己中心的な面が見受けられ、また動物虐待をするシーンもあったりと、そもそもあまり感情移入できないキャラクター設定でした。純粋無垢な主人公が、追い詰められ追い詰められた結果「鬼」になったという展開であれば、もっと絶望的な怖さや、逆に「ジョーカー」で感じたような爽快感すら得られたように思いましたが、本作にはそうした側面がなく、後味悪くサイコパスが本性を現しただけという感じでした。個人的には「ジョーカー」的な作りの方が好みなので、少し残念ではありました。
俳優陣の演技ということでは、やはり主人公のパールを演じたミア・ゴスに注目。まだサイコパスというか鬼の本性が全開していない前半では、可愛い乙女な雰囲気を醸し出していましたが、自らの期待に反した状況になるにつれ、表情が文字通り「鬼の形相」に変化しており、ここは見所でした。
エンディングで夫が戦地から帰還した時のパールの表情は、鬼が必死になって本性を隠しているようで、これまた中々興味深いものでした。
何でも「X エックス」というのが本作に先行して公開されており、こちらが本作の後日譚になるとのこと。こちらは未見なので、どんな展開になるのか観てみようと思っています。
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