銀河鉄道の父のレビュー・感想・評価
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いきものがかりの主題歌が、見事に映画とミスマッチで余韻に浸れない。
ほとんど宮沢賢治の作品を読んだことがない私(知識としては知っています)ですが、観ても良い具合に仕上がっていたと思います。
弟の静六、妹のトシ以外にも妹がいたことには、
驚きでした!!(゜ロ゜ノ)ノ
長回しはカメラワークではない、演技だ!
すごく良かった。1980年前後に「8mm映画の時代」があって森田芳光、長崎俊一、石井岳龍、黒沢清、園子温等々ピアフィルムフェスティバル(PFF)が多くの映画監督を輩出した。成島出もほぼ私と同世代でとても親近感があるしましてや長谷川和彦に師事しディレクターカンパニーでカチンコをたたいて監督になっただけに一昨年の「いのちの停車場」といい今作といいよくぞこの世界で辛抱強くやり通してくれたとわがことのように嬉しい。プロローグの賢治が生れて急いで花巻に帰る父の列車のシーン、ここぞというタイミングで向かいの席の赤ちゃんがニッコリ笑う(CG処理かどうかは問題ではない)そしてタイトルを経て慌てて入った我が家の玄関から眠る賢治の側までそっと忍び寄る父の長回し、多くの人が経験したであろうわが子が生まれた日のなんとも言いようのない幸福感をこんなに的確に描写してくれて、ここまででこの映画を観て良かったと思わせてくれるのだ。あまりにも良い役者が揃ったが故の長回しの多用はでカメラがぶれようがおかまいなしで、妹役の森七菜が認知症の祖父田中泯に向って「きれいに死ね!」と言い放って抱きしめるシーンはカメラワークの出来より芝居の良さを優先したことは想像に難くない。役所広司のはまり役は孤狼の血方面ではなく間違いなくこっち路線である。
可愛くて偉大な宮沢賢治の父の物語
役所広司の演じる宮澤政次郎がめちゃめちゃ可愛い人柄だった。
配役自体がベストで、菅田将暉の宮沢賢治は笑えるくらい一生懸命だし、森菜奈の妹トシは聡明で美しかったし、母の坂井真紀は穏やかな良妻だった。
本当に、宮沢賢治が無鉄砲で健気すぎて振り回されまくるが、最後はそれがとても愛しく思えた。
たくさん泣いた。いい映画だった。
感想は特にないなぁ
原作未読。宮沢賢治にも思い入れなし。
子煩悩な親元で何不自由なく育った苦労知らずの人のお話しでした。父親目線ですが、祖父の言っている事がすべて正解だと思った。あの時代の事ですから自由過ぎることに違和感を感じました。
52
予告映像より断然いい
銀河鉄道の妹
銀河鉄道の母
2人に涙です。父はもちろんですが。
予告の人工的な夕日といきものがかりの主題歌から、ホームドラマやお涙頂戴のイメージがあって、見るか迷っていましたが、森七菜が出るなら見に行こうと鑑賞です。
見始めて思ったのは、、、あれ?宮沢賢治って、若くして結核で無くなったんじゃなったっけ?と、あまり知らないことに気が付きます。
宮沢賢治の名前と、「雨ニモマケズ、、」は日本国民なら全員知っているはずですが、、
逆に映画は楽しめました。
菅田将暉、痩せすぎて怖いくらい、憑依演技、感服です。
森七菜も良かった。おじいさんとお兄ちゃんとのシーンは涙。特におじいさんのシーンからこの映画は面白くなりました。
いきものがかりはきらいということでは無いのですが、やっぱり軽いホームドラマっぽく、朝ドラっぽく感じてしまいます。
あとはやっぱりVFXですね、、、星空とか必要なところもあるとは思いますが、一気に安っぽくなってしまいます。
あと、お母さんのあのセリフは予告に入れないで欲しいですね。寸前で「あー、ここであのセリフだ」と思ってしまった。
予告映像からあまり期待しないで見れたのでかえってよかったのかもしれませんが。
ただ、映画全体はとても良かった。
最後の方は嗚咽寸前シーンもありました。
泣きました!
直木賞の原文も読まず予備知識無しで鑑賞させて頂きました。宮澤賢治の詞や小説はどんなものがあるかぐらいの薄っぺらい知識しかありません。もちろん生い立ちも人となりも全く知らないです。
明治~昭和初期は今ほど医療も発達していなく現代なら助けられる命も儚い結果になることもしばしばだったろう。でも現実を受け入れられず変に宗教に頼らざるを得ない人々も沢山いたのかもしれない。
そんな環境や状況を十分我々に伝えた上で『雨ニモマケズ』をクライマックスにもってきてそこに役所広司の迫真の演技に正直泣きました!
役所広司。菅田将暉。素晴らしい俳優だと改めて感じました。ありがとうございました。
銀河鉄道。星めぐりの旅は続く。
宮沢賢治。宗教家であり、童話作家であり、農民の先生であり、希代のロマンチストである。様々な顔を見せる賢治の物語を父親の視点で描いた本作。従って賢治自身の物語はかなり省略されてただの愚息みたいになっちゃってます。
新しい時代を生きる明治の父は息子の無茶も無下にはしません。やりたいことをやらせた結果、数々の名作が誕生したことも間違いありません。しかし賢治の一番の理解者は妹のトシです。兄妹のシーンは哀しくて美しかったです。森七菜すごく合ってましたね。
ただ、賢治をおくるシーンのさぁ泣けよ、クライマックスでっせ、みたいなのは正直ひいてしまいました。だいたい雨ニモマケズは死後に手帳に書かれていたものが見つかったので、その感慨深さみたいなのをないがしろにするような使い方はやめてほしかった。
星から星へ。死者を乗せて走り続ける銀河鉄道。ラストシーンは賢治の世界観に寄り添ってて良かったです。
綺麗に死ね
久しぶりの森七菜。よかったな👏役者たちがよかったのでとても安定感のある作品でした。やっぱ親より先に死んだらあかんなぁ。
宮沢賢治ってこんな人だったんだねぇ。まさか今の時代でだれもに名前を知られているとは本人は知る由もないのか。すごいことですね。
ラストシーンに涙腺崩壊。
宮沢賢治を題材にした映画や小説はたくさん作られてきたけど、父の政次郎に焦点を当てたお話は初めてですね。直木賞を受賞した原作に、魅力的な俳優陣でよかったです!
支離滅裂なとこもある賢治に翻弄されながら、愛を貫いた父の心情描写が素晴らしかった。2時間尺で賢治の人生を深掘りするのは避け、結核で亡くなる兄妹を2つの山場にした構成がよき。それを結ぶラストシーンは感動的で涙腺崩壊。忘れられないシーンの一つになりましたよ。
とにかく演者の熱量がすごい。父役の役所広司さんはいつも通りさすがだ。今年もしっかりアカデミー賞狙えるね。賢治役の菅田将暉さんは今作も見応えがあった。森七菜さん、坂井真紀さん、田中泯さんも確かな演技だ。素晴らしい演者の対峙する邦画は、価値がありますね。
何回も読んだ風の又三郎や銀河鉄道の夜が、あんな想いの中で描いたなんて知らなかった。違う気持ちでまた読み返してみたくなりました。
「宮沢賢治の父」である必要がない
非常に期待していた作品なのに、少々残念な出来であった。
・俳優陣の演技は素晴らしい。
・時代考証、風俗考証がしっかりしていて映画の世界にスムーズに没入出来る。
・逆光やハレーションを効果的に使ったカメラワークも賢治の世界をイメージさせる表現で非常に良かった。
これだけ良いところが多いのに仕上がりが今ひとつだったのは、肝心の「宮沢賢治」という人物の掘り下げが浅いからだと思う。だから、ただの「破天荒な息子をもった親バカな父親の深い愛情と家族愛」で終わっている。
これなら、どこぞの破天荒息子でも変わらない。宮沢賢治である必要がまったく無いのだ。
賢治の人生史について詳しい観客はそう多くはないだろう。何か縁があって研究やら勉強やらでもしない限りは普通あまり知らないはずだ。
私はたまたま仕事と趣味を兼ねて研究した事があるので、「賢治の父を掘り下げる」という斬新かつ秀逸な観点には非常に驚いた。
「あの賢治を積極的に支えていたならば、そこには大変なドラマがあっただろう」と、本作は非常に楽しみにしていた。
涙腺崩壊に違いない!と、幕間のうちからしっかりハンカチを握りしめ準備して鑑賞に望んだ。けれども、まったく泣けなかったのだ。
特に、余計なフィクション演出の場面ほど、非常に鼻についてしまった。
・「雨ニモマケズ」から始まる書きつけは賢治の死後に発見されたものであり、亡くなる時に父が読み上げるはずがない。実際、詩かどうかすらわからないシロモノだ。(褒められたのは、亡くなる日の朝、父に「国訳の妙法蓮華経を一千部作ってください」と語った件についてだ)
・父、政次郎は私財を投じて仏教会(浄土真宗)を主催し、地域の民生・調停委員として800件以上もの紛争を解決に導いた人物。
賢治は大乗仏教である妙法蓮華経に激しい感銘を受け、父を折伏しようとしばしば大口論を繰り広げたが、映画のような奇行はしていない。
トシの葬儀は浄土真宗だった為に参列せず、出棺時に現れて棺を担ぎ、遺骨の半分を国柱会本部に収めた。
・短歌や短編を書き出したのは、トシの結核がきっかけではなく、盛岡高等農林学校(現・岩手大学)在校時にすでに同人誌発行したり家族に朗読したりしている。
・先祖代々(と言っても祖父の祖父から)続いた家業は呉服屋。質屋は分家としてほとんど相続が無かった祖父が始めたもので実質的には古着屋メイン。金貸しというよりユーズドショップだった。
上記部分を脚色するのもわからないでもないが、何もこんな演出をせずとも賢治の人生に深掘りすべき箇所は山ほどある。
特に羅須地人協会の3年間だ。
・6年間勤めた農学校教諭の職を捨て「本物の百姓」になろうとする。しかし、年長の農民達からは金持ちの道楽と見做され野菜をすべて盗まれるなどの嫌がらせも頻繁だった。
・3日間だけ東京へ出向いてチェロの特訓をし、知人楽団員達と羅須地人協会にて演奏会をしようとしたが、上手くいかず中止に。(この時、演奏のお詫びに作って聞かせた童話が「セロ弾きのゴーシュ」の原型)
・徹底した菜食、農民達同様に栄養失調を招くレベルの粗食を貫く。
肺炎が悪化しても「生き物の命を取るくらいなら死んだほうがいい」と言って、卵や牛乳すら拒否した。
羅須地人協会の日々で賢治は「個人の限界を嫌というほど思い知らされ、のちに己を客観的に俯瞰した反省と苦渋をしたためている。
この辺りをもっと丁寧に映像化するだけでも「宮沢賢治の父」をする事がいかに大変な偉業であったか描き出せるはずだ。
それを中途半端なカット程度に挿入しているから羅須地人協会時代のエピソードを知らない鑑賞者から見れば「話の筋脈から考えて不要なシーン」と見做されてしまうだろう。
また、賢治の名誉の為に正しておきたい点もいくつか。
・自費出版本がまったく売れなかったのは「価格」によるところが大きい。
表紙や装丁に非常にこだわった為に、現代に換算すると「春と修羅」は1万円、「注文の多い料理店」は6400円くらいだったのだ。いくら書評が良くとも無名新人作家の詩集や童話集をこの高額で買う物好きはいないだろう。
(注文の多い料理店はタイトルから「経営指南書」だと勘違いされがちだったし)
・学業成績は決して悪くはなく、小学校では全科目甲(オールA)
旧制中学では進学出来ない将来を悲観して成績が落ち込んだが、政次郎のおかげで祖父を説得し進学を許されたあとは実力を発揮。
旧制高校は主席で入学。入学式総代を務め、2年次からは授業料免除の特待生に選ばれている。
・本は売れずとも生前から文壇で評価され、作家の知人も多かった。
死後に多数の遺稿を出版したのは父ではなく草野新平達の尽力によるもの。
以上、ごく簡単に目立った話だけ書いてみたが、これだけでも賢治は非常にこだわりの強い、なかなか大変な人物だとわかるだろう。
勘当同然ならいざ知らず、愛情深く支えたならば「賢治の父」は本当に大変だったと思うし、ドラマティックなエピソードも山ほどあるのだ。
「宮沢賢治」「雨ニモマケズ」という2大ブランドをちらつかせて、なんとなくわかったような気分にさせるのではなく「宮沢賢治」を深掘りして、そこから「父の苦悩と深い愛情」を描きだして欲しかった。
あまりに不完全燃焼だったので、勢いで観る予定のなかった「聖闘士星矢」をハシゴ鑑賞してしまったのは内緒であるw
役所広司最高!
役所広司の存在感がハンパないです。
息子を愛する父親の気持ちがもの凄く伝わってきます。
また、娘のトシもところどころ存在感を出してました。
反面、菅田将暉演じる宮沢賢治の存在感がないのが少し残念でした。宮沢賢治の人柄なのか?ずっと単調な喋りで感情の起伏がない感じです。
個人的には、妹のトシが結核に感染して療養してる時に宮沢賢治が小説を読み聞かせしているシーンはもっと時間をとっても良かったのではないかと思います。逆に宗教団体に加入に行くシーンとかは、ほぼなくてもよかったような?
役所さんが1人で引っ張ってる感じがある映画でした。
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