銀河鉄道の父のレビュー・感想・評価
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親と子の絆とすれ違い
個人の感想と解釈であることをご了承の程よろしくお願い致します。
映画とは不思議な縁で結ばれています。
今日は映画館にくる予定ではなかった。
映画を観るなら他に観たいものもあった。
でも、自分の今の気持ちと上映時間のタイミングで
本作を観ることにしました。
とても観てよかった。
この作品に出会えてよかった。
もし、今日出会えてなければ
配信になってからもこの作品を観ることはなかったとも思います。
子供に先立たれた親の目線で観ると、
どんなに振り回されていいから
どんな生き方でもいいから
長く生きて欲しいと思う気持ちはわかります。
親を散々振り回した子供の目線で観ると、
本当に申し訳ありません。
もう僕には何もできない。
どうすることもできない。
こんな子供でごめんなさい。
と思う気持ちもわかります。
親は子供の1番の理解者でありたいと努力をするものです。
子供は親に認めてもらいたいものです。
そこがちょっとの感情のすれ違いでうまくいかなくなったりもします。
親の心、子知らず。
されど子の心、親も知れず。
だからこそ、お互いに元気なうちに、
会えるうちに、
話せるうちに、
一言でも多く会話して
素直な気持ちをちゃんとはっきりと
伝えておかなきゃいけない。
って思いました。
子供が親より先に亡くなるのは親不幸だということも理解できます。
残された親は生きているだけで罪悪感を感じから。
自分自身も高齢の親よりも一日でも長く生きていなきゃと思います。
でも、亡くなった子供が親不幸だとは全く思いません。
自分も最後は
「ありがとうございました」
と言って旅立ちたいと心に決めました。
素晴らしい作品に出会えてよかったです。
リアルな感じの賢治像
親ばがだな、おどうさんは
私にはわからない映画
宮沢賢治を識りたくて見る。役所と七菜ちゃんは良かったけど、菅田将暉...
宮沢賢治を識りたくて見る。役所と七菜ちゃんは良かったけど、菅田将暉は、別の賢治が見たかったし。のそっとした感じの。
永訣の朝の詩は好きだったので泣いた。
メソメソしたシーンが長すぎて退屈した。
方言が良かった。
あのお父さんが本当に凄いのは、 宮沢賢治の死後なんじゃないの? ま...
あのお父さんが本当に凄いのは、
宮沢賢治の死後なんじゃないの?
まさかその後がないとは思わなかった。
思わせぶりなタイトルだけに、とても残念!
原作は知らないけど、
原作自体がそこで終わってるとかなの?
もしタイトル違っててストーリー的に納得できたとしても、
でもちょっと物足りない感じが拭えない作品だった。
「綺麗に死ね」
不安定ながら、父目線のため心情の説明がされない賢治を菅田将暉が(たまにあばれる君に見えるくらい)好演。
役所広司も硬軟織り交ぜた名演で全体を支えるが、そんな中で本作の鍵となるのはやはりトシを演じた森七菜。
父の説得から病床の姿まで、素朴ながら芯のある姿は彼女ならではの奥行きが感じられた。
また、本人のみならず賢治が死に取り乱さなかったことも、「綺麗に死ね」の言葉があってこそ。
登場シーンが劇中で最も画面が明るかったことが象徴するように、宮澤家を照らす存在でした。
ただ、話が断片的な上に“間”を取らずカットが切り替わることが、切り貼り感に繋がっていて残念。
子供がカメラをガン見していた祖父の葬列シーンは撮り直しもカットもせず、画的には素敵だが話的には完全に不要なチェロのシーンは入れる。
わざとらしいスロー演出なども含め、引き算ができずに各シーンの余韻が殺された印象です。
母親が「最後くらい」と清拭をする場面も、それまでの“添え物感”が強すぎて、今さら我を出されてもと感じてしまった。
タイトルも惹句としては素晴らしいが、内容的には『銀河鉄道の夜』を引くには違和感があります。
しかしながら、政次郎が『雨ニモマケズ』を暗唱し慟哭するシーンでは涙腺が緩んだ。
「質屋を継げ」に対する反応で賢治の変化を、ランプの火の調整(賢治は小から大、政次郎は大から小)で二人の違いを出すのも上手い。
惜しい点はありましたが、演技も画作りも十分に良かったです。
久々に感動の純文学映画!
昔は跡継ぎとして生まれた男子には、家を途絶えさせない為の使命があり、それも含めて長男が生まれた時の父親政次郎の喜びようを観ていたら、私の父親もこうして我が長兄の誕生を喜んだのだろうなと、長兄に甘々だったことに嫉妬していた自分の子どもの頃を思い出した。
そして、思春期の真っただ中の賢治が少々狂気を帯びて反抗する場面ではちょっと引いたが、その激しい感情の迸りを父親役の役所さんがまるっと包み込んでくれるので、あとは賢治が大人になって行くのをただただ観て待った。
だけど、待っていたら。。。。悲しい結末が襲って来て、気が付けば私の頬から涙がとめどなく流れていた。
辛いとか、悲しいとか、そんな言葉では表現できない「死」という現実を見せつけられたけれど、父政次郎はそれを乗り越えて、作家宮沢賢治を作り上げた。
私の両親はすでに他界しており、母親とは大人になってから女同士としていろんなことを話をしたし無条件に尊敬しているが、父親とは大人になってからもずっと疎遠なままで、父親とも生きている間にもっといろんな話をしておけば良かったと寂しい思いが後を引いた。
STAR
宮澤家の家族愛
知ってるようで全然知らなかった
注文の多い料理店が好きでした。宮澤賢治が世間に知られたのは亡くなってからだったんですねー。昔の岩手の風景がすてきだったのと、人の一生て儚いなあと思った全体的には良い話でしたが、欲を言えばお父さんと宮澤賢治の子供の頃の関わりをもっと知りたかったかなあ。あっという間に大きくなってしまったので。
宮沢鉄道に乗って
宮沢賢治の著作を愛読したり、特別思い入れあるって訳じゃないが、それでも子供の頃『銀河鉄道の夜』が国語の題材であったり、ちょっとかじって読んでみたり、アニメ映画を見たり、1996年には伝記映画が2本競作された事を覚えているなど、自分の人生に於いても少なからず宮沢賢治に触れている。
本作はそんな宮沢賢治のただの伝記映画ではない。
宮沢賢治の生涯も勿論描かれているが、と同時に、父の物語でもある。
父・宮沢政次郎。
あの宮沢賢治の父という事もあって、この父も知られた人物。
自身も父から代々引き継いできた家業の質屋の主人。厳格な父だったという。
息子に店を継がせたいが、別の道を歩みたい息子と度々衝突。
やがて息子の文才を認め、宮沢賢治の一番の読者に。
本作は“銀河鉄道の生みの親”と、“銀河鉄道の父”と、父と息子のレール(物語)である。
大森一樹監督の1996年の『わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語』で政次郎を演じていたのは、渡哲也。威厳と貫禄たっぷりだった事を記憶している。
本作で演じるは、役所広司。名演や存在感は言うまでもないが、役所広司が演じた事により、滲み溢れ出すたっぷりの人間味。
とにかく、親バカなのだ。
待望の第一子(賢治)誕生を聞き、急いで帰る。
賢治が赤痢で入院した時、父や妻の制止を振りほどき、病院に付きっきりで看病。
その溺愛ぶり。晴れて本を出版。鼻が高いが、書店で大量の売れ残り。それを全部買い占め。親ならあるあるなのかな…?
だからこそ、衝突もしょっちゅう。
反対したり、理解したり、唖然とさせられたり、叱咤激励を送ったり…。
賢治の絶命の寸前、賢治の本の文章を朗読。それくらい、息子の本を愛読していた。文字通りの一番の読者。
初めて褒められたと賢治は意識も絶え絶えに喜ぶが、父は昔から息子の成長を称え、褒めていた。
政次郎にとって賢治は、愛息で誇りだった。
生前は日の目を見なかった賢治。作品や再評価されたのは死後。
37歳という若さで没したが、その生涯は全うした人生以上。自分のやりたい事を父と衝突してまで貫き通し、かと思えば五里霧中。
元々は物書き。家業の跡継ぎは拒絶し、進学を望み、事業(人造宝石)を始めたいと言い出し、次は信仰に生きる。
政次郎じゃないが、息子は一体何をしたいんだ…?
自分の歩む道が見出だせない。自分は何をしたいのか、何の為に生きているのか、自問自答と苦悩の連続。
今を生きる若者と被る。日本文学の偉人も、我々と同じ悩み多き若者であった。
やがて、自分の道を見出だす。農業や、再び物書き。
地に足を付け、農民の視線に立って。“雨ニモマケズ風ニモマケズ”の有名な一説は、農民たちを謳ったかのよう。
農民の視線に立て。かつて父が言ったように。父の望む道には進まなかったが、父の思いは受け継いだ。
賢治の文才は、信仰や人生観、周りや家族、触れ、育み、生き学んできたもの全てから。賢治の魂と心の結晶。
人に寄り添った賢治を、菅田将暉が好演。
意外にも初共演の役所広司と菅田将暉。共に現日本映画界を担う存在。演技合戦やそこから体現する親子の愛情はさすが。
主に政次郎と賢治の父子の物語がメインだが、取り巻く家族、特に妹・トシの存在も大きい。
早逝した賢治だが、トシも。僅か24歳。当時不治の病であった結核により…。
かつて描かれた作品でも本作でも病に伏した姿が多く、儚げで薄幸なイメージもあるが、実際は芯の強い女性。
学業も優秀で、読書好き。兄の一番の理解者。
進学を巡って父と兄が衝突した時、その聡明さで父を説得。
圧巻だったのは、祖父の惚けが進み発狂した時、家族皆戸惑う中、祖父の頬を打ち、抱き締める。
強さと、包み込む慈愛。
家族の中の純真な心。見始めは力量不足かなと思った森七菜だが、見ていく内に様になり、臨終の演技は胸打った。
兄が執筆した物語を何より楽しみにしていたトシ。
病に伏した妹を喜ばす為、物語を書く賢治。
しかし、その妹はもう居ない…。自分の物語は誰の事も救えない…。
悲しみに暮れる息子を奮い立たせる政次郎。
息子の物書きを反対していたが、その物書きを続けるよう。
読者は居る。一番の読者の自分のように。
誰の事も救えない事なんてない。現に妹は元気付けられた。
賢治が創り出していく物語は、読む人の心に響く大きな愛となって。
成島出監督の演出は誠実。話題のアニメーションやエンタメ作がひしめき合う現国内興行に於いて、ストレートな良心作。邦画らしい邦画。
それ故地味にも映り、作りも淡白でもある点も少々否めない。
『銀河鉄道の夜』のようにもっと深く、もしくは格調高い文芸作を期待したら、ちと物足りないかもしれない。
が、本作はあくまで普遍的な家族の物語。それに徹した作りは好感持てる。
いきものがかりのエンドソングは確かに作品に合ってなかった…。
賢治は農業と執筆の二足のわらじ。
政次郎は質屋を店じまいするも、次男が新たな事業を開く。
愛娘の死を乗り越え、家族は各々歩み出し、後は安泰…。
…ではなかった。再びこの家族を、病魔が襲う。賢治が妹と同じ結核。死が迫る…。
子が親より先に逝く。しかも、二人も。
私は子は無いが、その心中は察する。政次郎の悲しみは計り知れない。
人の生死は抗えない。物語のようにはいかない。
が、短い生涯であっても、あまりにも突然の死別であっても、紡がれたレール(愛)は生き続ける。
銀河鉄道に乗って、また会う事が出来る。
我々はその愛の形や物語に、ずっと魅了され続ける。
親の愛
子の死を看取る親の視点だから、悲しくも、親の愛を最大限に描いていました。
実話ベースにエンタメにした小説の、さらに映画化ということで、史実とは異なる終わり方をしていました。
実際は、賢治の死後に詩人の草野心平ら文学同人メンバーの努力によって、賢治の名と作品は世に広く知られることになったはずだから。
(どうなってるかは映画をこれから観る人に配慮して書きませんが)
その草野心平の同人誌に参加したり、農学校で学び直し教鞭を取って収入を得たりなどの部分をカットしちゃって、なんで「今の時代に至り賢治が一般に普及するほど評価されたの?」ってのが、わかんない構成になっちゃっているのがまず不満。
そして、自分が調べて知ったことから持ってたイメージとの乖離のせいなので、作品が悪いというわけでもないかもしれないのですが……
死に瀕したあたりの賢治を物分かりよく、悟った感じで描いて美化しすぎ、文学者たる彼の「狂気」という本質を逃しているような気までして。
さらに妙に長回しだったり、顔への寄りが多くアップばかりなのに手持ちカメラで画面が揺れたりが気になって、画面に集中していると妙に目が疲れるし。
役所広司がいい役者だなぁ、と思って終わり。
両親の、子どもたちに対する愛情と、賢治のキラキラした純粋な瞳が、印...
あめにもまけず
「あめにもまけず~そういうものにわたしはなりたい」
宮沢賢治は最後の最後まで「そういうもの」であろうと生きた人なんだろうなぁ
実際は分からないけど、賢治が死ぬ間際に訪れた農民の前に、真っ白な足袋をはいて現れた姿には、賢治の生き様を見せつけられたようだった
政次郎の「たくさん褒めただろう!立って歩いたときも梨を食べたときも!」という台詞にはグッと来てしまった
こどもはきっと覚えていないけど、親は可愛い可愛い、いい子いい子って育てきた
親になった人、こどもの立場の人、このシーンはお見逃しなく!
役所広司さんは言うことなしで素敵でした
似合ってたな~政次郎の役柄!
意外だったのは森七菜ちゃん!
いつこんないい女優さんになったんだろう?
宮沢賢治のことをあまり知らない人でも気軽に観られる映画でした
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