銀河鉄道の父のレビュー・感想・評価
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私にはわからない映画
誘われて観た映画で、文学の世界とか、よくわからないし、宮沢賢治もらあまり読んだことがないので、わたしにとっては、つまらない映画だった。好きな人には凄くいい映画なんだと思う。俳優さん達は、素晴らしい演技だし。世界観はいいのだろうけど、ゆっくりと落ち着いた感じの流れだけど、一生を描いてるので、なんかひとつひとつに感情移入ができなかった。
詳しい人とかには、わかるんだろうけど。
宮沢賢治を識りたくて見る。役所と七菜ちゃんは良かったけど、菅田将暉...
宮沢賢治を識りたくて見る。役所と七菜ちゃんは良かったけど、菅田将暉は、別の賢治が見たかったし。のそっとした感じの。
永訣の朝の詩は好きだったので泣いた。
メソメソしたシーンが長すぎて退屈した。
方言が良かった。
あのお父さんが本当に凄いのは、 宮沢賢治の死後なんじゃないの? ま...
あのお父さんが本当に凄いのは、
宮沢賢治の死後なんじゃないの?
まさかその後がないとは思わなかった。
思わせぶりなタイトルだけに、とても残念!
原作は知らないけど、
原作自体がそこで終わってるとかなの?
もしタイトル違っててストーリー的に納得できたとしても、
でもちょっと物足りない感じが拭えない作品だった。
「綺麗に死ね」
不安定ながら、父目線のため心情の説明がされない賢治を菅田将暉が(たまにあばれる君に見えるくらい)好演。
役所広司も硬軟織り交ぜた名演で全体を支えるが、そんな中で本作の鍵となるのはやはりトシを演じた森七菜。
父の説得から病床の姿まで、素朴ながら芯のある姿は彼女ならではの奥行きが感じられた。
また、本人のみならず賢治が死に取り乱さなかったことも、「綺麗に死ね」の言葉があってこそ。
登場シーンが劇中で最も画面が明るかったことが象徴するように、宮澤家を照らす存在でした。
ただ、話が断片的な上に“間”を取らずカットが切り替わることが、切り貼り感に繋がっていて残念。
子供がカメラをガン見していた祖父の葬列シーンは撮り直しもカットもせず、画的には素敵だが話的には完全に不要なチェロのシーンは入れる。
わざとらしいスロー演出なども含め、引き算ができずに各シーンの余韻が殺された印象です。
母親が「最後くらい」と清拭をする場面も、それまでの“添え物感”が強すぎて、今さら我を出されてもと感じてしまった。
タイトルも惹句としては素晴らしいが、内容的には『銀河鉄道の夜』を引くには違和感があります。
しかしながら、政次郎が『雨ニモマケズ』を暗唱し慟哭するシーンでは涙腺が緩んだ。
「質屋を継げ」に対する反応で賢治の変化を、ランプの火の調整(賢治は小から大、政次郎は大から小)で二人の違いを出すのも上手い。
惜しい点はありましたが、演技も画作りも十分に良かったです。
久々に感動の純文学映画!
昔は跡継ぎとして生まれた男子には、家を途絶えさせない為の使命があり、それも含めて長男が生まれた時の父親政次郎の喜びようを観ていたら、私の父親もこうして我が長兄の誕生を喜んだのだろうなと、長兄に甘々だったことに嫉妬していた自分の子どもの頃を思い出した。
そして、思春期の真っただ中の賢治が少々狂気を帯びて反抗する場面ではちょっと引いたが、その激しい感情の迸りを父親役の役所さんがまるっと包み込んでくれるので、あとは賢治が大人になって行くのをただただ観て待った。
だけど、待っていたら。。。。悲しい結末が襲って来て、気が付けば私の頬から涙がとめどなく流れていた。
辛いとか、悲しいとか、そんな言葉では表現できない「死」という現実を見せつけられたけれど、父政次郎はそれを乗り越えて、作家宮沢賢治を作り上げた。
私の両親はすでに他界しており、母親とは大人になってから女同士としていろんなことを話をしたし無条件に尊敬しているが、父親とは大人になってからもずっと疎遠なままで、父親とも生きている間にもっといろんな話をしておけば良かったと寂しい思いが後を引いた。
STAR
宮沢賢治が死後に有名なったという話は歴史の授業なんかで習っていましたが、作品自体は知っていても、生涯に関してはざっくりとしか知らないなと思い鑑賞。
まぁ泣かせにはくるよなぁといった感じで、そこが見え見えだったところで少し冷めてしまいましたが、役者陣の熱演は光りまくりでした。
宮沢賢治の父として、宮沢賢治の家族として、彼の功績を残すために奔走した後の物語の方が気になったかなぁというのが最終的な感想でした。体調のコンディションがすこぶる良い時にまた観に行こうかなと思います。
鑑賞日 5/8
鑑賞時間 15:20〜17:35
座席 K-2
宮澤家の家族愛
宮沢賢治は銀河鉄道の夜❔とテストの為に覚えたくらいしかないない中での観賞
ピカソみたいに生前に有名になれなかったんだ〰️てのが感想
家業が質屋→金物屋というのも以外
内容は、別に宮沢賢治でなくても有るかな〰️のシチュレーション
知ってるようで全然知らなかった
注文の多い料理店が好きでした。宮澤賢治が世間に知られたのは亡くなってからだったんですねー。昔の岩手の風景がすてきだったのと、人の一生て儚いなあと思った全体的には良い話でしたが、欲を言えばお父さんと宮澤賢治の子供の頃の関わりをもっと知りたかったかなあ。あっという間に大きくなってしまったので。
宮沢鉄道に乗って
宮沢賢治の著作を愛読したり、特別思い入れあるって訳じゃないが、それでも子供の頃『銀河鉄道の夜』が国語の題材であったり、ちょっとかじって読んでみたり、アニメ映画を見たり、1996年には伝記映画が2本競作された事を覚えているなど、自分の人生に於いても少なからず宮沢賢治に触れている。
本作はそんな宮沢賢治のただの伝記映画ではない。
宮沢賢治の生涯も勿論描かれているが、と同時に、父の物語でもある。
父・宮沢政次郎。
あの宮沢賢治の父という事もあって、この父も知られた人物。
自身も父から代々引き継いできた家業の質屋の主人。厳格な父だったという。
息子に店を継がせたいが、別の道を歩みたい息子と度々衝突。
やがて息子の文才を認め、宮沢賢治の一番の読者に。
本作は“銀河鉄道の生みの親”と、“銀河鉄道の父”と、父と息子のレール(物語)である。
大森一樹監督の1996年の『わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語』で政次郎を演じていたのは、渡哲也。威厳と貫禄たっぷりだった事を記憶している。
本作で演じるは、役所広司。名演や存在感は言うまでもないが、役所広司が演じた事により、滲み溢れ出すたっぷりの人間味。
とにかく、親バカなのだ。
待望の第一子(賢治)誕生を聞き、急いで帰る。
賢治が赤痢で入院した時、父や妻の制止を振りほどき、病院に付きっきりで看病。
その溺愛ぶり。晴れて本を出版。鼻が高いが、書店で大量の売れ残り。それを全部買い占め。親ならあるあるなのかな…?
だからこそ、衝突もしょっちゅう。
反対したり、理解したり、唖然とさせられたり、叱咤激励を送ったり…。
賢治の絶命の寸前、賢治の本の文章を朗読。それくらい、息子の本を愛読していた。文字通りの一番の読者。
初めて褒められたと賢治は意識も絶え絶えに喜ぶが、父は昔から息子の成長を称え、褒めていた。
政次郎にとって賢治は、愛息で誇りだった。
生前は日の目を見なかった賢治。作品や再評価されたのは死後。
37歳という若さで没したが、その生涯は全うした人生以上。自分のやりたい事を父と衝突してまで貫き通し、かと思えば五里霧中。
元々は物書き。家業の跡継ぎは拒絶し、進学を望み、事業(人造宝石)を始めたいと言い出し、次は信仰に生きる。
政次郎じゃないが、息子は一体何をしたいんだ…?
自分の歩む道が見出だせない。自分は何をしたいのか、何の為に生きているのか、自問自答と苦悩の連続。
今を生きる若者と被る。日本文学の偉人も、我々と同じ悩み多き若者であった。
やがて、自分の道を見出だす。農業や、再び物書き。
地に足を付け、農民の視線に立って。“雨ニモマケズ風ニモマケズ”の有名な一説は、農民たちを謳ったかのよう。
農民の視線に立て。かつて父が言ったように。父の望む道には進まなかったが、父の思いは受け継いだ。
賢治の文才は、信仰や人生観、周りや家族、触れ、育み、生き学んできたもの全てから。賢治の魂と心の結晶。
人に寄り添った賢治を、菅田将暉が好演。
意外にも初共演の役所広司と菅田将暉。共に現日本映画界を担う存在。演技合戦やそこから体現する親子の愛情はさすが。
主に政次郎と賢治の父子の物語がメインだが、取り巻く家族、特に妹・トシの存在も大きい。
早逝した賢治だが、トシも。僅か24歳。当時不治の病であった結核により…。
かつて描かれた作品でも本作でも病に伏した姿が多く、儚げで薄幸なイメージもあるが、実際は芯の強い女性。
学業も優秀で、読書好き。兄の一番の理解者。
進学を巡って父と兄が衝突した時、その聡明さで父を説得。
圧巻だったのは、祖父の惚けが進み発狂した時、家族皆戸惑う中、祖父の頬を打ち、抱き締める。
強さと、包み込む慈愛。
家族の中の純真な心。見始めは力量不足かなと思った森七菜だが、見ていく内に様になり、臨終の演技は胸打った。
兄が執筆した物語を何より楽しみにしていたトシ。
病に伏した妹を喜ばす為、物語を書く賢治。
しかし、その妹はもう居ない…。自分の物語は誰の事も救えない…。
悲しみに暮れる息子を奮い立たせる政次郎。
息子の物書きを反対していたが、その物書きを続けるよう。
読者は居る。一番の読者の自分のように。
誰の事も救えない事なんてない。現に妹は元気付けられた。
賢治が創り出していく物語は、読む人の心に響く大きな愛となって。
成島出監督の演出は誠実。話題のアニメーションやエンタメ作がひしめき合う現国内興行に於いて、ストレートな良心作。邦画らしい邦画。
それ故地味にも映り、作りも淡白でもある点も少々否めない。
『銀河鉄道の夜』のようにもっと深く、もしくは格調高い文芸作を期待したら、ちと物足りないかもしれない。
が、本作はあくまで普遍的な家族の物語。それに徹した作りは好感持てる。
いきものがかりのエンドソングは確かに作品に合ってなかった…。
賢治は農業と執筆の二足のわらじ。
政次郎は質屋を店じまいするも、次男が新たな事業を開く。
愛娘の死を乗り越え、家族は各々歩み出し、後は安泰…。
…ではなかった。再びこの家族を、病魔が襲う。賢治が妹と同じ結核。死が迫る…。
子が親より先に逝く。しかも、二人も。
私は子は無いが、その心中は察する。政次郎の悲しみは計り知れない。
人の生死は抗えない。物語のようにはいかない。
が、短い生涯であっても、あまりにも突然の死別であっても、紡がれたレール(愛)は生き続ける。
銀河鉄道に乗って、また会う事が出来る。
我々はその愛の形や物語に、ずっと魅了され続ける。
親の愛
子の死を看取る親の視点だから、悲しくも、親の愛を最大限に描いていました。
実話ベースにエンタメにした小説の、さらに映画化ということで、史実とは異なる終わり方をしていました。
実際は、賢治の死後に詩人の草野心平ら文学同人メンバーの努力によって、賢治の名と作品は世に広く知られることになったはずだから。
(どうなってるかは映画をこれから観る人に配慮して書きませんが)
その草野心平の同人誌に参加したり、農学校で学び直し教鞭を取って収入を得たりなどの部分をカットしちゃって、なんで「今の時代に至り賢治が一般に普及するほど評価されたの?」ってのが、わかんない構成になっちゃっているのがまず不満。
そして、自分が調べて知ったことから持ってたイメージとの乖離のせいなので、作品が悪いというわけでもないかもしれないのですが……
死に瀕したあたりの賢治を物分かりよく、悟った感じで描いて美化しすぎ、文学者たる彼の「狂気」という本質を逃しているような気までして。
さらに妙に長回しだったり、顔への寄りが多くアップばかりなのに手持ちカメラで画面が揺れたりが気になって、画面に集中していると妙に目が疲れるし。
役所広司がいい役者だなぁ、と思って終わり。
両親の、子どもたちに対する愛情と、賢治のキラキラした純粋な瞳が、印...
両親の、子どもたちに対する愛情と、賢治のキラキラした純粋な瞳が、印象に残った。
世の中には、他人を傷付ける人もいる一方で、賢治たち家族のように深い愛情を持てる人もいるけれど、その違いは何か。
賢治のように、人から愛情を受けることで、他人に対しても愛情を持って接することができるのではないか。
そうであれば、より多くの人が、他人に親切にすることで、世の中は良くなるのではないかと思う。
ただ、善人を騙す人もいるから難しい。
宮澤賢治の物語が、読み聞かせると分かりやすく、楽しく聞こえるのは、読み聞かせるために作られたからなのかもしれないと思った。
あめにもまけず
「あめにもまけず~そういうものにわたしはなりたい」
宮沢賢治は最後の最後まで「そういうもの」であろうと生きた人なんだろうなぁ
実際は分からないけど、賢治が死ぬ間際に訪れた農民の前に、真っ白な足袋をはいて現れた姿には、賢治の生き様を見せつけられたようだった
政次郎の「たくさん褒めただろう!立って歩いたときも梨を食べたときも!」という台詞にはグッと来てしまった
こどもはきっと覚えていないけど、親は可愛い可愛い、いい子いい子って育てきた
親になった人、こどもの立場の人、このシーンはお見逃しなく!
役所広司さんは言うことなしで素敵でした
似合ってたな~政次郎の役柄!
意外だったのは森七菜ちゃん!
いつこんないい女優さんになったんだろう?
宮沢賢治のことをあまり知らない人でも気軽に観られる映画でした
よい映画だと思ったけど、賢治の修羅が見たかった。
宮沢賢治と言えば、父親との間に確執を抱えていたと本で読んだことがある。
映画にも出てきたように、父は浄土真宗、賢治は日蓮宗。
それが確執の一因であるという評論。
しかし、この映画を観る限りでは、その評論がなにかの間違いではないかと思わせるほど、父と賢治の間に家族愛が溢れていることが伺える。
事実どうだったかということは分からないが、愛情深い父親に育てられたように描かれている。
また父親との間だけではない、途中で亡くなった賢治の祖父や妹、それに母との間にも深い確かな絆がある。
宮沢賢治は『春と修羅』という詩において、
「四月の気層のひかりの底をつばきし歯軋り行き来する俺はひとりの修羅なのだ」
と語っており、私は賢治が苦悩いっぱいの人生を送った人間かのように勘違いしていたのかもしれない。
それともこの映画がそうした賢治の闇の一面をあえて描かなかったのか。
作中に「このままでは私は修羅に堕ちる」と賢治が父親に言うシーンがあったけれど、この映画の心温まるような家族愛のなかでは、その言葉の真意は読み取れない。
全体を通して、自分の人生について考えさせられたし、よい映画だと思ったけれど、一つ欲を言うなら、修羅について語る賢治のその修羅というものがなんだったのか見てみたかった。
全体としては、家族愛の溢れた心温まるよい映画だった。
あと、雪の降る情景が綺麗だった。
面白くならないはずがない、のにならない
直木賞受賞作の原作。
主役が安定の、というか安定すぎる絶対間違いのない役所広司と菅田将暉。加えてお母さん役が板についてきた坂井真紀。若手実力派の森七菜とベテランの田中泯。
面白くならないはずがない、のにならない。
ワクワクしない。
セット、衣装、美術、ロケーション、演者、どこを切り取っても絵になる。見事な映像。なのに、
見せ場になると邪魔をしてくる、朝の連続テレビ小説のような音楽と、寄ったり揺れたり転けたりと目が回りそうなカメラワーク。
感動はする。子を思う親の心。子を失う親の悲しさ。
期待以上でも以下でもない。
ワクワクしない。
東宝でも東映でも松竹でもない木下グループの製作。
ヒットしてほしいけど、公開三日目にして観客2人。
とても残念だけど、主演の2人以外に魅かれるものがないから仕方ないのかな。
今作に限らず、若い人や普段映画を観ない人たちを映画館まで引っ張ってくるような魅力のある作品が少ないように思う。
平日の映画館はシニア料金の年寄りばかり。
教授が亡くなって思い出したけど、「戦場のメリークリスマス」が公開された時なんて本当にワクワクした。
大島渚がメガホンとった日英合作、戦争映画、デビッド・ボウイと坂本龍一とビートたけし(まだ世界の北野じゃなかった)が主演。どんなものが見れるんだろうと公開が待ち遠しくて仕方なかったな。古い話でごめんなさい。
ああいった思いをすることがなくなったのは年をとったからなのかな。
親でありすぎる!
「銀河鉄道の夜」等の著作で名高い、宮澤賢治の父・政次郎を主人公とした作品であるが、それと同時に、宮澤賢治の一生をも描いている。宮澤賢治自身の人生についてはなんとなく聞き覚えがあったし、それこそ「銀河鉄道の夜」などは子どもの頃に読んだ記憶があるものの、政次郎がどのような人物であったのかという予備知識は全くないまま作品を鑑賞した。
一言でいえば「親バカ」である。そのことはことは作中でも語られている。さらには「親でありすぎる」という(祖父・喜助の談)名言(?)まで飛び出す。「イクメン」というのは現代用語だが、母親が家を守りながら子育てをするのが当然であった時代においては、とかく異質な存在として描かれたことは確かである。賢治は亡くなるまでひたすらに政次郎の愛情に支えられた。親子関係は一筋縄ではいかないこともあったが、賢治の存在を誰よりも肯定したのは政次郎であった。
作品のカギを握るもう一人の人物は、賢治の妹・ヨシである。キーパソンであるがゆえに、やや強引にストーリーの中にねじ込まれたような感じも否めないが、賢治が子どもの頃に書いた物語作品を最も愛し、その才能を誰よりも感じていた読者である。彼女の存在を措いて宮澤賢治の文学作品は決して誕生しなかったであろう。
この物語は、政次郎の物語であると同時に、賢治の物語でもある。ネタバレとなるのであまり書けないが、宮澤賢治という名が世に知れ渡る以前から描かれているので、ぜひ彼の人生を知るきっかけとして鑑賞していただきたい。
宮澤家のホームドラマ。 映画とは全く関係ないが、僕は雨にも風にも負ける。
映画のタイトルどおり宮沢賢治の父政次郎の物語。NHKの朝の連ドラの感じで、宮澤家のホームドラマ。役所広司さんの演技には引き込まれてしまう。人に歴史有りだから、質屋のオヤジの人生にもイロイロあるが、ドラマチックではない。
息子の賢治はビッグネームだから、こちらのエピソードのほうがやはり気になる。生前は売れなかったのは初めて知った。
映画で妹トシが結核だと知ったときは、見ていて暗い気持ちになった。あの時代の結核は不治の病だ。映画を見たあと結核を検索したら、結核は昔の病気ではなく現代の病気でもあると知り驚いた。
全てが事実というわけではなく、映画的な演出もあると思うが、観賞後はしみじみとした良い映画を見たと思える満足感があった。
私は「雪渡り」が1番好きで、お気に入りのフレーズは「狐なんてうまくやってるネ」。 たまに頭の中でブツブツつぶやく。2番目は詩みたいな童話 「やまなし」で、なんかクラムボンとか出てきて何じゃコリャみたいな話でお気に入り。
2023/5/7(日) A
ごめんなさい泣けませんでした。
原作は未読であるが、直木賞をとった作品だと言うし、出演者も名だたる俳優さん揃い。
宮沢賢治の作品をいくつも読んだ私は、当然、期待値があがる。
映像は綺麗だなと思った。
話が断片的すぎる。実話エピソードの短編映像を繋げました感。
父親目線の宮沢賢治の生涯だからか、とにかく、話が淡々と進む。
そして、「はい、ここは笑うところ」「はい、ここは泣き所ね」と押し付けられる感が半端ない。
役所広司さん、名演なのに、活かしきれてない。この話なら、役所広司さんではなく、お医者さん役の益岡徹さんの方が、賢治の父の雰囲気ある気がする。
菅田将暉さんは、素敵過ぎて、眼がキラキラしていて、純粋そのものと言った感じで、宮沢賢治の文章から感じるシニカルさが全く感じとれない。(賢治の卑屈さ加減は重要ではないか?)
宮沢賢治の作品は、いくつもあるのに、有名な(学校で習う)作品を使いましたって感じ。だから、余計に宮沢賢治のシニカルさが伝わらない。
エンディング曲は、劇中の菅田将暉さんの「星めぐりの歌」からオーケストラの「新世界より」に流れた方が、銀河鉄道の夜風味のエンディングの雰囲気を壊さなかったのではないか?
いきものがかりは嫌いじゃないが、余韻にひたれる感じではない。(いきものがかりは恋愛映画向けな気がする。)
申し訳ないが、登場人物の誰にも感情移入出来ず、1ミリも感動しなかった。
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