銀河鉄道の父のレビュー・感想・評価
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まぁまぁでした✨
私の誕生日は8月27日である。じつは、宮沢賢治生誕と同じ日。ウィキペディアによると、宮沢賢治は1896年〈明治29年〉8月27日生まれ。日本の詩人、童話作家、とある。
なので、賢治のことを知った小学生の頃から、私は彼を意識して生きて来た。教科書で見た彼の写真もどことなく、私の若いころの自画像を投影させる感じもあったし、勝手に自分で親近感を覚えたのである。もちろん、37歳でこの世を去った賢治とは比べるまでもなく、67歳まで生きて長らえて、賢治さんとはなにもかも全然、違うってことはわかっている。何事もなしえ得ない人生を過ごし、今に到るという、情けないものだと思うばかりである。
それはさておき、映画「銀河鉄道の父」を観てきた。私は近頃たくさんの映画上映に足を運んでいる。正直、ハリウッド映画のお馬鹿で痛快な映画が好きで、邦画のぐだぐだした感動作品はどうも苦手である。なのでこの「銀河鉄道の父」も初めは見送ろうと思ったが、やはり先に書いたとおり、宮沢賢治には昔から惹かれるモノがあり(生年の月日も一緒だし…)、ここは観ないといけないな、と思って観てきたのである。
評価は★3.5。賢治の父の話なのだが、賢治自身の人生に改めて触れるよい機会だっただけで、やはり邦画はだめだな、って思った。残念ながら、人の心を打つエンターテインメント不足なのである。少し「アメニモマケズ・・・」のシーンで泣かされたとはいえ、父も賢治も、その心情描写が深くない。全編薄っぺらで描き足りないし、そもそも彼の波乱な人生を120分で凝縮するのには無理があったように感じた。
賢治の生涯については、ほぼこの映画に足を運ぶような人は知っているだろう。原作を読んだ人もいるのだろう。結論的には、原作本だけでいいのじゃない、映像化はいる?・・・って、いうのが私の感想である。私は原作本を読んでいないのだが(笑)。
で、原作本を読んでみることにした。でないと、なんか納得いかない映画なのである。
日本の存在感の乏しい父という存在
(ネタバレですので鑑賞後にお読み下さい)
※本来の長いレビューを書く時間が最近ないので、短く
この映画は魅力ある人物として宮沢賢治(菅田将暉さん)、妹の宮沢トシ(森七菜さん)、出演場面は短いですが祖父の宮沢喜助(田中泯さん)の3人があげられると思われます。
そしてこの3人は、劇中でいずれも死に行く人物だと分かります。
しかし、死に対峙して生命を燃焼させた3人とは反して、この映画の主人公であるはずの父の宮沢政次郎(役所広司さん)の魅力がどうも映画の中から伝わって来ないと思われました。
父・宮沢政次郎は、実は宮沢賢治の求めに初めはことごとく反対しており、その後になし崩し的に賢治の要求を認めてしまうという繰り返しでした。
つまり、父・宮沢政次郎は、主体的には宮沢賢治を初めから助けていないのです。
もちろん他作品を参照するまでもなく、父・宮沢政次郎を演じた役所広司さんの演技は本来は凄まじいレベルであるはずです。
なので父・宮沢政次郎の魅力が伝わって来ないのは、(役者の演技の問題ではなく)父・宮沢政次郎という人物自体に魅力が欠けていたのが理由と思われました。
つまり、一般的な日本の父親という存在の薄さが、特に戦後からの解釈でここでも父・宮沢政次郎に凝縮される形で際立ってしまった、とは思われました。
あと、特に映画序盤の画角が不安定で、画質がCG合成の影響なのかかなり悪いのも気になりました。
銀河鉄道の兄妹という題材であれば傑作になったのかもとは正直思われました。
菅田将暉さん森七菜さんなどの演技の素晴らしさだけでなく、エピソードの面白さも沢山あり、優れた作品になる可能性があったと思われただけに、惜しい作品になっているなと思われました。
家族愛に支えられたの宮沢賢治の世界観
役所広司さんの情熱的で、人間臭い父の演技がとても良かった。
祖父に『きれいに死ね』と言い放ったトシの死生観。
そのトシを励ますために作品を書き続けた賢治の感性。
賢治の『お父さんのようになりたかっただけなんす。こどもの代わりに作品を書いてるんです』というコトバに
『だから、オレは賢治の作品がこんなに可愛くて仕方ないのか!孫だからか!』
様々なシーンにグッときました。
賢治の作品たちが後世、ひいては世界中に残り、何よりです。
家族の絆ををテーマにした素晴らしい映画でした✩
勉強になりました
宮沢賢治についての、見方が変わりました
教科書にのっていて、誰でも1度は聞いたことのある
雨ニモマケズ…
のフレーズ
宮沢賢治って、こんな感じだったんだ…
もう一度、宮沢賢治の本を読み返したくなる
映画です
もしや、教科書に載るほどになったのは、
お父さんの絶大な努力のたまもの?
妹に送った物語とは、知らなかった( ̄▽ ̄;)
そう思って読み返してみたい作品ですね
構成、音楽全て良くて、めちゃ泣いた笑 そして、何より役者の皆様が素...
構成、音楽全て良くて、めちゃ泣いた笑
そして、何より役者の皆様が素晴らしすぎて、確実にこの作品の質を上げていた事は間違いない。良作でした!
軽妙な作風のようで、宮沢賢治の作品に漂う「死の観念」をしっかりと取り込んだ一作
予告編、劇場のポスターなどから受ける印象だと、役所広司扮する宮沢賢治の父、政次郎と賢治(菅田将暉)の軽妙な掛け合いが特徴の、気楽に楽しめるドラマのようにも見えます。
実際の本作は、宮沢賢治の一見童話的な世界に漂う死の観念をかなり色濃く取り入れており、陰鬱の淵に立つ場面も少なくありません。それでいて物語がある種の軽快さと明るさを保ったのは、間違いなく役所広司の柔和な表情と少し冗談めいた語り口を織り交ぜた演技が貢献しています。
父親の視点を通して見る宮沢賢治の人生は、稀代の文学者を一人の青年として描いている点が興味深く、宗教にのめり込んで奇行に走る姿、妹トシ(森七菜)との兄妹の関係性をも超えた絆など、宮沢賢治の伝記的な記述だけはなかなか見えてこない、彼の新たな人物像が浮かび上がってきます。また宮沢賢治の生涯に関する出来事や逸話を上映時間の枠内できっちりと整理しているため、彼の人生や作品についてそれほど詳しくなくとも、一人の文学青年とその家族の物語として十分に楽しめる作品となっています。
幾度か登場する火葬場の場面は、回を重ねるたびに少しずつ様相が変わっていくという形で宮沢賢治の死の観念を映像的に表現していて、特に秀逸です!
脈略なく歪曲された内容に、悪意さえ感じました。
直木賞受賞作である原作は未読、予告編から"違和感"だけがあったので、かえって興味が湧き、鑑賞しました。
今までの ド真面目で、病弱で、女っけない 宮沢賢治さんのイメージではなく
本作は "出来の悪い子を支える"父親目線から、描いています。
事実では商家(古着屋)である実家を どうして、質屋に舞台を替えたのか?
導きたい理由が解らない。
物語の展開において、無意味不要な小細工に思えました。
現代では かっての「質屋」を理解できない人が多いのに、鑑賞者に主人公の"農民の貧しい暮らし"をより理解しやすい立場を判りやすく表現する目的で、舞台替えをしたいならば、
日々の生活が反映される他商家に変更する事こそできた訳ですが、
そもそも 宮沢賢治さんは 農業発展への貢献を考えての地元農学部への進学と随筆活動を行ったのではなく、
大学でできた友人たちと、出会い、同人誌で文章を書き始めた事が宮沢賢治さんの人生では重要です。
また宗教活動に興味を持った事も、作品に影響を与えているとは思えません。
不要な論点です。
現代でも、執筆だけで、生活ができている人間は日本中で100人も居ないので、
当時では、執筆で食えないのが当たり前な「同人誌活動」です。
喰えない、売れない お金がない事を 映画の鍵にするのには弱いネタです。
物語に 重要でない 母親や兄弟が 徹底的に削がれている シナリオ構成は極端で面白いともいえます。
この映画を観て、宮沢賢治さんを より好きに成った人は少ないだろう。
宮沢賢治さんが、単なる 芽のでない夢見る駄目駄目人間なら、自分と重ねてみたり、親の身になる人もいるでしょう。
しかし そうはさせじと?
金儲けを企てたり。。。 宗教感をだしたり
本作は 日本文学を代表する 宮沢賢治さんを「父親の視点からの しょうもない 人間」として強調する作品に構成されている。
この映画が産むものは。。。日本の教科書から、「雨ニモマケズ」「銀河鉄道の夜」を外させる運動の機先なのか?
宮沢賢治さんが表現したかった"だろう"世界感が伝わる 素敵なアニメ映画「銀河鉄道の夜(1985)」の鑑賞を僕は勧めます。
お口直しに
DVDも持っています。 YouTubeにも上がっています。
苦も楽も、哀も喜も、全てが家族が故に。
詩人、作家【宮沢賢治】(#菅田将暉)を
誰より愛した父親をはじめとした
彼と共に歩んだ家族が描かれた今作。
宮沢賢治を知っている人は、より人間的で愛おしく思え
知らない人は、とても身近で面白く可愛い人物であったと感じるだろう。
賢治の父 政次郎(#役所広司)の厳格でありつつも、
なんともチャーミングで愛に溢れる天真爛漫さは
きっと当時は、かなり異質であっただろうが、
今の時代においては普通だと思える、いわばイクメン的な父親像は、
宮沢賢治という人が、なぜに素晴らしい作家になったかが
手に取るように感じた。
家族として人間らしく。
堂々と一生懸命に真っ直ぐ、何より愛おしみ深く。
大事な人をこれほど大事であると思えることは、幸せだが時に辛くもある。
家族であることの尊さが身に沁みて、涙が止まらなかった。
妹のトキを演じた森七菜も素晴らしかった。
もう一度、久しぶりに宮沢賢治を読んで、
彼の人生と家族に想いを馳せてみようと思った。
#成島出 監督 #坂口理子
#役所広司 #菅田将暉 #森七菜 #豊田裕大 #坂井真紀 #田中泯
賢治の幸運
二世代で商売を成功させてきた財力が、賢治にもたらした影響は多大だったに違いない。
しかし一番の賢治の人生の幸運は政次郎の息子であったことなのだろう。
わがままで奔放な息子・賢治の傍らで、父・政次郎は長男として厳しく躾けていこうとするも、側からダダ漏れしてしまうような愛情深さを覗かせる。
そんな姿に、あらあらと思う一方でクスリとしてしまったのは何故か。
それは、政次郎が賢治の生涯のどんなときも見放すことなく人間くさい愛で彼に寄り添い通した点に答えがあるのだと思う。
政次郎を見ていると、父として自分とは違う生き方を突き進んでいく息子を、自分の人生いう宇宙の中に何度もあらわれる珍しく魅力的な流れ星でも眺めるようにおもしろがっていたようなところに気がつく。
そうか…彼はその先のいつの日かにある賢治だけの個性で放つ瞬きを誰よりも信じ、悩む部分さえも眩しいほどのたのしみのひとつに変えていけれる人だったんだと。
しかも、そのひたむきな思いは押しつけることなく実に自然だったからこそ、息子の究極の〝支え〟になっていたのがわかるのだ。
ノスタルジックな映像に方言の独特な趣きが加味され綴られる物語は、静かで地味で興奮する刺激はない。
しかし、たしかに沁みてくるのは、誰かの子として、また、親として生きるかけがえのないひとときとその儚さを照らしそっと心に触れる力があるからなのだ思う。
政次郎が乗り込んだ美しい銀河鉄道はこの世に生まれて死ぬ生命のつながりに思いを馳せさせるシーンだった。
そこには、時代のなかで斬新すぎた父親像を裏表なく貫いた笑顔が誇らしさと共にあり、再会した2人への心の奥から湧くような言葉とトーンは、後に賢治を世に送り出すことになった政次郎の人柄そのものだった。
大切な人との別れのすべてを終えるとき、言葉をひとつ伝えるなら私もきっと「ありがとう」を選ぶだろう。
享受できた運命への感謝をあらわすこれ以上やさしさに満ちた響きがあるのだろうか。
追記
菅田さんの役者としての真摯な熱量にまた敬意を抱きました。
役所さんは言うまでもありませんね。
「なむみょうほうれんげきょう」
キャスト的にもかなりの大作なのに、かなり早く終わってしまいそうで残念。まだ2週目なのに1番小さいスクリーンで1日3回まわしになってたので慌てて観てきた。
宮沢賢治ってどんな人かとかそこまで知らないまま見に行ったから、最初はびっくり。脚色とかもあるんだろうけど。
いろんなことに興味持って、時にのめり込みすぎたりして、でも人一倍世の中のためになりたいとか家族のためになりたいとかっていう思いが強くて。
父親からしたらかなり大変な息子だったんだろうなっていうのがすごく伝わってきた。
曇りなきまなこで悪気なく突き進もうとする若い頃の賢治の表情がとにかく見事だったな、困った息子だけどこれは憎めないよなっていう気持ちになったもんね。
さすがすぎたなぁ、菅田さん。
南無妙法蓮華経のシーン、泣いてしまった。
ここまで映画に心動かされたの久々な気がする。
よかった。
人柄を知った上で、宮沢賢治読みたいと思った。
宮沢賢治の生き様が知れた
結構良いシーンでも演出がハマらず、イマイチ入り込めませんでした。
死にかけている人の横で詩を読むところとか…
ただ、宮沢賢治の生き様を知れたのは良かったです。
死んだ後に作品が評価されるってすごいですよね。
役者さんの演技も響きました。
親子愛を静かに噛みしめる映画 でも「泣ける」とは思わない
これはね… 地味な映画でした。
つまらなくはないと思います。
2時間半、眠くもならずにみられましたし。
でも、特に派手なエピソードもなく、訥々と進みます。
家族愛を静かに噛みしめる映画です。
細かいことを言えば、史実に即してはいません。
私が知っている範囲でも明らかに異なっていたし、
念のため、帰宅してからパパッと検索してみた内容とも
だいぶ違っています。
でも、父 政次郎が主人公であり、彼の家族愛が主題なので、その部分が「実話」であれば良いわけで。
賢治の史実に即していなくとも、そこはもう、目をつぶって、フィクションとして楽しむものなんでしょうね。
なお、宣伝してる様な「泣ける映画」「感動に涙する」ということもないと(私は)思います。
静かに親子愛の有様を噛みしめる映画だと思うし、それで十分に感動でした。
変に大きな期待はしないで、静かに鑑賞する方が、この作品の良さを感じ取れるのではないかしら。
キャストは、役所広司と森七菜が良かったですね。
特に、森七菜は本当に自然な佇まいが良かった。
周辺事情からか賛否ある女優だけど、私は大好きです。
父親の愛が日本のアンデルセン・宮澤賢治を産んだ!
宮澤賢治の作品に親しんできましたが、改めて彼の素晴らしい人生も辿りました。そして父親からの視点は、とても新鮮で目から鱗でした。宮澤賢治の作品は、生きている間には、それほど脚光を浴びませんでした。しかしそれを覆して、後世に残る作品としたのは、父親の持つ深い愛情のなせる技だったと知り、涙を禁じ得ません。それから妹の存在も、大きく彼の人生の航路を変換させました。それまでの彼は、人工宝石の商売を始めようとしたり、日蓮宗に没頭したりと、自分探しでいっぱいいっぱいでした。妹の結核の発病を機に、アンデルセンの童話が好きな妹を喜ばすために、童話を作って読み聞かせたのです。それが「風の又三郎」でした。それ以降、次々と作品を作り、病にふせる妹の前で朗読したのです。思うに、妹は宮沢賢治の才能を開花させるために生まれてきたと思うのは私だけでしょうか。あの誰もが知る「永訣の朝」はその愛しい妹との別れを歌った詩として、「雨ニモマケズ」と同じくらいに私たちを泣かせてくれます。そして宮沢賢治の父親はなんて素晴らしいんでしょう。賢治を子供の頃から溺愛しますが、後年は賢治の作品の唯一最高の読者として、その面目躍如を果たします。また、賢治にとっては、この父親に褒められることが最高の喜びだったのです。さらに父親の生き方や哲学が、賢治の生き方(農業指導で農民に尽くす)のバックボーンになったのはいうまでもないことです。ですので、父親も宮沢賢治もどちらも本当に幸せな人生だったとしか思えません。
追記 この父親にとっては、自分より早く子供達が死んでいくことは、本当に辛かったと思います。それでも、エンディングで銀河鉄道に賢治と妹と乗り合わせたときの夢想は、このゆえもなく幸せの極地だったような気がしました。いずれにしても、役所広司はすごい役者です!
まあ泣けます
宮沢賢治の父側の目線で描かれた作品。原作未読。
普通に面白かったのですが、これは作品とまったく関係ありませんが劇場で近くに座っていたご婦人が嗚咽するほど泣いていらっしゃったので、なんだか白けてしまい感情移入出来ずじまいでした。その人は悪くありません。私の心が汚れているんです。笑
サブスクに入ったら一人でまた観たいと思います。
宮沢賢治はヘタレだった?
ダメダメな賢治を役所広司さん演じるお父さんが深い愛情でサポートした。
役所さんのクライマックスの瞬発力は唯一無二ですね。誰も敵いません。
てか、㊗️カンヌ国際映画祭男優賞🎉🎊
だだし年間ベスト級の作品が続いたので見劣りした感は否めない。
ありがとう
素敵な家族の物語でした。
父の寄り添い方もそのときどきに違って見えましたが、そこが自然でしたし、それでも一貫した強いものが滲み出ていました。
キレイに死ね。
いくな。
子どもの代わりに物語を生んだ。
最後くらいは私が。私は賢二の母です。
いろんな頭に残る言葉がありましたが、やっぱり最後の父の言葉がズッシリきました。
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