「父親は良かったが」銀河鉄道の父 ironさんの映画レビュー(感想・評価)
父親は良かったが
もう少し賢治の内面を丁寧に描いて欲しかった。あれでは賢治は行き当たりばったりで宗教に傾倒する単なる変人に見えてしまう。いくら父親が主人公だからと言って、賢治が”あの宮沢賢治”になる彼の内面の成り立ちを端折ってしまえば、普通の困った息子に寄り添い愛情を注いだ父親の物語で終わってしまう。別に宮澤家でなくてもいいことになる。賢治がなぜ法華経に傾倒していったのか、どうして農民と共に生きようと思ったのか、また、どのようにしてあの独特の調子の詩や童話を書くようになったのか端折らず、賢治の心の内をしっかり描き、ただの変人ではなかったことを示すべきだった。
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