「脈略なく歪曲された内容に、悪意さえ感じました。」銀河鉄道の父 YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)
脈略なく歪曲された内容に、悪意さえ感じました。
直木賞受賞作である原作は未読、予告編から"違和感"だけがあったので、かえって興味が湧き、鑑賞しました。
今までの ド真面目で、病弱で、女っけない 宮沢賢治さんのイメージではなく
本作は "出来の悪い子を支える"父親目線から、描いています。
事実では商家(古着屋)である実家を どうして、質屋に舞台を替えたのか?
導きたい理由が解らない。
物語の展開において、無意味不要な小細工に思えました。
現代では かっての「質屋」を理解できない人が多いのに、鑑賞者に主人公の"農民の貧しい暮らし"をより理解しやすい立場を判りやすく表現する目的で、舞台替えをしたいならば、
日々の生活が反映される他商家に変更する事こそできた訳ですが、
そもそも 宮沢賢治さんは 農業発展への貢献を考えての地元農学部への進学と随筆活動を行ったのではなく、
大学でできた友人たちと、出会い、同人誌で文章を書き始めた事が宮沢賢治さんの人生では重要です。
また宗教活動に興味を持った事も、作品に影響を与えているとは思えません。
不要な論点です。
現代でも、執筆だけで、生活ができている人間は日本中で100人も居ないので、
当時では、執筆で食えないのが当たり前な「同人誌活動」です。
喰えない、売れない お金がない事を 映画の鍵にするのには弱いネタです。
物語に 重要でない 母親や兄弟が 徹底的に削がれている シナリオ構成は極端で面白いともいえます。
この映画を観て、宮沢賢治さんを より好きに成った人は少ないだろう。
宮沢賢治さんが、単なる 芽のでない夢見る駄目駄目人間なら、自分と重ねてみたり、親の身になる人もいるでしょう。
しかし そうはさせじと?
金儲けを企てたり。。。 宗教感をだしたり
本作は 日本文学を代表する 宮沢賢治さんを「父親の視点からの しょうもない 人間」として強調する作品に構成されている。
この映画が産むものは。。。日本の教科書から、「雨ニモマケズ」「銀河鉄道の夜」を外させる運動の機先なのか?
宮沢賢治さんが表現したかった"だろう"世界感が伝わる 素敵なアニメ映画「銀河鉄道の夜(1985)」の鑑賞を僕は勧めます。
お口直しに
DVDも持っています。 YouTubeにも上がっています。