劇場公開日 2023年5月5日

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「お父さんの話だから仕方ないけど宮沢賢治の内面が描写不足なのが物足りない。宮沢賢治という超有名人におんぶにだっこした家族愛物語としては水準の出来。(キレイゴト過ぎるんだよね)」銀河鉄道の父 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0お父さんの話だから仕方ないけど宮沢賢治の内面が描写不足なのが物足りない。宮沢賢治という超有名人におんぶにだっこした家族愛物語としては水準の出来。(キレイゴト過ぎるんだよね)

2023年5月7日
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鑑賞方法:映画館

①はじめの方は舞台が明治なだけで平凡なホームドラマの様相だったので期待薄か、と思って観ていたら賢治が日蓮宗にはまりこんだ辺りからやっと劇として面白くなってきた。
②役所広司は好演だが、好演するのが当たり前の人なので驚くこともない。唯一感心したのは、病床の賢治の枕元で、ランプの灯りの下で「雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ…」を読んでいる時の表情。
③妹のトシと賢治との絆の強さが描写不足なので、賢治の進学を許さない父親があっさりとトシに説き伏せられるところ、トシが病に伏せたと知った途端に賢治が童話を書き始める等のエピソードの描き方が唐突すぎる。
誰もが知っているエピソードだから突っ込んで描かなくても良いだろう、というのは映画作りからしたら手抜きなのだ。
④菅田将暉は宮沢賢治役にはミスキャストだと思うが華のある俳優なのでこういう映画にはキャスティングされやすいのだろう。
結核に冒されてからは何とかそれらしくなってきたけど…
⑤賢治の臨終のシーンには泣かされたけど、泣かすような脚本で、泣かすような演出で、泣かすような演技なので泣いたようなもの(+私は涙もろい)。余韻がない。
⑥銀河鉄道(?)に乗った政次郎が乗客である賢治とトシに「ありがとう」というラストも?

観終えた後、スクリーンに向かって「ありがとう」と言える映画に出会いたいものだ。

もーさん
pipiさんのコメント
2023年5月12日

あ、過分なお言葉、ありがとうございます〜!
いやはや好き放題描き散らかしていてお恥ずかしい限りです。
(娯楽作品にミーハーなレビュー書いてますしw)

意見の対立はあって当然。自分とまったく異なる見解も興味深くて大歓迎です。(このサイト、いいね、じゃないので仕方なく「共感」押しますが、共感じゃなくても「良いレビューだなぁ」ってお伝えしたい時ありますよね)

ではでは、今後もお付き合いのほど、どうぞ宜しくお願い致します♪

pipi
pipiさんのコメント
2023年5月12日

エンタメとの線引き、ホント、そこですねー。

実際、レビューサイトなどには縁のなさそうな役所広司目当てと思われるオバ、いや、妙齢のご婦人勢も沢山おられましたし。(幕間、お喋りがうるさくて堪らんかった。上映始まってからも、煎餅並みに鳴り響くポップコーン咀嚼音があちらこちらから。あんな音を立てずに食べられるはずなんですがねぇ)

数字を狙うならば、エンタメに振る選択も仕方ないのかもしれませんね。

pipi
pipiさんのコメント
2023年5月12日

コメントありがとうございます〜

仰る通り「宮沢賢治という超有名人物におんぶにだっこ」だと感じてしまいましたー。

賢治の両親も敬虔な仏教徒ですから仏教や寺が身近なものとして育ち、父との対立点は浄土真宗は小乗、日蓮宗は大乗仏教ってところなんですよね。
西遊記でも三蔵法師は大乗仏教の経典を求めに苦難の旅をしましたし。

これまた仰る通り、賢治の作品は「多くの人たちに、大乗仏教の教えを伝えるための方策」だったのでしょう。
トルストイが、イワンのバカなど「大衆にもわかりやすい民和風」の物語で原始キリスト教の精神を伝えようとした行動に近しいと思います。

「賢治の父」である事がすでに特別なドラマであったでしょうに、賢治の描き方が非常に残念でしたね。俳優陣の演技が素晴らしいだけに惜しい映画ですー。

pipi
大吉さんのコメント
2023年5月9日

思わず泣いてしまった、泣けてきたって感じではなかったです。

大吉