「映像が凄くも無くストーリーは共感できなかった」ウィッシュ ぺりおさんの映画レビュー(感想・評価)
映像が凄くも無くストーリーは共感できなかった
色々な事を伝えたいのかなと感じつつも、ストーリーに共感できる所が無く、最後のエンディングが始まってすぐ帰りたくなりました。
1番の原因は出だしだと分析しています。
舞台となるこの国では、「王に自分の願いを渡して」「自分は願いを忘れて心軽やかに過ごせます」と…そして「いつか王が自分の願いを叶えてくれます(叶えられない人も多い)」という願いシステムがありますが、それらがどれも共感できず、他力本願な国民の姿勢が滑稽にさえ見えてしまいます。主人公は現在の暮らしを称賛しているので、出だしから感性の違いをあてられたような気持ちになりました。
むしろ、違和感を感じるように演出されていたとも言えます。
この映画では何を表現していたのだろうかと考えたとき、
・良い言葉尻で人々を騙す独裁国家と、それにようやく気づき目覚める人々
・自分では夢の実現ができない弱者達が、誰かに自分の夢を託しても意味がない事を学び、願いを取り戻す希望の話
・願いは魂の一部、誰かに渡して手放してはいけないという教訓
・現在のイスラエルとパレスチナを反映したかのような暗喩的メッセージ
・BLMなど活動家と言われる人々を善きものとし、人々に戦えと鼓舞する話
・ポリコレ自身に向けて他力本願はやめようというメッセージ
どれをとってもなぜか響かない内容でした。当たり前の話であったり、やや偏ったメッセージ過ぎるとも捉えられたり、またそれ系統の話ですかとも感じたり、純粋に楽しめるストーリーではありませんでした。メッセージをなぞるためにキャラクターが意志なく動かされているとも感じました。この映画は、愛と夢と希望、などではなく、やはり、マイノリティ・自分の人生を生きていない人や弱者に向けての社会的メッセージとして作られていると感じます。
ディズニーはポリコレに染まっていると言われる中、この映画は美人が主人公だからポリコレではない、とも言われていましたが、あくまで『ポリコレ的な層』に向けて作られているかなと結局思い至るところです。