「人間の住む国で」リトル・マーメイド 3148さんの映画レビュー(感想・評価)
人間の住む国で
金ローで初鑑賞。
映画館へ観に行った友だちが美女と野獣やアラジンほどではない、と
イマイチそうに言ってたのですが私はとても好きでした。
ストーリーの再現度がピカイチだった。お城もイメージぴったりやった。
リトル・マーメイドは父娘愛の物語であって恋愛はサブ、と思っていたのですが
どちらも大切にしてくれていたのが嬉しかった。
原作のアリエルは完全に一目惚れだったけど、自分と同じように窮屈さを感じている
エリックに親近感を覚え、さらに宝物収集癖も同じだと知って惹かれていく。
とても丁寧にふたりの心が近付く様子が描かれていて恋に落ちる説得力が増していた。
そして原作では泣かなかったがこちらのラストシーンでは泣いてしまった。
人間と人魚が一緒に笑っているところ。
別れが辛くて自分から娘を突き放すように波を起こして見送るところ。
トリトン王の、アリエルの涙は本当にきれいだった。
実写ディズニーの「立派になった娘」を見つめる父の優しいまなざしが本当に好き。
ベルを見るモーリスも、ジャスミンを見るサルタンも。
新曲も良かったね、特にエリックのソロ曲。
吹き替えの海宝さんの演技は原作の和彦さんへのリスペクトを感じた。
全体的にはどっちも良かったけど英語版の方が好きかな。
セバスチャンとスカットルずっと夫婦みたいやったな。
これも事前に友だちに聞いてたから知ってたんやけど
セバスチャンVSシェフの戦闘シーンがめっちゃ好きやのになくて残念。
でもセバスチャンが窓から入ってくるとき「料理のネタにされそうになった」と
言ってるのでもしかしてシーン自体はあったけどカットされたんかな?
契約シーンも変えないでほしかった。アリエルとパパがサインするとこも好きなんだよ。
契約書の重みも、哀れな人々の一員になってしまうトリトン王も必要やろ。
そう、吹き替え版の「パパ」呼びも変えんといてほしかった。
「愛してるわ、パパ…」って涙ぐむアリエルが可愛いから。
人魚に戻ったアリエルをアースラが連れてってエリックが追いかけていくシーンも
グリムスビーが引き留めた女王様に対して何か言うシーンあったんちゃうかな?ちょっとぶつ切りに感じた。
指輪蹴っちゃうのはナイスやったね。アリエル大好きグリムスビーほんわかする。
でも最後アリエル指輪してたからちゃんと見つかったんやな。
しかしお話が素晴らしいからこそねじ込まれたポリコレが悪目立ちしてる。
何でアリエルのお姉ちゃんたち人種バラバラなの?
トリトン王は愛妻家やのに側室いっぱいおるみたいになってまうやん。
エリックの養子設定も要る?自由になりたい王族ならもうジャスミンがおるし普通に実子でよくない?
お母さん(女王様)を黒人にしたかったからか?
それやったらもうトリトン王も姉たちもエリックも女王様も全員黒人の方がマシやろ。
最近のディズニーはポリコレを前に出し過ぎなんが問題なんやと思う。
昔の作品にもポリコレ要素や社会問題の描写はあるけどお話の中に自然に溶け込んでいて
心にすっと染み込むから違和感も感じないし気にならない。
これのいい例がズートピアで、まさにポリコレな人種差別が描かれてるけど
ニックとジュディの絆が大きく心に残るからこそ名作なんやと思う。
予告観る限りめっちゃ良さそうな実写スティッチ、これもそう。
ナニのヤングケアラーとしての苦悩が描かれてるけど決して無理にねじ込んでるわけではなくて
リロとスティッチとオハナになっていくために必要な部分だったから自然に受け入れられる。
自分で考えて、自分で運命を切り拓きたい実写ベルも
黙っていられない、国王になりたい実写ジャスミンも共感できるからおかしくない。
比重を間違えて変なとこが浮いてしまっているのを何とかせい。
でも人種にさえ目を瞑れば本当に良い作品だと思います。
アースラが一番良かったね、体をぷるぷるさせたり貝の口紅塗ったりもあって。
もっと細かいこと言うと口紅はぶちゅっと出してほしかったけど。
一番許せないのはポスターで海にいるピラルクですよ(ピラルク過激派)
もう3回観たんですがまた観たいです。