「ディズニー版『ラプラスの魔女』」リトル・マーメイド グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
ディズニー版『ラプラスの魔女』
映画レビューを書くのが習慣になると、映画を見終わった時、いいなと思った作品も、これはちょっとなぁと思った作品も、その気持ちをどう言葉にしようかな、と自然に考えるものですが、この作品は違いました。
心の中の第一声は、「監督❗️手を抜いたな‼️」でした。
原作原案はテッパン、予算もスタッフもCGなどの技術スタッフも万全、もちろんお受けしますよ。
事実関係はまったく知りませんが、そんな感じで安請け合いして、さしたる情熱もなく、予定日数内でキチンと仕上げました。どうです?無難に仕上がってるでしょう⁉️
七つの海の娘たちというので、アジア系の娘までいたのだと思うのですが、画面から伝わる世界観は、キューバとかジャマイカなど中南米あたりに限定的な雰囲気で〝世界〟というスケールが感じられませんでした。あの泳ぎの速度では、太平洋横断は無理だし、アリエルの想像のつく範囲に未知の世界(海域)がある、という話との整合性もとれてない。
人種や民族の壁の無い世界を、これでもかというくらいに描こうとしているのに(なにより海の神様の一族の話なのに)、サメだけは敵対的な存在というのは、サメをメタファーとしたある種の人間たちについては差別的に扱ってもいいんだという誤ったメッセージにならないか。そんな心配までしてしまいました。
仕事に置き換えて考えると、始まってしまった企画については、途中で問題が発生したり、判明したとしても、いつの間にか期限までに当初予算を使い切ることが目的化・優先されて、スタッフ全員が疑問を封印(思考停止)して納品してしまった。
私の記憶のなかにある限りでは、『ラプラスの魔女』以来のやっつけ仕事。そんな印象です。
人種や性別、性的マイノリティーや障害者などへ、当たり障りなく配慮する事…と、私が知る限りではポリコレの定義の一つと聞いています。
確かに最近のディズニーはそれらへ過剰に織り込み過ぎているのも否定出来ません…。