「子供の頃から大好きなリトルマーメイド」リトル・マーメイド まみーさんの映画レビュー(感想・評価)
子供の頃から大好きなリトルマーメイド
子供の頃から大好きなリトルマーメイド。
早くからキャストなど色々騒がれていましたが、どういった映画になるのかずっと観に行きたいと思っていました。
私自身が小さい頃から夢みてきた個人的なアリエル像や世界観はどうしてもあるので、観る前は自分の持つイメージの違いなどに馴染めるか戸惑いもありました。でも予告の素敵な歌声を聞いて、新しいアリエルを楽しみにしていました。
そして観た感想は、
リトルマーメイドの壮大なスケールが表現しきれていなかったかなと感じました。世界観は前述した通り、私のずっと求めていたメルヘンな世界観とは違っていたので、別のものとして楽しもうと観たのですが。
求めていた世界観と違っても、これはこれで素敵!と思わせるような深みと説得力に欠けていたかなと感じました。
全体的にテンポが早すぎて、それぞれの登場人物への気持ちやストーリーが入り切らず。
数えきれない程アニメリトルマーメイドをみている私でも、登場人物の行動や人柄や設定があまり読み取れなかったです。
初めてリトルマーメイドをみるかたなんかは、何故アリエルとエリックが恋に落ちたのかさえも(そしてそれが生まれた海や仲間全てを捨てていく程までの情熱的なものだったのかも)ちょっと疑念を抱くのではと感じました。
陸に上がってからの世界は、今回の主役に合わせてつくられたのかアニメとは全く違う国になっていました。それがどうしてもモアナの世界にしかみえなかったのですが(モアナも大好きなので)それはそれで魅力的と思えればいいのですが、一体どういう設定の国なのか色々な違和感を感じ
いまいち入り込めずでした。ファンタジーとはいえ、ハリーポッター映画のように作り込まれていて創造を駆り立てるくらいの魅力を感じませんでした。
セバスチャンとフランダーなど海の世界に関しても同じでした。勿論ところどころには可愛らしい素敵なシーンがあったと思います。女優さんも魅力的な可愛さのある人で声も綺麗ですごく頑張っているんだなとは伝わって。でもアニメのように応援したくなる程に役には感情移入できませんでした。
せっかくの一番楽しみにしていた歌唱シーンもなんだかせかせかして、なんで急に歌いだしたかに違和感を感じてしまい美しい声に浸る暇がなかったです。ヴァネッサも楽しみにしていたのですが、ちょい役みたいな感じにあっという間に終わってしまいました。ところどころにこの新しい世界になぜか入りきれない違和感を感じました。
全体的に「美しい」という言葉を殆ど使っていないところや、人種や見た目の壁のない世界を目指してというようなメッセージのように受け取ったのですが…
それを納得できる殆の深みと説得力が今回は感じられませんでした。王子様の歌唱シーンも、この急ぎ足のストーリーの中必要だったのかな?と。アリエル役の人の歌をもっといれた方が良かったのでは。
そして運命の出会いというよりは、人と人魚というだけであって実写では普通の恋のようにみえました。実写では難しいと思うけれど、セバスチャンはもっと深みのあるカニでフランダーも情にあつい魅力的な友達と思っていたのですが、そこも作り物感やおまけ感がすごくあった。
時間やコストなど足りなかったのかな…とも少し考えてしまって、ディズニーの魔法にかかるような感じで観られなかったのが残念でした。
この映画が全く新しいメッセージのあるものなのか、それともリトルマーメイドの実写版なのかがとても中途半端に思えたところが個人的には残念でした。実写版というのは難しいなと改めて感じました。アニメなど原作の世界観により似せるものを実写版と呼ぶのか、そこから全く離れたもので表現してくる場合それを凌ぐほどの世界観と原作とリンクした感じをみせられるのか
内容を変えすぎるのは難しいのかなど
色々と考えさせられました。
キャストさんそれぞれの魅力やところどころでは楽しめたかと思います。
リトルマーメイドについてはまた今後何十年後かに是非もう一度別なかたちでも実写化があればいいなと思いました。